もう好い加減、腰が駄目だ…。
腰の骨を金槌で思い切り叩き割って、息の根を止めて楽にして欲しい…。
死んだ方が余程マシな痛みで、呼吸も儘成らない。
体勢を変えたり、咳き込んだだけで電気ショックの様な激痛が走り、
其の度に「あ゛ーーーーーっ!」と言う絶叫が狭い部屋に木霊する。
当然、必要最低限の動きしか出来ず、此の儘、動けずに死んで行くのだな…と、
感傷的に成ったりもする…。
介護用のパラマウントベッドが欲しい…。
こんな激しい腰痛の痛みが有るのを知り乍ら、「和彩楽酒 かもん」のマスターは、
今晩呑みに行くからと誘いのメールを寄越す気遣いの無さ…。
晩御飯を食べに出掛けたり、何かを買いに行く事も困難なので、
ピザの出前を取る以外に、飢え死にを防ぐ方法は無いのだ、独居老人には…。
蚊の啼く様な声で、受話器の向こうの遥か年下の御嬢さんに発注する。
「アイダホスペシャルとチーズ&チーズをハーフ&ハーフで…」。
此れを、麻酔代わりの麦酒の摘みとして頂く。
正直、旨い!
旨いのだが、今の僕は細かい味の感想を記せる様な状態ではない…。
本当、腰が壊滅状態。
明日、仕事に行けるのか…。
整形外科の往診は無いのか…。
いっその事、救急車、否、霊柩車で搬送して呉れ…。