…毎日、夜に成ると雨が降り出し、今宵もしとしと濡れている。
そんな雨の中を、トボトボと出掛ける…。
そんな雨の中を、トボトボと出掛ける…。
◎「〆さば」五一〇円
…集団で客が押し掛けて来て、俄かに忙しく成って来たので、
マスターの手を煩わせまいと独りで黙々と麦酒を呷る。
手の空いた頃、マスターが「摘みは何も行ってなかったっけ?」と訊いて呉れたので、
此処ぞとばかりに「〆さば」を摘みで発注。
少し厚めに切られた身は、酢の〆加減が絶妙で、脂の載りも良い。
◎「生ビール(中)」五八〇円
…店内は益々混み出し、厚かましい客が脇目も振らずに己の注文を通そうと躍起に成っている。
僕は其処迄面の皮が厚くないので、黙って只管待つ。
啼かぬなら 啼く迄待とう 不如帰。
所詮、独り者なんて時間の制約が無いので、蔑ろにされ勝ちな人種なのだ。
◎「小鰭」一六〇円
…漸く空き始めた所で、初めて寿司に有り付く。
手始めは何時もの「小鰭」。
今回は「新子」との事で、今年初めて頂く。
二枚付けで握って呉れ、肉厚な小鰭とは違い、若く、初々しい感じ。
仕込みに手間が掛かって大変らしいが、しっかり旬の時期に頂いておきたい。
◎「生サンマ」二三〇円
…時間的に此れで〆る頃合いに成ってしまった。
光物五番手にしてトリは、勿論、秋刀魚!
如何してこんなにも旨いのだろう。
筆舌に尽くし難い。
脂の載り、身の旨味、捌き立ての新鮮さ。
何れを取っても言う事無し!