続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「和匠喜酒 かもん」【宮原】


 …木曜日。
  津田沼での仕事を終え、翌金曜日の一月七日の我が三十五回目の誕生日は、
  特別休暇の消化に充てる為、必然的に此の日が週末と相成る。
  そんな、中畑清の誕生日である此の日の晩は、通い慣れた此方へ。
  と言うのも、二〇〇九年四月に満を持して開店した此方も、
  諸般の事情で、此の度、目出度く、閉店の運びと成るからだ…。
  と言う訳で、七日に最終営業日を迎え、六日と両日、常連は五〇〇〇円で、
  呑み放題、食べ放題と言う方式と言うので、最後の訪問を果たす…。

 ◎「閉店記念呑み放題食べ放題」五〇〇〇円

  ○「生ビール(中)」
  …店に入ると、カウンター席に常連二組、三人が居るのみで、取り立てて、
   閉店に関する告知は一切していないので、得てして、こう言う結果に成る…。
   何時ものカウンター席の一番奥の端っこに腰掛け、呑み慣れた麦酒を発注。
   仕事終わりの打ち上げ気分と、馴染みの店の閉店の寂しさが綯い交ぜに成り、
   何だか複雑で、感慨深い味だが、麦酒自体に何の罪も無く、旨いものは旨い。
   御決まりの陶器製の容器に注がれた麦酒は、妙にほろ苦さが有る…。

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  ○「赤鶏のたたき」
  …正月明け、閉店間近と言う理由から、ショウケースには何も入っておらず、
   昔の此の店を知っている僕からしたら、随分と寂しい心持ちに成る…。
   先ず最初に出して呉れたのは、魚の刺身ではなく、此方では何度と無く頂いている「赤鶏のたたき」。
   何時もならば醤油に卸大蒜を溶いて頂くのだが、今回は予め味付けが施されている。
   何と其れは、伊太利亜風ドレッシング。
   市販の物に、マスター独自に辛子やら何やらを加えた物だと言う。
   赤鶏に此れをたっぷりと絡ませて頂いてみると、胸肉の部位はむっちりとして柔らかく、
   腿肉の部位はしっかりとした弾力と歯応えが魅力。
   そして、伊太利亜ドレッシングはと言えば、市販の物よりも格段に旨さが増している。
   味に深みと奥行きが有ると言うか、陳腐な味わいは何処にも無い。

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  ○「蓮根のはさみ揚げ」、「山芋・ごぼう海苔巻揚げ」
  …続いては揚げ物が出される。
   宛ら、割烹料理屋で頂いているかの様で、偶には良い。
   「蓮根のはさみ揚げ」も何度か頂いているが、蓮根はシャキッと、ホクホクした食感、
   間に恐らくはミンチ状の鶏肉が挟まり、普段は此の手の野菜が含まれる物は毛嫌いするが、
   「最後の晩餐」なので、全てが許される。
   「山芋・ごぼう海苔巻揚げ」は、山芋を海苔で巻いた物、牛蒡と人参を海苔で巻いた物の二種。
   山芋は言わずもがなだが、僕の好物なので、美味しく頂き、海苔の磯の香りも良い。
   牛蒡と人参には…、取り立てて感想は無い。
   だって、野菜だし…。

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  ○「イカの塩辛」
  …何だか口寂しくなり、酒の当てを発注してみる。
   何しろ、何を頂いても良いので、心置き無く御願いする。
   此方の烏賊の塩辛は甘味が有り、只、塩辛いだけの物ではないので良い。
   冷凍されているの事で、解凍迄の時間を待ち、ちょこちょこ摘み乍ら、麦酒を遣る。

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  ○「牛タンつくね棒」
  …続いては焼き物として、「牛タンつくね棒」が出される。
   まあ、出来合いの物を仕入れて来て焼いただけの物なので、過去に頂いた事は無い。
   檸檬を搾り、棒を持ち、齧り付く。
   コリコリとした軟骨の様な部位も入っている様で、意外にも旨い。
   ジャンクな感じと言うか、安っぽさがチェーンの居酒屋っぽくて良い。
   良いのだ、最後だから…。

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  ○「ダージリン梅酒」
  …此の日は麦酒だけでなく、店内に数有る芋焼酎も全て呑み放題と言うのだが、
   正月に実家に帰省した折、昨年秋に父親に退職祝いで贈った「森伊蔵」の封を切って呑み、
   其の癖の無さを味わってしまったら、他の芋焼酎は呑めないだろう。
   尤も、普段から余り芋焼酎自体を呑まないので、味も大して分からないのだが…。
   そして、麦酒を止して選択したのは、「ダージリン梅酒」。
   梅酒自体も人生で殆ど頂いた事は無いのだが、紅茶の風味が加わっていると言う。
   確かに、ダージリン紅茶の香りが良く、中々行けるわぃ。

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  ○「ジャスミン梅酒」
  …続いても梅酒を。
   似た様なラベルの「ジャスミン梅酒」。
   甘さが強めで、甘い食べ物は嫌いだが、甘い飲み物は好きな僕には持って来い。
   茉莉花の香りは良く分からないが、何だか此れは好きだ。
   ついつい、三杯も御替わりしてしまう…。

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  ○「肉汁そば」
  …〆に炭水化物を摂ろうと御願いする。
   此方で何度と無く頂いている「肉汁うどん」を御願いするも、生憎、饂飩切れ…。
   と言う訳で、蕎麦なら有ると言うので、言われるが儘、為すが儘。
   在り来たりの乾麺の蕎麦だが、啜ってしまえば、スルスルと入って行く。
   其れなりに腰も適度に有り、〆の麺類と言うのは矢張り良い。
   肉汁も濃い口の甘辛で、豚バラ肉の脂身から出た甘味が素敵。
   油揚げもたっぷりと肉汁を吸って旨い。
   
  麦酒四杯、「ダージリン梅酒」一杯、「ジャスミン梅酒」三杯を頂戴し、
  二月には何とか、他で営業再開をしたいと言うマスターに暫し別れを告げ、翌日の金沢旅行に備えて帰宅…。