続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「和匠喜酒 かもん」【宮原】


 …昨晩。
  後ろ髪を引かれる思いで「三丁目 にしや食堂」を後にし、毎度の此方に顔を出す。
  前の晩、神戸からの帰りにも寄ったが、其れは其れ、此れは此れ…。

 ◎「生ビール(中)」五五〇円
 …既に麦酒を三杯頂いて来た後だが、少し歩けば喉が渇くと言うものだ。
  只でさえ出っ張った腹が、麦酒の炭酸で更にタプンタプンしているが、
  腹を妊婦の様に摩り乍ら、我が子を愛でる様にして、麦酒を呷る。
  腹に詰まった夢と希望は健やかに成長を続けている様だ…。

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 ◎「タラ白子酢」七八〇円
 …前の晩に引き続き、メニューには記載されていないが、白子が有ると言う。
  麦酒の摘みに、プリン体を突き乍ら一杯遣れると言うのは嬉しい限りだ…。
  自家製のポン酢に良く馴染ませる様にして、表裏を満遍無く浸す。
  ヅケの様にして、白をポン酢色に染めて行く…。
  馴染んだ所で頂いてみると、当たり前だが、トロットロ、プリップリの何とも言えない、
  濃厚、円やか、クリーミーなコク深い味わいが口一杯に拡がる。
  此れぞ、冬の味覚の代表格だ。
  白子は卑猥だが、如何してこんなに旨いのだろう…。

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 ◎「肉汁うどん」六八〇円
 …麦酒をしこたま呷り続けていると、段々に空腹である事に気付く。
  断腸の思いで「三丁目 にしや食堂」でとろろ掛け御飯を頂かずに来たので、
  代わりと言っては何だが、此方で何時ものを頂く。
  此方で〆と言えば、御決まりの肉汁饂飩。
  すっかりお気に入りで、毎回欠かさず、狂った様に食べ続けている。
  此の手の醤油味の物は飽きが来ず、何時でも頂ける。
  濃い口の肉汁は、豚肉の脂身から染み出す脂の甘味や旨味が凝縮されており、
  油揚げと葱との組み合わせも実に良い。
  饂飩はツルツルとして、喉越しが良くて心地好い。
  勿論、汁は残さず飲み干す。

 果たして、麦酒は何杯頂いただろうか。
 八杯程かな…。
 店長T氏に自動車で送って貰い、午前二時には就寝…。