…昨日。
今週は三ヶ月振りの日曜日からの出勤の為、週末恒例の此方には訪れる事は出来ないと、
随分と気を落としていたが、午後からの仕事の前に、食事だけで訪れれば良い事に気付き、
午前十一時半過ぎに急ぐ様にして此方の暖簾を勢い良く跳ね上げる…。
マスターは配達に行っていると言い、暫くの間、水を飲んで涼を取る。
此処で麦酒が呑めない事が、こんなにも辛い事とは想像だにしなかった…。
今週は三ヶ月振りの日曜日からの出勤の為、週末恒例の此方には訪れる事は出来ないと、
随分と気を落としていたが、午後からの仕事の前に、食事だけで訪れれば良い事に気付き、
午前十一時半過ぎに急ぐ様にして此方の暖簾を勢い良く跳ね上げる…。
マスターは配達に行っていると言い、暫くの間、水を飲んで涼を取る。
此処で麦酒が呑めない事が、こんなにも辛い事とは想像だにしなかった…。
◎「小鰭」一六〇円
…麦酒が無いので、行き成り寿司から取り掛かる事にする。
何時もの如く、小鰭から頂くと言う流れは、酒が入っていようが入っていまいが関係無い…。
此の蒸し暑さで、身体がじわじわと疲労する感じなので、此の適度な酸味が堪らなく心地好い。
塩気も程好く、江戸前のきちんとした仕事が為され、技が光る逸品と言えよう。
◎「〆さば」二三〇円
…此れ又、御決まりの〆鯖を、御決まりの頃合いで頂く。
分厚く切られた身は、限り無く生の鯖に近い味わいが感じられる。
其れも其の筈、身の赤味が残る程、僅かに〆られており、鯖本来の味、食感が愉しめる。
真っ白に成る程に〆られた鯖なんぞ、喰えたもんじゃない…。
◎「あんこう肝」三二〇円
…普段は麦酒の摘みとして小鉢で、言わなくても勝手に出て来る鮟鱇肝だが、
此の日は流石に仕事前で麦酒が呑めないので、ママさんが気を利かせて、寿司で出して呉れる。
此の時期に鮟鱇肝が頂ける悦び、幸せを噛み締めつつ、其の味わいを堪能する。
コッテリと濃厚な味わいに、ポン酢の酸味が相俟って、酢飯と一緒に解れる感覚は絶妙。
海苔の磯の香りも加わり、口内はまったりと円やかな味わいで一杯に成る…。
◎「まぐろ」二三〇円
…前々回、気紛れで発注した鮪が頗る旨く、其れ以来、すっかり定番化してしまっている。
今回のは中トロに近い部位で、脂の載りも微かに感じられ、鮪の旨さが堪能出来る。
又、瑞々しく、しっとりとした舌触りで、赤身特有のネットリとした深い味わいに、
思わず身悶えしそうで、日本人に生まれた喜びの念を禁じ得ない…。
◎「やりいか」三二〇円
…以前は墨烏賊の入荷が多かったが、此処最近は槍烏賊が続いている。
軽いサックリとした歯応えで、隠し包丁が入れられている為、身が柔らかく感じる。
噛めば烏賊の甘味が、酢飯と一緒に成って余計に強く感じられる。
烏賊の奥行きの深い旨さは、此方で初めて思い知らされたと言っても過言ではない…。
◎「天然平政」二三〇円
…金曜日の晩に「和匠喜酒 かもん」でも頂いたが、此方でもしっかり頂いておく。
冬の鰤、夏の平政と言われるだけあって、市場には多く流通しているのであろう。
頂いてみると、鰤の様な脂の載りはなく、寧ろサッパリとしている印象。
然し、白身特有の旨味が十分に凝縮されており、夏の風物詩の様な感じが有る。
◎「みる貝」五一〇円
…麦酒を呑んでいない代わりに、普段は発注するのに憚られる高級メニューを頂いておく。
個人的に、貝の王様と認定しており、何か良い事でも無いと発注出来ない高級な貝…。
頬張ると、コリッとした歯触りと、クニュっと言う歯触りとが同時に感じられる。
磯の香りが漂い、生の貝の甘味がふんわりと感じられ、贅の極みと言った感じ。
◎「子持ちしゃこ」三二〇円
…此処から怒涛の攻撃で、〆へと雪崩れ込む。
プリン体フェチには欠かせない、甲殻類と卵を併せ持つ、何とも堪らない逸品。
プリッとした身の弾力、食感も然る事乍ら、プチプチと弾ける卵の感じが良い。
煮ツメとの相性も抜群で、蝦蛄をこうして頂く事を発明した人は偉い…。
◎「すじ子」三二〇円
…立て続けにプリン体を摂取し、少しでも日頃のストレス解消に努める。
姫鱒の筋子だが、プチッと弾ける力強さは鮭に負けない物が有る。
塩漬けの味わいも此の上無く絶品で、此の味わいに惚れ込んでマスターが仕入れるだけ有る。
イクラの醤油漬けに勝るとも劣らず、筋子ならではの旨さが存分に詰まっている。
◎「煮穴子」三二〇円
…〆のデザートは、例によって此方の一番人気で〆る事とする。
十三時〇八分発の電車の時間を気にしつつ、大口を開けて一気に頬張る。
煮ツメの甘辛い濃厚な味わいと一緒に、丁寧が仕事が施された穴子が、ふんわり、ふっくらと、
いとも簡単に口の中で蕩け去る感覚は筆舌に尽くし難い。
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※2010年6月21日時点の情報です。
ID:0000301944
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