…土曜日。
朝から永平寺を観光し、午後に金沢に戻り、香林坊、武家屋敷跡を巡り、
十九時から、金沢市内の照明で照らし出されている地点を廻るバスが運行していると言うので、
前日に出掛けた「ひがし茶屋街」に行き、ぼんやりと灯りに映し出された幽玄な光景を見、
再びバスに乗車し、金沢駅前に直ぐに戻って来る。
何せ、昼間は小盛りの蕎麦しか啜っておらず、腹っ減らしの腕白中年は、
背中と腹がくっ付いてしまいそうで参っているからだ…。
金沢に来たのだから、寿司は頂いておかねば成るまい。
勿論、廻っていない寿司は無理なので、駅前の商業施設内に在る此方を訪れてみる。
朝から永平寺を観光し、午後に金沢に戻り、香林坊、武家屋敷跡を巡り、
十九時から、金沢市内の照明で照らし出されている地点を廻るバスが運行していると言うので、
前日に出掛けた「ひがし茶屋街」に行き、ぼんやりと灯りに映し出された幽玄な光景を見、
再びバスに乗車し、金沢駅前に直ぐに戻って来る。
何せ、昼間は小盛りの蕎麦しか啜っておらず、腹っ減らしの腕白中年は、
背中と腹がくっ付いてしまいそうで参っているからだ…。
金沢に来たのだから、寿司は頂いておかねば成るまい。
勿論、廻っていない寿司は無理なので、駅前の商業施設内に在る此方を訪れてみる。
◎「アサヒスーパードライ中ジョッキ」四九四円
…飲食店の犇く階に降り立ち、此方を探せば、生憎の満席で待たされるが、
一、二分程で席に案内され、何はさて置き、麦酒を発注。
昼間の睡眠不足に因る苛苛も緩和されつつあり、徐々に元気を取り戻す。
こう成ったら、店名通り、もりもり寿司を喰うしかないわね…。
…飲食店の犇く階に降り立ち、此方を探せば、生憎の満席で待たされるが、
一、二分程で席に案内され、何はさて置き、麦酒を発注。
昼間の睡眠不足に因る苛苛も緩和されつつあり、徐々に元気を取り戻す。
こう成ったら、店名通り、もりもり寿司を喰うしかないわね…。
◎「寒ぶり三点盛」四九四円
…先ずは、今回の旅の目的でもある、鰤を頂かねば成るまいな。
蠱惑的な三点盛りなる物が有る様なので、此れが手っ取り早い。
内容は、「能登ぶり」、「ぶり」、「ぶりたたき」の三貫。
此の日の昼間に頂いた「ぶり丼」然りだが、其の産地に来て頂くのは最高に旨い。
◎「のど黒」四九四円
…北陸・金沢に来て、矢鱈と其の名前を見るのが「のど黒」。
俗に言う赤むつで、日本海側での呼び名が「のど黒」と言う。
表面の皮目が軽く炙ってあり、焦げ目が付いて香ばしく、身の方は、脂の載りが凄い。
「白身のトロ」との異名を持つ様で、身の繊維は細かいが、蕩ける位に口当たりは良い。
◎「車鯛」三四七円
…真鯛、金目鯛、石鯛、黒鯛…、鯛には色々数有れど、車鯛と言うのは初めてか。
如何も、こう言う魚の産地に来ると、其の土地でしか頂けない魚や、珍しい魚に惹かれてしまう。
見た目は普通の鯛にしか見えないが、適度な歯応え、白身ならではの旨味が有り、
興味本位で発注したのが間違いで無いと立派に証明して呉れる。
◎「とろさばあぶり」一八九円
…メニューを眺めていると、鯖も有ると言うので、頂かずには居られない。
普段、「鮨処 いっしん」に於いて、鯖の味に関しては鍛えられているつもりだ。
鯖を〆た物を炙っており、〆方は強過ぎ、炙りも、のりピー以上に炙られており、
表面が妙に脂っぽく、身に火も通り過ぎてしまっている印象で残念。
◎「あん肝」三四七円
…鰤や蟹も冬の味覚の代表だが、そう、鮟鱇肝も忘れては成らない。
「鮨処 いっしん」で食べ慣れている鮟鱇肝が絶妙なだけに、過度な期待は禁物。
軍艦の上に乗った鮟鱇肝は、固い固形物を切って乗せたかの様な形状をしている。
味はと言えば、勿論、「鮨処 いっしん」に敵う筈も無いが、其れなりに濃厚さは有る。
◎「生白子」四九四円
…鮟鱇肝に続いて、白子も有るので、此れは絶対に外せない。
軍艦の上には、乗り切れない程の白子が大量に乗せられ、少し傾いて出て来る程。
大口を開けて頬張れば、ひんやりとした冷たさと、トゥルンとした特有の食感、
そして、滑らかで、円やか、クリーミーな味わいが口一杯に拡がる。
◎「真たら」一八九円
…珍しい所で、何と真鱈が有るではないか。
白子を頂いたのだから、其の親である真鱈も頂いておこう。
真鱈は刺身で頂くのが余り好まれず、昆布〆にするのが多いと言うが、此れは生。
思ったよりも旨く、淡白な感じだが、適度に脂も有って旨いではないか。
◎「やりいか」一八九円
…他の寿司店に来ると、如何しても食べ比べの様な感じに成ってしまう。
勿論、「鮨処 いっしん」とだが、槍烏賊も有るので頂いてみる。
コリッとした食感が有り、「鮨処 いっしん」の物よりも、獲れてからの時間は短い印象だが、
身を寝かせて醸し出される、ネットリした深い甘味は余り感じられない。
◎「生たらば蟹」六三〇円
…前の晩にしこたま蟹を喰らったが、如何も、生の蟹を見てしまうと弱い。
まあ、冬の味覚を喰い散らかすのが目的なので、迷わず発注する。
前の晩はずわい蟹だが、今回のは鱈場蟹で、味の違いは、目の前で食べ比べていないので分からない…。
然し、口に入れた時のトローッと蕩ける口当たりや、何とも言えない甘味は癖に成る。
◎「地物すずき」二七三円
…真鱈に続き、白身の鱸を頂いてみる。
卓上に置かれた用紙に記入して幾つか纏めて発注するので、食べたい順番に出て来ないのが難点だ…。
鱸は思ったよりも脂が載っており、淡白なのだが、旨味が有る。
鱸独特の風味は悪くなく、良質の白身と言った感じ。
◎「月見納豆」一二六円
…僕は軍艦物の寿司が好きなのだが、中々、此れが有る店は少ない。
納豆と鶉の玉子を乗せた物で、「うずら納豆」と呼ばれる物。
家で自炊をする際は、其の殆どが玉子納豆掛け御飯と言う位に此の組み合わせは好きだ。
一気に頬張れば、納豆に玉子が絡まり、酢飯、海苔と渾然一体に成るのが堪らない。
◎「月見ねぎとろ」二三一円
…玉子の持つ威力は実に偉大で、「月見納豆」に続いて此れも発注。
葱トロと鶉の玉子を乗せた物で、もう、此れが旨くない訳が無い。
鮪の剥き身のコッテリとした味わいに、纏わり付く様に玉子が絡み合う。
いっその事、丼で掻っ込みたい位で、玉子は人を元気にして呉れる。
◎「生うに」一貫三九九円*二貫
…そろそろ〆に取り掛かろうと、プリン体の王様・雲丹を行ってみる。
雲丹は二種類有り、サーヴィス品の安い物と、一貫三九九円の高級な物。
清水の舞台からバンジージャンプした心持ちで、高い方を思い切って発注。
口に入れると、安い雲丹に有り勝ちな明礬の臭さは無く、濃密な甘さが口一杯に拡がる。
◎「びんちょう鮪とろ」二七三円
…雲丹で〆たつもりだったが、胃袋には未だ若干の余裕が有り、且つ、名残惜しい。
回転寿司店に於いて必ず発注する鬢長鮪を頂いてみる。
鬢長鮪と言うよりは、目撥鮪の様な感じで、ネットリとした鮪の味わいが強い。
此方では鮪の文化ではないのか、通常の鮪を頼む人は殆ど見掛けない…。
◎「ぶりてん」二三一円
…聴き慣れない物で「ぶりてん」と言うのが有る。
グレートぶりてん及び北部アイルランド連合王国とは何の関係も無い事は分かる…。
鰤の何処かの部位だろうが、其れを訊ねられる程、気さくな性格でもない。
鰤よりもさっぱりしており、しっとりとした口当たり。
◎「生梅貝」三九九円
…良く新潟辺りでは、梅貝を煮た物が食べられている様に記憶しているが、
僕自身も煮た物しか頂いた事が無く、生の物が有ると言うので、貝フェチ心を擽る。
見た感じ、つぶ貝の様な感じで、食感もコリコリ感が強い。
淡白な味わいだが、生の貝の旨さが感じられる。
◎「とろたく中巻き」三九九円
…今度こそ、本当に〆。
幾ら旅先だからとは言え、喰い過ぎにも程が有る…。
最後は巻物の中で最も好きなとろたく巻きを。
普通は鮪の剥き身が入っているのだが、此方のは鉄火巻き宜しく、鮪が其の儘入っている。
勿論、沢庵との相性も抜群で、中トロの部位なので、脂が載って旨い。
途中で頂いた抹茶と麩饅頭。
夜の「ひがし茶屋街」。