…昼間に雪で滑って、七〇センチメートル程の段差を飛び越えて転倒して負った傷の痛みが、
徐々に強くなって来ており、特に右手の小指と薬指の付け根が痛く、握ると痛みが走る…。
晩御飯は此方に伺おうと固く心に決めているものの、此の雪で気持ちがもっきり折れそうになる。
そんな気持ちを奮い立たせ、今度は慎重に外に出て、転倒しない様に気を付けて歩き出す…。
徐々に強くなって来ており、特に右手の小指と薬指の付け根が痛く、握ると痛みが走る…。
晩御飯は此方に伺おうと固く心に決めているものの、此の雪で気持ちがもっきり折れそうになる。
そんな気持ちを奮い立たせ、今度は慎重に外に出て、転倒しない様に気を付けて歩き出す…。
◎「生ビール(中)」五〇〇円
…血だらけの脛も地味に痛く、明日に成れば身体の彼方此方に打ち身が表出するに決まっている。
そんな打ち身の麻酔代わりに、今宵も麦酒で身体を麻痺させる。
例によって、こんな寒い日でも、チンカチンカに冷えた冷やっこいルービーが大好きだ。
霜が降って真っ白なジョッキを、痛みが走る右手とは逆の手で持ち、グイッと呑む。
喉元をシャリシャリとしたシャーベット状の麦酒が転げ落ちて行く。
僕は段差を転げ落ちた…。
御通しの「長芋の旨煮」は実に味付けが宜しく、ホクホクとして、とろろとは思えない食感。
…血だらけの脛も地味に痛く、明日に成れば身体の彼方此方に打ち身が表出するに決まっている。
そんな打ち身の麻酔代わりに、今宵も麦酒で身体を麻痺させる。
例によって、こんな寒い日でも、チンカチンカに冷えた冷やっこいルービーが大好きだ。
霜が降って真っ白なジョッキを、痛みが走る右手とは逆の手で持ち、グイッと呑む。
喉元をシャリシャリとしたシャーベット状の麦酒が転げ落ちて行く。
僕は段差を転げ落ちた…。
御通しの「長芋の旨煮」は実に味付けが宜しく、ホクホクとして、とろろとは思えない食感。
◎「とりもも肉のカリカリ焼き定食」七〇〇円
…今日の目論見は、此の「カリカリ焼き」を摘みに一杯遣る事。
此れを此の二、三日ずっと愉しみにしていたにも拘らず、転倒して負傷するとは…。
本当に大殺界が明けたのかね…。
そんな、身体中が痛い中、此方の「カリカリ焼き」は相変わらず暴力的な迄に皿から食み出している。
怪我で傷んだ身体と心を癒して呉れる…。
こんがりとした狐色は見た目に香ばしく、食欲をそそる。
早速、御決まりの別皿のマヨネーズに付けて頂く。
其の名の通り、カリカリとした歯触りで、諄くなく、実に軽い口当たり。
サクサクしたスナック菓子の様な趣きも有り、箸が進む。
薄く叩いた鶏肉にはしっかりと下味が施されており、腕白中年の喜ぶ味付け。
恐らく、大蒜も入っていると感じる。
又、何時も記すが、衣に塗された黒胡椒が主役級の存在感を醸し出している。
ピリッとした爽やかな辛味と、マヨネーズの酸味が絶妙に混ざり合う。
此の手の味わいの物が麦酒と合わない筈が無い。
一瞬、怪我の事を忘れる位の旨さだ…。
◎「トロトロ月見とろろ」四〇〇円
…麦酒で粗方「カリカリ焼き」を平らげ、御飯は残してある。
此処最近のお気に入りは、〆にとろろをぶっ掛けて掻っ込む事。
とろろフェチには堪らない、何とも贅沢な〆だ…。
福島県は郡山産の山芋を擦った物に卵黄が投下され、タレが掛けられている。
娘さんが別皿に山葵を用意して呉れ、此れも投入して一気に掻き混ぜる。
其れを、真ん中に穴を掘った丼飯に豪快にぶっ掛ける。
後は一心不乱に掻っ込むだけ。
ヅルヅルと嫌らしい音を立て乍ら、無駄に精を付けて行く。
否、無駄ではない。
転倒に因る怪我の影響で、少なからず体力が消耗しているに違いない。
そう信じて、滋養強壮に努めてみる…。
麦酒を二杯頂き、雪で再び転倒する事に怯え乍ら店を後にする…。
※2010年2月13日時点の情報です。
ID:0000302098
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