続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「そば処 小庵 喜多」【川越】

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◆「そば処 小庵 喜多」【川越】

 ◎「天玉そば」四三〇円

 …昨日から立川へと通いで仕事に出掛けている。
  地味に乗り換えが多く、忙しないやら、慌しいやら、疲れるやら…。
  久し振りに肉体労働に復帰した所為で、腰の塩梅も良くなく、
  ポンコツ度合いが更に増して来ているのは言う迄も無い…。
  昼御飯は致し方無く、ファミリーレストランと言う苦渋を舐めさせられ、
  痛恨の極みを味わい、今一、精が付いた気がしない…。
  十八時過ぎに仕事が終わり、帰りは拝島駅経由の八高線で帰宅を試みる。
  時間は掛かるのだが、乗客が少ない分、疲労が緩和出来る。
  本数が少なく、単線の為に待ち合わせ時間が多いのが難点。
  終点の川越駅に着き、川越線への乗り換えも十五分も待たねばならない。
  折りしも、外は冬に逆戻りの様な冷たい風が吹き荒れ、暑がりの僕でも流石に凍えそう…。
  此の十五分を無駄にしない手は無いと考え、晩御飯を済ませる事にする。
  川越駅構内に在る、此方の立ち喰い蕎麦屋に飛び込んでみる。
  外は真冬の様に寒いし、給料日前の赤貧生活で懐も寒いし、此方で暖を取ろう。
  店頭の券売機で「天玉そば」の釦を押し、店内に入り、カウンターに食券を置く。
  椅子席も有るので、「座り喰い蕎麦」と洒落込む…。
  一分程で、丸で病院で薬を貰う様に呼ばれたので取りに行く。
  席に着き、丼から立ち昇る湯気が、途轍も無く有り難い温かさの様に感じられる。
  「フランダースの犬」のネロ少年の様だ…。
  丼を両手で包み込む様にして持ち、先ずはつゆから啜る。
  其の温かさたるや、五臓六腑に染み渡る様な心持ちで、「一杯の掛け蕎麦」の気分だ。
  味わいは、立ち喰い蕎麦の中ではやや濃い目の部類に属する物と感じたが、
  其れでも、此の寒さからしたら、もっと濃くて風味の強い物の方が良い。
  蕎麦は色が黒めで、切り方も不揃いな感じで、手打ち風を醸し出している。
  立ち喰い蕎麦なので、腰が如何こうと言うつもりは毛頭無い。
  モッチリした感じが有り、中々に悪くない。
  天麩羅は桜海老、玉葱、人参が入っており、桜海老の風味が存分に味わえる。
  柳家喜多八師匠の名言「天麩羅蕎麦の天麩羅の裏側は見ちゃ駄目、夢が無くなるから…」、
  其の言葉を忠実に守り、天麩羅は引っ繰り返らない様に注意する。
  そして、玉子の白身を絡ませ乍ら蕎麦を啜るのが好きだ。
  ヅルヅル、ドゥルドゥルした感じが良い。
  最後は黄身をつゆと一緒に口に入れ、黄身が割れた瞬間に一気に幸福感に襲われる。
  如何してこうも、蕎麦のつゆと渾然一体に成った玉子は美味しいのだろう。
  此の寒さで、つゆは残らず飲み干し、大宮方面行きの電車に乗車し帰宅する…。