続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「三丁目 にしや食堂」【日進】

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◆「三丁目 にしや食堂」【日進】


 ◎「豚小間と厚あげのおいしい煮」六五〇円

 …目が覚めれば正午過ぎ。
  余り深酒はする物ではない…。
  瞼は重いし、身体も重いし、胃は凭れているし、大蒜臭い…。
  そんな穢れた身体をシャワーで洗い流し、中途半端に暑い中を此方へと出掛ける。
  今日の御薦めは「豚小間と厚あげのおいしい煮」としてある。
  暑いので煮てある物は止そうか、然し、鶏の唐揚げは最近食べ過ぎだし…。
  さんざっぱら悩み、折角なのでお薦めされてみる事に。
  「春雨入り」と書かれていたので、もしや…とは思ったが、
  グツグツ音を立てて土鍋に入っての御出座し。
  手持ちの木綿のハンカチーフで噴き出す汗を拭うのに事足りるのかと、一瞬怯んだ。
  酒で疲れた胃袋には、きっと温かい物が良いと、みのもんたが言ったか如何かは知らないが、
  そう言う事にしていざ取り掛かる。
  具は、豚の小間切れ肉、厚揚げ、春雨。
  此れ等がスープ仕立てでグツグツ言っている。
  味付けは、仄かに甘味の有る薄味。
  こんな日の胃袋には染み入る様に感じられ、後を引く優しい味付け。
  額からは、華厳か養老か、将又、ナイアガラかと言わんばかりの瀧の様な汗が、
  止め処無く噴出しては流れ落ちて来る。
  如何して、汗をかくと不快に成るのか。
  嗚呼、夏が憎い程に嫌いだ…。
  汗を拭き拭き、団扇で扇ぎつつ、そんな中でもしっかりと御飯の御替わりを頂戴し、
  ヒィヒィ言い乍らも完食。
  夏場に食事を頂く際は、魚市場の冷凍庫で頂きたい程、夏の食事には苦労している。
  折角の美味しい物が、汗をかくと言う不快感が加わる事に因り、
  ぼやけてしまうのが残念で成らない。
  そう成らない為にも、夏なんて無くなって呉れて構わない!