2010-06-21

「キッチンブルドック」【大井町】

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◆「キッチンブルドック」【大井町】

　◎「Ａランチ（チキンカツとカレー盛合せ）」八四〇円

　…昨日からの大井町での仕事も今日で二日目を迎え、今日の作業の進捗が鍵を握る。
　　煩雑な事が多く、作業量も多い為に苦労は多いが、進捗としては先ず先ず。
　　汗だくで肉体労働を熟し、十三時に昼休憩と相成る。
　　人数が多いので、各自ばらけて適当に食事を摂る事に成り、僕は徒党を組むのが嫌なので、
　　独りで大井町駅周辺を彷徨う様に、食指が動きそうな店を探して歩く…。
　　昨晩訪れた「中華そば永楽」で、叉焼を目当てにも拘らず、
　　叉焼の入っていないメニューの「もやしそば」を知らずに発注して失敗したので、
　　其の仕切り直しもと考えたが、二日連続は止し、他を当たる事にする。
　　すると、飲食店が密集した狭い路地が在り、其処に一際目を惹く看板を発見する。
　　「お食事は大井一うまい・やすいブルドック」と。
　　そう言われちゃ、腕白中年としては行かない訳には行かないではないか…。
　　怪しい路地を進み、意を決して店内に入ると、店内は大いに賑わっている。
　　図らずも、上司や同僚も三人して先に来ている程…。
　　独りカウンター席に座り、メニューを眺めるも、初めてなので何が名物なのかが分からない。
　　こう言う時は当たり障り無く、日替わりメニューを発注するのが無難で、
　　今日の「Ａランチ」は「チキンカツとカレー盛合せ」と成っており、其れを発注する。
　　店内は相当な年季が入っており、御世辞にも綺麗とは言えず、寧ろ汚いと言った方が良い位。
　　其れも其の筈、僕が腰掛けたカウンター席の前には、異様な形のトロフィーが置かれており、
　　「とんねるずのみなさんのおかげでした」の名物コーナー「きたなシュラン」でも取り上げられ、　　　
　　其の際の出演者のサインが壁に貼られており、トロフィーもサインも既に汚れている…。
　　そうこうしている内に、「Ａセット」が無愛想に運ばれて来て、目の前に配膳される。
　　昔懐かしい洋食屋を思わせる銀の楕円形の皿に、チキンカツ、千切りキャベツ、じゃが芋サラダ、
　　そして、涼感たっぷりの硝子の不似合いな器にはカレーが装われている。
　　そして、別に御飯と豚汁が付くと言うのが此のセット。
　　卓上のソースをチキンカツにたっぷりと掛け、千切りキャベツにもドバドバ掛ける。
　　ソースを必要とするメニューが多いので、卓上のソースの消費量は可也のものだろう…。
　　脇に添えられた辛子を少し塗し、先ずはチキンカツから齧り付く。
　　表面の衣はサクサクとした軽い食感で、中の鶏肉は厚さは無いが、家庭的な感じの味わい。
　　肉汁がジュワッと、肉質はプリプリッと、と言った感じこそ無いが、
　　腹を空かせた腕白中年が、肉体労働後の昼食として頂くには頗る適している。
　　そして、問題は小さな器に装われたカレーを如何やって頂くか。
　　御飯の皿にぶっ掛けるのも気が進まず、チキンカツを浸してカツカレー感覚で頂くのも一寸…。
　　其処で考え付いたのが、スープカレー方式で、匙で御飯を掬い、カレーに浸して頂くと言う寸法。
　　カレーはサラッとした感じで、豚肉もしっかり入っており、辛さも控え目で良い。
　　正に、「カレーは飲み物」と言う言葉が相応しい仕上がりと成っている。
　　ウガンダ師匠の御冥福を御祈り致します…。
　　最後は器の儘、ドリンク感覚で飲み干し、ウガンダ師匠の遺言を全うする。
　　全体的に盛りが豪快で、腹っ減らしには堪らなく有り難い。
　　と言う訳で、明日も導かれる様にして訪れてしまうのかな…。

～御負け～
　昭和の風情たっぷりの鄙びた店舗外観。
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