続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「山田うどん」【佐野】

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◆「山田うどん」【佐野】


 ◎「かかしカレーセット」六三〇円

 …何だか最近、些細な事で一喜一憂し勝ちで、陰鬱な気分に支配されている。
  自分の能力の限界を迎えているのか、何と表現して良いか分からない感情に覆われている…。
  子供の頃から、母親に「御前は遣れば出来る子」と言われ続け、結局、何も遣らずに、
  今と成っては見るも無残な三十五歳児…。
  嫌だねったら、嫌だね。
  そう塞いでいたって時間は待って呉れず、何の断りも無く、新しい日を迎える。
  昨日の天気予報で、今日は暖かくなると聞いたが、朝の寒さったら無い。
  暖房も点けずに身支度をしていると、鳥肌が立ち、震えが来る。
  今日は自分の持ち場を離れ、同僚の方に乞われて、久し振りに北関東へ。
  宇都宮線と、九時台は一時間に一本しか無い両毛線に揺られて、麺処・佐野へ。
  吹き付ける北風が冷たく、如何にも北関東らしい陽気だ。
  今日は朝から、普段は一言も喋らない此の僕が喋り通し。
  別段、無駄口をしている訳ではなく、噛んで含めて教えなければ成らないので…。
  そんな、遣る事満載の状況の為、昼御飯なんて悠長な事は言っても居られないが、
  食べない訳にもいかないので、同僚の方と交代で行くべく、十四時前に先ず先に。
  佐野に来たなら、佐野ラーメンが頂けるのかと淡い期待を抱いていたが、
  現実はそうも行かず、佐野迄来て、埼玉県を代表する企業「山田うどん」で遅めの昼食…。
  此の手の店は普段避けているので、前回訪れたのは、二〇〇九年十二月九日以来か。
  カウンター席に腰掛け、先ずは喋りっ放しでカラカラに乾いた口を潤すべく、冷水を飲み干す。
  そして、メニューを眺め、彼是と考えたい所だが、そんなに時間も無い。
  えい儘よと、カレーと饂飩が合わさった物を発注する。
  其の際、温かい饂飩か冷たい蕎麦かを訊かれ、饂飩屋に来たのだから饂飩にし、
  更に、饂飩は太麺か、普通の麺かを訊かれ、折角なので、太麺で御願いする。
  武蔵野饂飩の本格的な店なら兎も角、此の手の店なので、高が知れている…。
  冷水を立て続けに飲んでいると、学生食堂並みの時間で出来上がり、運ばれて来る。
  饂飩は天かすの入った狸饂飩で、先ずはつゆを一口啜る。
  随分と腹が減っている所為で、何て事の無い普通のつゆなのだが、和風出汁の味わいが口に拡がり、
  胃袋にじんわりと染み渡る様な感じがし、正に、空腹は最高の調味料だなと感じる。
  そうでなければ、こんなに感慨深さは無い…。
  麺は腰も弾力も無い、学生食堂の高等学校生が啜って満足しそうな感じ。
  此れが普通の麺だったら、もっと細く、食べ出が無いのだろうな。
  まあ、天かすが入り、コッテリ感が増したので良しとしよう。
  そして、脇に控えしはカレー。
  此れ又、学生食堂の乗りだが、僕は決して批判しているのではなく、
  常々言っているが、必要悪と言ったら何だが、こう言う店は絶対に必要なのだ。
  街の汚い中華屋と一緒で、無くては成らず、無くては困る店なのだ。
  味に関しても、決して不味くはないし、普通に美味しく頂けるので何の問題も無い。
  手っ取り早く胃袋に押し込み、直ぐ様、仕事へと戻る…。