続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「スープカリィ ピカンティ」【北12条】

◆「スープカリィ ピカンティ」【北12条】

 …ヤーレンソーラン北海道!
  と言う事で、何の因果か、僕は今、恋の街・札幌に来ている。
  今回の震災の影響で、彼是と人手が要る様に成り、北海道行きの御鉢が廻って来る。
  こう言う時なので、飛行機が嫌いだからと言う事も言っておられず、寧ろ、買って出た程だ。
  今朝は五時に起床し、電車を乗り継いで、一路、東京国際空港へ。
  八時三十五分発、スカイマーク七〇五便に搭乗する。
  飛行機は十分過ぎる位に嫌いだし、怖い。
  第一、あんな金属の塊が宙を飛ぶだなんて、重力に逆らうと言う、天に唾を吐く様な事は考えられない。
  とっとと飛行機に乗り込み、死刑執行を待つかの様に、掌にびっしょり汗をかき、其の時を待つ。
  運良く窓際の席を取る事が出来たので、晴天の東京の街が良く見えそうだ…。
  そして、駐機場を離れ、滑走路に向かうべく、重たい機体を揺らし乍ら動き出す。
  スカイマーク社は外国人の機長が多いのだが、今回の放射性物質に恐れを生して、
  乗務したがらないのか、今回はキタムラさんと言う日本人機長なので助かる。
  外国人機長だと、恐らくは日本の土地勘が無いので、北海道迄の道順が分からないだろうから心配だ。
  キタムラさんだからと言って、日系人じゃ困るが…。
  そして遂に、滑走路に入り、一気にエンジンの爆音を轟かせて走り出す。
  身体が持って行かれそうに成りつつ、急加速の後、フワッと浮いて機上の人と成る。
  見る見る地上の景色が小さくなり、液状化現象に見舞われた浦安鼠王国や、
  東京スカイツリーを見下ろし、関東平野上空を、空気を劈いて上昇を続けて行く。
  暫くすると雪が降り積もった山岳地帯が見え、一体、あれはどの辺りだろうと考えていると、
  向こうに海が見え始め、其の奥には地図で見慣れた形をした佐渡島が見える。
  そう、東京電力が遣らかして呉れちゃっている福島第一原子力発電所の影響で、太平洋上空を飛行出来ず、
  日本海に迂回して飛行している様で、青森県を斜めに横断し、下北半島を北上する。
  そして、北の大地が見え、羊蹄山を左に見乍ら旋回し、新千歳空港へと入って行く。
  今回は珍しく大した揺れも無く、比較的、精神状態も安定し、下降の際に少し揺れた程度。
  遠回りをした所為か、定刻より五分程遅れ、機長の頑張りも有って無事に着陸。
  有難う、機長…。
 
  五人で清田区での仕事を終え、乗り合いバスに乗車し、札幌ドーム近くの福住駅に行き、
  地下鉄に乗り換えて札幌駅に移動し、今宵の宿に転がり込み、晩御飯を摂りに出掛ける。
  個人的には、初めての札幌なので、麦酒と新鮮な魚介類が所望だが、同僚の方の御薦めで、
  地下鉄に一駅乗り、札幌名物のスープカレーを頂きに行く。

 ◎「サッポロクラシック(ジョッキ)」四四〇円
 …噂では聞いていたが、北海道は室内や車内が矢鱈と暑い!
  店に入った途端、眼鏡が曇る程で、カレー臭が充満し、モワっとする位に暖房が効いている。
  と成ると、初めてのサッポロの夜、仕事終わり、暑い、此れ等が揃えば麦酒気分。
  「にしや食堂」宜しく、ジョッキは凍ってはいないが、泡の肌理が細かく、
  切れの良い、爽快感の感じられる味わいで、実に旨く、清清しい。

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 ◎「北海道牛すじ煮込み(森羅万象)」九八〇円+「知床鶏」無料
 …スープカレー自体は埼玉県でも頂けるが、本場に来たのだから、期待は高まる。
  メニューも豊富で、何を頂こうか悩んでしまう。
  尚且つ、発注方法が複雑で、初めてのトーシローは狼狽してしまう。
  先ず、二種類のカレーの味を選択する。
  一つは「開闢」と言うあっさり系の和風出汁スープで、毎日提供していると言う。
  もう一つは濃厚系のスープで、此方は日替わりで違うと言い、水曜日は「森羅万象」と言う物。
  因みに月曜日は「SUMMER IN NEW YORK」、火曜日、土曜日、
  日曜日は「アーユルヴェーダー薬膳1/f」、木曜日は「JOHXMON 縄文extra」、
  金曜日は「38億年の風」と言い、名前だけ連ねられても、何が何やら分かりゃしない…。
  まあ、あっさりしているよりは、僕は「濃厚民族」なので、「森羅万象」で。
  次は具を選択せねば成らず、初めてなので基本メニューと思しき、プレミア舞茸天麩羅、
  鶏腿肉、大根、椎茸の入った「ジパング」と言う物が無難かと思うも、其処は矢張りプリン体フェチ。
  「北海道産牛すじ煮込み」と言う文字列に即座に反応し、即決する。
  そして、此方のメールマガジンだか何かを携帯電話に登録すればトッピングが一品無料と言い、
  同僚の方が其の場で登録した恩恵を受け、無料で「知床鶏」を付けて貰う事にする。
  麦酒を呷りつつ、店内のカレー臭混じりの暑さに参り、背広の上っ張りも脱いで待っていると、
  本場のスープカレーが変わった容器に装われ、御飯の器と一緒に運ばれて来る。
  御飯は黄色がかっており、さ夫藍ライスだろうか。
  カレーはと言えば、此れ又、具沢山で食べ出が有りそうだ。
  牛筋煮込み、知床鶏、南瓜、西洋南瓜、ピーマン、赤ピーマン、人参、茄子、じゃが芋、鶉の玉子と、
  所狭しと犇めき合う様にカレー汁に浸かっており、ゴロゴロと賑やかだ。
  銀の匙に黄色い御飯を掬い、スープカレーの中に浸して頂く。
  辛さは中辛と言う「2」の辛さにしたのだが、一口目、熱さも相俟って噎せ返る様な刺激で、
  思わず、身体中の毛穴からドッと汗が噴出するかの様な感覚に見舞われる。
  辛くて熱く、辛いのが苦手な汗っかきにとっては苦難だが、味自体は非常に宜しい。
  様々な香辛料が入っていると見え、刺激的な味わいで、辛いが旨い。
  カレーは、尾篭な例えで顰蹙を買いそうだが、とことん具合の悪い時の排便の様で、
  普通のとろみの有るドロっとしたルウのカレーも良いが、汁気の多いのも偶には良かろう。
  御飯を食べ終えてもスープが大量に残っているので、御飯の御替わりをする。
  態々「北海道産」と謳う牛筋煮込みは、コラーゲンたっぷりのプルンプルンの部位と、
  しっかりとした噛み応えの有る赤身の部位が絶妙で、知床鶏も皮がプルプルで素敵。
  野菜に関しては、特段、記す様な感想は持てないので悪しからず…。
  北海道と言えども、室内がこうも暑いと真夏並みに汗を噴き出して何とか完食。
  故・ウガンダ師匠の名言、「カレーは飲み物」とは正に此の事だと言うのが分かった。  
  
Picante [ カレー ] - Yahoo!グルメ



住所: 北海道札幌市北区北13西3 アクロビュー北大前 1F
営業時間、定休日:
最寄り駅: 太平
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※2011年4月6日時点の情報です。
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