続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「驛麺通り」【静岡】

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◆「驛麺通り」【静岡】


 ◎「和歌山スペシャル」七八〇円

 …昨日の昼間から著しく気分を害し、只でさえ此の暑さで苛立っていると言うのに、
  癪の種が増え、気も狂わんばかりに腹が立ち、気が立っている。
  昨晩も御多分に洩れず、蒸し暑さで寝苦しく、ろくすっぽ眠れやしない…。
  今朝は七時起きで静岡へ日帰りで出掛けねば成らないと言うのに、
  二度寝をしてしまい、十五分で身支度を整えて家を飛び出す。
  すると、地味に小雨が降っている。
  鞄から折り畳み傘を出して差せば良いやと思って鞄を探るも見当たらない。
  最近使った事は無いのにだ。
  舌打ちをし、只でさえ家を出るのが遅れたのに、踵を返して家に蝙蝠傘を取りに帰る。
  御蔭で、乗る筈の高崎線を一本遅らせ、一路、東京駅を目指す…。
  予定通りの東京駅発九時〇三分発の「ひかり四六五号」に乗車し、静岡駅に降り立つ。
  静岡に着けば噎せる様な蒸し暑さで、長い蝙蝠傘を持っているのが馬鹿らしい程…。
  新静岡駅から静岡鉄道に乗って出掛け、仕事を汗達磨に成って熟し、漸く十四時半に終了。
  静岡市中心部に戻るべく、来た電車に乗り、新静岡駅に舞い戻る。
  時刻は十五時を過ぎ、昼御飯を好い加減摂らねば成らない。
  目星を付けていた店はとっくの疾うに昼営業を終了し、晩からの営業に備えている。
  仕方無く、静岡駅へ行き、構内に在る飲食店街を彷徨う。
  此の時間なので、贅沢は言っておられず、新幹線停車駅の構内に必ず見られる、
  「驛麺通り」と言う、「ジェイアール東海フードサービス」が展開するラーメン店へ。
  人も疎らな店内に入り、カウンター席の端っこに陣取る。
  此方では、札幌ラーメン、函館ラーメン、和歌山ラーメン、博多ラーメンを提供しているらしく、
  即決で、僕の大好きな和歌山ラーメンの中から、「和歌山スペシャル」と言うのを発注する。
  汗を拭き拭き、水をがぶがぶと飲み、拭いても拭いても、飲んでも飲んでも足らない程…。
  其れでも何とか落ち着かせ、身体の火照りも引きつつある頃、ラーメンが運ばれて来る。
  ラーメンは兎も角、其のラーメンを運んで下さった女性の、まあ美しい事…。
  歳の頃なら二十五前後で今風の感じだが、甲斐甲斐しく、且つ元気良く、気立ても良く、
  もう、小父さんの心はロックオン…。
  こんな別嬪な御嬢さんが運んで来て下さったラーメンならば、端から期待はしていないが、
  一味も二味も引き立って美味しく感じられる事だろう。
  能書きには「豚骨をベースに鶏ガラを混ぜ、濃厚に仕上げたスープに、
  たまり醤油ベースのタレを加えた醤油豚骨ラーメン」であると謳っている。
  さて、肝心のラーメンは、厨房内で小母ちゃんが遣っ付け仕事で作る様な感じ…。
  先ずはスープから啜ってみると、和歌山ラーメンと言うよりは、如何って事無い普通の醤油豚骨ラーメン。
  強いて言えば、甘味が有り、徳島ラーメンに近いだろうか。
  第一、徳島ラーメンの特徴である豚バラ肉を甘辛く煮込んだ物が入っているではないか…。
  麺は細麺で、低加水のボソボソした感じは僕好みだが、腰如何こうを考えた茹で加減ではない。
  叉焼はパサパサ感の有る、チェーン店特有の味わい。
  麺麻はまあまあで、シャキシャキ感が有る。
  件の豚バラ肉は甘辛いと言うよりは、生姜焼きの様な味わいも感じられる。
  唯一の救いは彼女の笑顔と生玉子のみ…。
  最後は黄身をドゥルンと飲み、口内で割り、スープと一緒に混ぜ合わせる。
  黄身の濃厚な味わいがして、〆としては宜しい。
  例の美女に会計をして貰い、御釣りを受け取る際に手と手が触れ、ほっぺが真っ赤っ赤に成ってしまいそう。
  否、僕には次の仕事が待ち構えているのだ…。