続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「吉祥寺どんぶり」【渋谷】

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◆「吉祥寺どんぶり」【渋谷】


 ◎「醤油にんにく丼」五八〇円

 …昨日。
  此の日の日帰り仕事ぶらり旅は、火曜日に引き続いての渋谷。
  若者が暴れ狂い、毎日が祭りの様で、婦女子が目に毒な格好で闊歩する街…。
  如何も、生気が吸い取られる様な気がして、此の街には馴染めそうもない。
  此の日は我々の範疇とは異なる部分での煩雑さで、此方迄被害を蒙り、
  彼是と対応に追われ、仕事に成らないったら有りゃしない…。
  そんな中を掻い潜り、十三時に昼御飯を摂りに外へ出る。
  息詰まる室内から解放され、例え、薄汚れて澱んだ空気が垂れ込める街とは言え、
  屋外の開放感たるや、肩の荷が全て下りる様な感覚で、息をフッと吐き出す…。
  食事の目星は疾うに付けてある。
  火曜日は、個人的に渋谷で最も旨いと思っている「中華ソバ 櫻坂」へ訪れたが、
  距離を歩くのが億劫なので、手近で済まそうと、何と、国立名物の「すた丼」を模した、
  「吉祥寺どんぶり」と言う店が在るのを発見し、ずっと気に掛けていた。
  月曜日に高崎で「どかスタ」を喰らい、大蒜醤油味は体内に補給された筈なのに、
  すっかり舌は其れを忘れ、脳内は完全に「すた丼」に支配されている…。
  店に入り、先ずは券売機で「醤油にんにく丼」の釦を押し、席に着く。
  「どかスタ」よりも一〇〇円安く、然も、生玉子と味噌汁が付くのが有り難い。
  其の点で、是非とも「どかスタ」は、本家の「すた丼屋」や此方を見習うべきであろう…。
  狭い店内は、数々の大盛りを制覇して来たであろう猛者達が集い、腹を空かせている。
  セルフサーヴィス形式らしく、食券を渡した際に半券を返され、
  其れに記載された番号が呼ばれると、自分で取りに行かねばならない。
  十五番の番号が呼ばれ、病院で検査結果を聞きに行くかの如く、カウンターへと取りに立つ。
  盆を受け取り、其処に載せられた丼を見遣ると、想像以上の暴力さ加減にニヤッとしてしまう…。
  着座し、丼の真ん中に窪みを作り、其処へ別皿の生玉子を割り入れる。
  こうすれば、写真を撮った際の見栄えも良かろう…。
  写真撮影が済んだら、白身が零れない様に掻き混ぜ、全体に馴染ませてから掻っ込む。
  丼を抱え込んで掻っ込むと、正に、味も暴力的!
  本家の「すた丼」よりも豚肉が厚く、バラ肉の薄切りと言うよりは、小間切れと言った感じ。
  此れを、葱と一緒に大蒜醤油味のタレで炒め合わせており、正に豪快。
  腕白度合い、繊細さの欠片も見られない度合いで言えば、本家を遥かに凌ぐ。
  御飯の盛りも半端では無く、少しでも怯んだら返り討ちに合う様な量。
  一心不乱に、余計な事は考えずに喰らう。
  生玉子のドゥルドゥルした感じ、黄身の濃厚さが良く絡む。
  葱のシャキシャキ感も旨さの一役を担っている。
  卓上の「胡瓜のキュウさん」的な緑色の漬物も取り放題で、こんもりと丼に装う。
  此れは良い!
  良い意味で、無骨で、下品で、豪快で…。
  思わず、吉祥寺に行きたくなってしまった…。