続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「食事・喫茶 みたけ」【中島(名古屋)】

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◆「食事・喫茶 みたけ」【中島(名古屋)】

 ◎「どて丼」六〇〇円

 …昨晩から雨が強く降り出し、夜更けは雨の音で何度と無く目が覚め、
  毎度の事のだが、出張中は熟睡が出来ない性分の様だ…。
  宿を出る頃には小止みに成り、折り畳み傘でも凌げる程度に成っている。
  名古屋駅から「あおなみ線」と言う電車に揺られ、仕事に向かう。
  仕事の合間、十三時過ぎに昼御飯を摂りに外へ出る。
  雨も降り、彼是と飲食店を探し廻るのも面倒臭いので、
  来る途中に通り掛かった、喫茶店風の店へ飛び込みで三名で入ってみる。
  店内には二名の先客しか居らず、空いていて安堵する。
  珈琲を出す喫茶店の様な佇まいの為、食事に関しては期待を寄せない…。
  壁に貼り出された食事メニューを眺めると、「おでん定食」、「生姜焼き丼」等と記されており、
  其の中に「どて丼」と言うメニューを発見し、食指が動かされる。
  名古屋と言えば、昨晩頂いた味噌カツ然り、八丁味噌を使った料理が多く、
  土手煮も其の類である事は、「世界の山ちゃん」等で頂いた事が有るので知っている。
  名古屋滞在最後の日なので、少しでも名古屋らしい物を頂こうと試みる…。
  其の「どて丼」の正体は、正に予想した通りで、御飯の上に土手煮をぶっ掛けた物。
  安易だが、分かり易く、腕白中年が手っ取り早く掻っ込めるので有り難い。
  御飯は土手煮の八丁味噌を存分に吸い、おじやの様な状態に成っている。
  掻っ込むと、八丁味噌の甘味が感じられ、コッテリとした味わい。
  然し、仄かな酸味も感じられ、ゴテゴテしてくどい印象は無い。
  土手煮の具はモツと蒟蒻のみで、余分な野菜が入っていないのが好印象。
  プリン体フェチの痛風患者には、モツは願ったり叶ったりの栄養分だ。
  脇に添えられた紅生姜が箸休めと成り、口内をさっぱりと爽やかにして呉れる。
  丼を抱え、黙々と掻っ込む。
  〆には、名古屋の常識らしい昆布茶が出され、妙に落ち着いてみる…。
  すると、先程迄、随分と閑散としていた店内が俄かに混雑している。
  然も、其の殆どが高齢者…。
  店の三分の二以上を占め、一気に二〇名弱が大挙して押し寄せている。
  店内の空気が突如、土手煮の八丁味噌の様な色に茶色く澱んだ様な感じに成り、
  加齢臭が、ナフタリン臭、線香の匂い、入れ歯安定剤の匂いと綯い交ぜに成った香りに支配される…。
  然も、其の中にカメラマンが居り、高齢者を被写体に、次々にカメラに収めている。
  何なんだろう、此の集いは…。
  一体、何が目的なのだろう…。
  少し怖くなり、いそいそと外へ出、午後の業務に戻る…。