続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「大宮一番街 鰓呼吸」【大宮】


 …昨日。
  日中は武蔵国一之宮・氷川神社参りや、大宮公園散策で歩き回り、光合成をしてみる。
  霊験灼たかな場所に身を置くと、神聖な心持ちに成り、随分と癒される気がする。
  さんざっぱら歩き、日もとっぷり暮れ、腰の痛み止めの麻酔と、風邪の消毒をしに、
  以前から気に成っていた、「大宮一番街」に今年四月に新規開店の店へと出掛ける。
  魚を仕入れる際の木箱の木材が壁一面に打ち付けられ、椅子は麦酒ケース、
  即席で設えられた様なテーブルの上に設置されたコンロで、魚介類を炙って頂く様だ…。

 ◎「エビス生中」四九九円
 …二階席のカウンターに通され、先ずは麦酒で一杯遣る。
  歩き草臥れ、腰は痛み、咳は止まらず、麦酒でも呑まにゃ遣って居られない…。
  三分の一程を一気に呑み干し、喉をシュワシュワさせ、咳に対抗してみる。
  御通しは衣被ぎで、卓上の味塩を此れでもかとたっぷり振り掛けて頂く。

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◎「エラコセットA」九九九円
 …折角、卓上にコンロが有るので、炙ってみたくなるのが普通だろう。
  一品一品頼むのも億劫なので、セットに成っている物を御願いする。
  「A」と「B」の二種類有り、内容を良く吟味した結果、「A」を発注。
  内訳は「鮪ホホ肉」、「ホタテ2ヶ」、「蛤2ヶ」。
  此れを店員がコンロの網の上に載せて呉れ、指導された通りに炙る。
  鮪の頬肉は軽めに炙り、卓上の味塩を存分にぶっ掛けて頂く。
  丸で、肉の様な引き締まった噛み応えと弾力が愉しめ、ずっと噛み締めていたい程。
  帆立貝は技が要る様なので、店員に御任せし、引っ繰り返して焼いて頂く。
  卓上の出汁醤油を掛けて頂くと、貝柱の甘さが強く、肝の苦味との対比が良い。
  其れにしても、帆立貝の貝殻を見ると必ず、武田久美子女史を思い出すのは可笑しいだろうか…。
  そして、最後の蛤は、小まめに引っ繰り返す様に言われ、口が開いた所で、
  帆立貝と同じく、出汁醤油をぶっ掛けて頂く。
  汁を零さない様に啜り、身を頂くと、磯の風味が何とも美味しい。

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◎「活!ホタテ刺身」四九九円
 …此の日の御薦めの刺身の中から、御得である事を前面に打ち出している帆立貝を発注。
  普段、貝フェチとしては、すっかりメジャーに成り下がってしまった帆立貝は回避するのだが、
  そんなに薦められては、断る理由は他に無い…。
  然し乍ら、出て来た刺身は少々貧相な印象を受ける。
  貝紐付きなのが御得と言う意味だったのだろうか…。
  身は薄く、表面もザラザラ感が有り、プリップリの肉厚の物とは遠い。

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 ◎「アスパラ」二九九円
 …久し振りに、パラガスにマヨネーズをたっぷり付けて頂きたくなったので発注。
  野菜嫌いな僕が、好んで頂く数少ない野菜の一つ。
  茹で加減も先ず先ずで、マヨネーズを付けて頂くと旨い。
  勿論、此れはマヨネーズが旨いのだが…。

 ◎「ホッピーセット(白)」三九九円
 …麦酒は二杯で止め、ホッピーに変えてみる。
  ホッピーは決まって「白」と決めている。
  如何わしい麦酒の様な気の抜けた感じが、堪らなく良かったりする…。

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 ◎「車エビ」三九九円
 …気分良く酒を呷っていると、生の海老を持った店員の御嬢さんが宣伝をさせて呉れと唐突に言い出す。
  「此れから<<ガラムシ>>を遣ります」と、遣る気の無い口調でマニュアル通りに喋り出す。
  通訳すると、「一階で海老を焼くので、一本喰いませんか、オッサン!」と言う事だろう。
  まあ、乗り掛かった笹舟だ、海老一本位なら破産はしまい…。
  約束通り、数十分後に其の海老は、変わり果てて桃色をして戻って来る。
  脇に添えられたタルタルソースで食べる様に促されるが、生憎、タルタルソースは好きではない。
  面倒臭い殻や足を取り除き、卓上の塩化ナトリウムを大量に振り掛けて頬張る。
  ブリブリとした甲殻類特有の食感が伝わり、塩化ナトリウムの塩気が実に旨い!
  塩は良いな…。

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 ◎「あん肝」五九九円
 …思いも寄らず、鮟鱇肝が有る様なので発注しておいた。
  当然の事乍ら、「鮨処 いっしん」の物を超える事はないのは百も承知での発注だ。
  思ったよりもパサパサ感は無く、スポンジを喰っている様な印象は受けない。
  適度に濃厚で、満足とは行かないが、許容範囲内の味わい。
  もう少し、柔らかく、トロトロ加減が味わえる位の蒸し加減だと尚宜しい。

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 ◎「じゃがバタ塩辛銀紙包み焼き」四九九円
 …此処最近の三度の北海道出張の折にも頂く事無く帰還したので、
  何とは無しに、北海道気分を味わいたくて、バターが然して好きでもないのに頼んでみる…。
  此れも卓上のコンロで熱し、包みの口から湯気が噴き出したら出来上がりだと説明を受ける。
  頃合いを見計らって銀紙を開けると、塩辛にも火が通り、食べられなくも無い雰囲気なので、
  見切り発車で箸を付けて頂いてみる。
  ホクホクとした馬鈴薯にバターが染み込み、其処に塩辛の磯の香りを含んだ塩気が馴染む。

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 ◎「ぶっかけウニイクラ寿司」一二九九円
 …さて、〆には矢張りプリン体に御出座し頂こう。
  其れなりに値も張るので、どんな形状で出て来るのかと期待に胸を躍らせていると、
  海苔巻きの上に、イクラと雲丹が一緒に盛られている様な感じ。
  此れで此の値段は少々高い気がするなと、首を捻っていても仕方が無いので、口を開けて頬張る。
  イクラは醤油漬けの為、口当たりが滑らかで、口の中にスルスル入り込み、
  口内で一気にプチプチと弾け出し、プリン体の海と化す。
  雲丹はネットリとして甘く、プリン体の王様の風格を漂わせている。

 此の日は、麦酒二杯、ホッピーは「ナカ」を二回御替わりして計四杯頂き、
 身体中を磯臭い煙塗れにし乍ら、酩酊して帰宅する…。