続・ROCK‘N’ROLL退屈男

続・ROCK‘N’ROLL退屈男 B面⇒https://twitter.com/RandR_taikutsu

「饗酒堂 温」【大山】


 …昨晩。
  久し振りにペー氏から呑みの御誘いを受け、二日酔いを押して大山へと出掛ける。
  埼京線が車両点検の影響で、三〇分近く遅れる御負け付きで…。
  指定された店は、「ハッピーロード」内に在る地下の店で、過去に何度か訪れている。
  仄暗い小洒落た雰囲気で、穢苦しい中年二人切りで入るには少々気が引ける…。

 ◎「生ビール(中)」五二〇円
 …前日の酒が大いに残り、何と無く、ムカつきが消えない状況だが、取り敢えず呑む。
  勿論、麦酒を…。
  流石に、グビグビと喉を鳴らして呑める様な体調ではないので、チビチビと。
  御通しは、ラーメン屋かと見紛うばかりに、葱叉焼と半熟味付け玉子半個。

イメージ 1
 ◎「馬刺盛(ハーフ)」八八〇円
 …此の日の御薦めらしく、店員から薦められてしまい、ペー氏が見事に口車に乗せられて発注。
  熊本県産との事らしいが、馬刺しに関しては、僕自身は長野県のハーフなので、
  子供時分から、上田の祖父母の家に出掛ける度に馬刺しが出て来るので食べ慣れている。
  赤々とした赤身の部位と、綺麗なサシが入った霜降りの部位の様だ。
  卸大蒜を載せ、九州の甘い醤油に付けて、先ずは霜降りの方から。
  トロンとした脂の蕩ける舌触りを感じるが、噛み応えはしっかりしている。
  赤身の方は、しっとりとして舌に吸い付く様な食感で、キュッと噛み締めたくなる。
  何れも、九州特産の甘い醤油と合って、中々悪くない。

イメージ 2
 ◎「さざえガーリック焼(一個)」六五〇円
 …此方も御薦めの品らしく、又しても律儀にペー氏が店の策略に嵌る。
  然も、一個六五〇円との事で、一人一個ずつ頂く事に…。
  栄螺の壺焼きの形状で出て来た物は、随分と欧風な感じがする。
  大蒜バターの風味が立ち上り、香ばしさが漂う。
  小さく刻まれた栄螺を箸で摘んで頂くと、コリコリとした歯触りと、大蒜バターの味わい。
  貝フェチだが、栄螺には余り惹かれないが、此の味付けは中々。
  しっかりとほろ苦い肝も頂き、残った汁は、脇に添えられた麺麭にぶっ掛けて齧る様に言われる。
  ヘドロの様な色をした栄螺汁を、カリカリに焼かれた麺麭に引っ掛けて齧り付く。
  普段、麺麭は滅多に頂かないが、ん~、良いじゃない。

イメージ 3
 ◎「銀だら西京焼」五五〇円
 …ペー氏ばかりに発注権限を握られていてはいけないので、メニューに有れば必ず頼む此方。
  子供の頃は見向きもせず、寧ろ、嫌いだった焼き魚だが、今と成っては何だか好きだ…。
  特に、西京焼きと言う、一手間加えた物は家では決して頂けないので貴重だ。
  箸で突くとホクホクした感じが伝わり、頂くと、西京味噌の甘さが感じられる。
  欲を言えば、もう少し濃い味で、マヨネーズを付けると合う様な味が好み。

イメージ 4
 ◎「鳥取大山地鶏炭焼」六八〇円
 …鶏肉が大好きで、三歩歩いたら忘れてしまう酉年のペー氏の発注。
  此処、大山で、大山地鶏を頂いてみる…。
  出て来る迄に時間が掛かったので、本当は「ダイセン」ではなく「オオヤマ」ではないかと、
  憎まれ口を叩いていると運ばれて来る…。
  表面はこんがり狐色で見るからに香ばしそう。
  案の定、皮はパリパリとして脂が染み出し、肉は弾力が有り、プリプリしている。
  塩焼きなので、鶏肉本来の甘味が引き出されている様に感じられる。
  欲を言えば、マヨネーズを大量に掛けて頂きたい所…。

イメージ 5
 ◎「あじ」四八〇円
 …突如、ペー氏が刺身が喰いたいと言い出し、「順番、逆じゃね?」と突っ込む。
  鮪が御所望だった様だが、其れを丁重に却下し、安価な鰺で無理矢理手を打たせる…。
  と言いつつ、鰺の刺身は食べ飽きているので、僕は然程、箸を付けないが…。
  結構な厚みで切られている鰺は、ピカピカと輝きを放っている。
  物流が発達した恩恵だ…。
  脂の載りは控え目で、もう少し欲しい所。
  身が大振りな分、プリッとした弾力は愉しめる。

イメージ 6 
 ◎「長芋とゴボウのサクサク揚」五八〇円
 …又しても、今度はペー氏がサクサクしたいと言い出し、サクサクする事に。
  選りに選って、何で野菜?
  蓮華に甘辛いタレが入れられており、其れを豪快にサクサクに打ちまける。
  嫌々乍ら、先ずは牛蒡から摘むと、牛蒡特有のバキバキとした繊維質の食感は無く、
  正にサクサクした食感で、泥臭い味もしない。
  長芋はシャキシャキとした軽い歯触りと粘りが有る。

イメージ 7
 ◎「サバみりん」四五〇円
 …最後位は僕の主張を通して発注。
  頼んでみたは良いものの、鯖の味醂干し自体を頂いた事が無い…。
  まあ、鯖ならば間違い無かろう。
  ん~、味醂って本当に甘いのだな…。
  焼いた鯖はギュッと言う食感が旨く、甘辛い味付けで覆われている。
  別段、悪くないが、酔っ払い過ぎたのだろうか…。

 ペー氏は日本酒、僕は麦酒を呑み続け、二人で一三〇〇〇円ならば其れなりに呑んだに違いない。
 此の後は御決まりで、千鳥足でラーメン店へと雪崩れ込む…。