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横浜での仕事を終え、帰りの首都高速道路が順調に流れていた事も有り、
今日の御飯は「振り掛け玉子掛け御飯」
金も無い癖に悪い企みが頭に過ったが、此れ以上、貧乏を拗らせると泣きそうに成るので、
大人しく真っ直ぐ家へと向かう…。
毎晩毎晩、食べる物は決まっている。
御馴染みの玉子掛け御飯…。
ハァ…。
何時もの通り、米を炊いている合間にそそくさと風呂に入る。
風呂から上がってぼんやりしている内に、炊飯器がピィピィ言う寸法…。
さて、今日は玉子と何を組み合わせようかしら。
既に心は決まっている。
先日、スーパーマーケットに玉子を買いに行った折、
「寺岡家のたまごにかけるお醤油」と共に、玉子売場に抱き合わせの様に置かれていたのが、
玉子掛け御飯に、更に振り掛けを掛けるとは斬新な発想だ…。
御飯を丼に装い、贅沢にも玉子を二個も割り入れ、
「寺岡家のたまごにかけるお醤油」を、高血圧患者仕様でドブドブと注ぐ。
玉子が随分と紫色に染まった所で、さあ、振り掛けを打ち撒けよう！
ふと、振り掛けのパッケージが目に入ったので読んでみると、
「醤油の代わりに混ぜるだけ！」と陽気に記されている。
おいっ！もう醤油、ドバドバと入れちゃったよ！
嗚呼、又しても、サザエさんみたいなおっちょこちょいを…。
僕の人生、何時もこうだ…。
目先の食べ物に目が眩んだ「カウパー野郎」と呼んで呉れ…。
まあ、塩っぱい事に関しては、高血圧患者には持って来いと、逸早く立ち直ってみる。
振り掛けを醤油に負けずにパラパラと振り掛ける。
さ～て、箸で玉子を割り、グチャグチャに掻き混ぜて掻っ込もう…。
何ですと！？
一寸、奥さん、旨いじゃないの！
黄身の濃厚な味わいに、おかか、佃煮昆布、海苔、分葱の振り掛けが絶妙に混ざり合う。
ジャリジャリとした歯触りから、醤油ベースの甘辛い振り掛けの味が繰り出される。
醤油を入れてしまっても、全く持って苦にならない塩分。
と言うより、僕の舌が既に塩分に侵されてしまっているだけなのか…。
濃い目の塩加減が丁度良い。
「醤油の代わりに混ぜるだけ！」と言うのは嘘だな。
何かの策略に違いない。
間違いなく、醤油をドップリ掛けた上で振り掛けた方が、断然旨いと思う…。
