続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「そば処 てらぐち」【永平寺】

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◆「そば処 てらぐち」【永平寺

 ◎「天おろしそば」九〇〇円

 …土曜日。
  前日の一月七日に誕生日を迎え、年末の伴天連正月、年越しと続いた、一週間置きの行事も、
  目出度く終了し、此れで、今度の伴天連正月迄、何の愉しみも無い、抜け殻の様な暮らしが始まる…。
  金沢旅行二日目の此の日は、金沢から足を伸ばし、福井県永平寺へと出掛ける。
  金沢駅八時四〇分発の普通列車福井行きに乗車し、一時間半程、ガタゴト揺られる。
  電車の老朽化が激しい様で、窓をガムテープで補強している箇所も見られ、
  雪の寒さと相俟って、何だか哀愁が漂って来る…。
  福井駅から永平寺行きのバスに乗り換え、曹洞宗大本山永平寺に到着。
  疲労の所為か、睡魔に襲われ、絶えずボーっとしている中、寺の中を一時間程巡り、
  外に出、帰途を辿りつつ、昼御飯を摂る事とする。
  永平寺と言えば蕎麦が有名らしく、参道には何軒もの蕎麦屋が軒を連ねている。
  其の中で、永平寺の入口真ん前に在る此方に入ってみる。
  木戸を開けて入ると、門前とは思えない様なハイカラな造りで、随分と小洒落ている。
  入って右手が土産物屋、左手が蕎麦屋と、中で繋がっている。
  左手の通りを抜け、蕎麦屋の店内に入り、テーブル席に通される。
  メニューを眺めていると、料金は先払いと言うので、悠長にしても居られない。
  大根卸を使った「おろしそば」と言うのが定番メニューらしく、
  昨晩の蟹に続き、甲殻類を乗せてみようと、「天おろしそば」をレジで支払いを済ませて発注。
  点いているテレヴィヂョンを観るでも無し、ぼんやりと眺めていると、蕎麦が運ばれて来る。
  「おろしそばです」と。
  小さい器に盛られた蕎麦を凝視すると、如何見ても、天麩羅要素が見当たらない。
  大根卸の下を箸で弄っても、蕎麦の下を弄っても、「天」が無い。
  いかん、いかん。
  余りの睡魔で、天麩羅さえも見えなくなってしまっているのか。
  否、そうではない。
  何処を如何見ても天麩羅は見当たらない。
  此れだけ確認すれば大丈夫。
  会計の際のレシートを手に、「天おろしそば」を発注したのに天麩羅が乗っていない事を告げると、
  案の定、天麩羅の乗せ忘れとの事で、海老の天麩羅が別皿で遣って来る。
  今から揚げるので時間が掛かるのかと思いきや、直ぐに出て来る。
  揚げ立てではない海老の天麩羅が…。
  其れを自分で蕎麦の上に乗せ、其れらしくしてから撮った写真が此れだ。
  僕の人生、三十五歳に成ってもこんなものらしい…。
  気を取り直し、大根卸を蕎麦に良く絡ませ乍ら啜る。
  天麩羅を乗せ忘れられる位なので、味の方は期待をしていないが、
  蕎麦はポキポキと言う腰がしっかりと効いており、手打ち蕎麦の感じが存分に出ている。
  福井県産の蕎麦粉を用いた二八蕎麦と言う。
  大根卸も仄かな辛味が有り、さっぱりとして良い。
  雪の降る寒い日だが、蕎麦は冷たくないと旨くない。
  さて、入れ忘れられた海老の天麩羅だが、察しの通り、揚げ立てではないので、熱くはない。
  其れでも、ブリッとした海老特有の食感は感じられるので、まあ良い。
  此れで、天麩羅の衣はベタベタ、海老は小さいと成ったら、目も当てられない…。
  十三時半前のバスに乗車し、福井駅に戻り、特別急行しらさぎ」に乗車し、
  金沢駅へ戻り、香林坊を中心に観光する。

~御負け~
 雪の永平寺
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