…日曜日。
一年で一番の愉しみの伴天連正月も、あっと言う間に過ぎ去り、年末へと突入する。
此の日は正午から上野で忘年会が有り、二軒を梯子し、麦酒二杯、ハイボール五杯を呷り、
十八時前には帰宅し、其処から寝てしまう事も無く、意外とシャキッとしている。
三連休の締めを飾るには、此方で寿司を堪能するしかないと、空腹感は全く無いが、
何時もは昼に出掛ける此方で、最後の晩餐をする事にする…。
一年で一番の愉しみの伴天連正月も、あっと言う間に過ぎ去り、年末へと突入する。
此の日は正午から上野で忘年会が有り、二軒を梯子し、麦酒二杯、ハイボール五杯を呷り、
十八時前には帰宅し、其処から寝てしまう事も無く、意外とシャキッとしている。
三連休の締めを飾るには、此方で寿司を堪能するしかないと、空腹感は全く無いが、
何時もは昼に出掛ける此方で、最後の晩餐をする事にする…。
◎「生ビール(中)」五八〇円
…店に入り、何時もの座敷席の端っこに腰掛けると、マスターから「夜は珍しいね」と声を掛けられる。
昼に忘年会が有った事を告げると、てっきり素面かと思ったと驚かれる。
三時間前迄呑んでいたが、呑むと成れば、其れは其れ、此れは此れ…。
自動的に出て来る麦酒に口を付け、一口グイっと呷る。
河岸を替えれば酒も変わり、至って美味しく頂ける。
…店に入り、何時もの座敷席の端っこに腰掛けると、マスターから「夜は珍しいね」と声を掛けられる。
昼に忘年会が有った事を告げると、てっきり素面かと思ったと驚かれる。
三時間前迄呑んでいたが、呑むと成れば、其れは其れ、此れは此れ…。
自動的に出て来る麦酒に口を付け、一口グイっと呷る。
河岸を替えれば酒も変わり、至って美味しく頂ける。
◎「あんこう肝」と「真鱈の白子」七〇〇円
…酒の当てはと言えば、先週は白子しか無かったが、今回は鮟鱇肝もしっかりと有る。
最近ではすっかり定番化した、鮟鱇肝と真鱈の白子の相盛り。
此れ以上無い、プリン体のコラボレイションだ…。
何時もの様にポン酢をなみなみと浴びせ掛け、頂く準備を整える。
先ずは鮟鱇肝から頂いてみよう。
所々、橙色の脂の載った部位が見え、頂いてみるとコッテリとしたコクの有る味わいがする。
う~ん、冬の風物詩で、海のフォアグラと言われるだけあり、まったりとしている。
真鱈の白子は、滑らかな舌触り、円やかでクリーミーな口当たりで、何とも美味。
絶妙の蒸し上がりで、僅かに火の通った感じが、余計にコクを増しているのだろう。
最高だな…。
◎「小鰭」一六〇円
…すっかりプリン体を堪能した後は、寿司へと移行する。
前回は売り切れで頂き損なった小鰭が、今回はちゃんと有るのが嬉しい。
見た目に美しく、白銀の鎧を纏った様な佇まいは、正に江戸前寿司の華。
何時もよりもしっとり感が強めで、酸味も心地好く、しっかりと下拵えがされ、技が光る逸品。
◎「〆さば」二三〇円
…続いては〆鯖を頂くのが通例。
すっかり真冬の時期に成り、鯖が脂を蓄え、益々旨さが増して来る。
分厚く切られた鯖は、軽く〆た程度で、鯖本来の味が害われていない。
皮と身の間の脂に甘味が有り、悶絶しそうな旨さに至福の悦びを感じる。
◎「鰺」二三〇円
…不意にマスターから、「鰺食べる?」と訊かれ、其の唐突さ加減に思わず「はい」と答える。
恐らく、裏から取って来る都合が有ったのだろう…。
三週間振りに頂く鰺は、相変わらずの肉厚で、口の中でプリップリ言っている。
何とも言えない旨味が凝縮しており、味の良さ、鮮度が堪らない。
◎「まぐろ」二三〇円
…最早、此方に於いて鮪は欠かせない一品と成っている。
今年は改めて、鮪の旨さ、取り分け、生鮪の旨さを此方で教わった。
今回の鮪はしっとりとした舌触りで、舌と同化する様な味わい。
鮪のネットリとした感じや、脂の味わいも存分に堪能出来る至高の逸品。
◎「すみいか」三二〇円
…鮪を頂いたら、烏賊を頂く組み合わせが好きだ。
此処最近は墨烏賊が入荷している事が多いが、槍烏賊でも、どちらでも旨いので良い。
先ず始めにサックリとした食感を感じ、噛むに連れ、コリコリ感が感じられる。
軈て、ネットリとした芳醇な甘さが口一杯に拡がり、つくづく、烏賊は旨い。
◎「たいら貝」二三〇円
…再度、マスターが不意に、「此の貝、食べた事有るよね?」と訊いて来る。
ショウケースの中には、俗に平貝と呼ばれる「たいらぎ」が入っている。
余所では頂いた事は有るが、此方では初めてなので握って頂く。
貝柱の部位はサクっとし、若干のぱさつきが有るが、甘味が有り、貝フェチには堪らない。
◎「子持ち昆布」三二〇円
…最近ではすっかり定番と成った子持ち昆布もしっかり頂いておかねば成るまい。
如何してこうも、素敵な昆布が出来上がるのか、不思議でならない。
表面はシャキシャキ、プチプチとした軽い歯触りが実に心地好い。
昆布なので、旨味成分がぎっしりと詰まっている様で、癖に成りそうだ。
◎「すじ子」三二〇円
…そろそろ、〆に取り掛からねば成らない時間のタイムが遣って来る。
もう、言わずもがなのセットアッパーは筋子に他ならない。
鮭ではなく、姫鱒の筋子とは思えない旨さで、しっかりとしたプチプチ感が感じられ、
弾けた後はプリン体が一気に溢れ出し、其の塩加減が堪らない。
◎「煮穴子」三二〇円
…そして、今年、此方の店内で頂く最後の寿司は、煮穴子以外には無いだろう。
此方に於ける一番人気で、今年は埼玉新聞社刊の「埼玉ホントにうまい店3」にも掲載された。
口に入れた途端、えも言われぬ至福に襲われ、ふっくら、ふんわりとした食感は筆舌に尽くし難い。
濃厚な煮ツメの味も宜しく、穴子も此れ程迄に美味しく調理されたら本望だろう…。
此の日は麦酒四杯で追い討ちを掛け、翌日の社会復帰に陰鬱な翳を落として帰宅する…。
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※2010年12月28日時点の情報です。
ID:0000301944
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