続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「えぼし麺 菜良」【茅ヶ崎】

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 ◎「あえそば」七〇〇円+「チーズ」五〇円

 …昨日。
  此の所の雨続きで、何だか蒸し暑く、ジメッとして悪い心持ちだ。
  一〇連休の黄金週間が明け、社会復帰を果たした今週の最終日だが、寝起きは勿論、宜しくない。
  夜中に雪隠に起きる事は毎晩の事で、膀胱炎か何かだろうか…。
  週末を前に、何とか此の一日を乗り切ろうと、身支度を整えて駅迄歩く。
  其れだけで汗が大量に噴き出し、湘南新宿ラインに乗り込めば、人の体温で余計に蒸し暑い。
  池袋駅に着く迄、汗が一向に止まらないと言うのは、如何考えたって異常だ…。
  こちとら立って、鬼の様に重たい鞄を肩を脱臼しそうに成り乍ら背負っていると言うのに、
  座っている癖に、自分の鞄を網棚に乗せた儘、居眠りしている不道徳で馬鹿な奴が居る。
  其の薄っぺらな鞄さえ無ければ、此の重たい鞄を置けると言うのに。
  座って楽しているんだから、鞄は自分で持つのが常識だろう。
  そう言う時の顔と言うのは、途轍も無く馬鹿な顔に見え、腹立たしさで腸が煮え繰り返る思いだ。
  周りに気を遣わず、自分さえ楽なら良いと言う人間は、所詮、程度が知れている…。
  朝から不快感が増し、茅ヶ崎に辿り着く。
  此の日は三〇度に迫ろうと言う程、気温が上昇するとの予報で、南国・茅ヶ崎と成れば大変だ。
  恐らく、駅には、ランニングシャツを着て、ダルサンを履いて、椰子の実ジュースを吸い、
  波乗りの板を抱えたトロピカルな人達で溢れているだろうと思いきや、そうでもない。
  神戸では抗争に次ぐ抗争で、毎日、鉄砲玉が街を飛んでいるに違いないと言った類の偏見に過ぎない…。
  此の灼熱の中、背広の上っ張りを剥ぎ取り、シャツの袖捲りをし、大汗かいて仕事に入る。
  勿論、屋内での仕事だが、暑いったら有りゃしない。
  ズボンの裏地がベトベトと張り付く中、十三時に昼御飯を摂りに外へ出る。
  茅ヶ崎と言えば、最早、此方と決めている。
  四月十三日以来、丸々一ヶ月の御無沙汰で、此方の「あえそば」をどれだけ待ち侘びたか…。
  前回は入店するのに、行列が出来て待たされたが、今回はすんなり着席出来る。
  先ずは冷水を一気に飲み干した後、店主が注文訊きに来るので発注を済ます。
  前回と同じく、「あえそば」に「チーズ」を加え、トッピングは全増しで御願いする。
  木曜日の昼間に頂いた、「ラーメン 凛」の大蒜の感じが、鼻の下に付着している様な気がし、
  立て続けにこうして「二郎」系のラーメンを頂けると言うのは至極幸せだ。
  一〇分程で、魅惑的な丼が運ばれて来る。
  さて、生玉子を掻き混ぜ、全体と絡める様にし、チーズは野菜の山の下に潜り込ませ、
  ラーメンの熱で蕩けさせようと言う寸法で、箸で攪拌する。
  此の「あえそば」に限らず、「二郎」系のラーメンは形振り構ってちゃ食べられない。
  兎に角、一心不乱に、ラーメンとの一対一の勝負として挑まねば、返り討ちに遭う。
  一ヶ月振りに啜ると感激も一入で、有りと有らゆる味わいが口内を駆け巡る。
  ドロッとした濃厚なプースー、揚げ大蒜の香ばしさ、胡椒のピリッとした爽やかな辛さ、
  一味唐辛子の辛味、玉子のドゥルッとした滑らかな甘味と、チーズと粉チーズのまったりとしたコク。
  此れ等が野菜と麺にゴッテリと絡み付き、纏わり付き、何とも言えない複雑な旨さ。
  病み付きに成ると言うか、麻薬性、中毒性の有る不思議な食べ物だ。
  麺は、内蒙古産のかん水を使用した極太自家製麺で、茹で時間に五、六分要すると謳っているだけあり、
  太くて食べ応えが有り、ムッチリ、バツッとした張りの有る食感で、モソモソ感が素敵。
  ワッシワッシと食べ進める内、ちょいとパンチが弱い事に気付く。
  そう、大蒜が入っていない。
  出た!僕御馴染みの大蒜入れ忘れられ…。
  ちゃんと「全増しで」と店主には御願いしたが、トッピングの盛り付けを行ったのは、
  途中、買い物から帰って来た、前にも豚を入れ忘れて後から持って来た新人だ。
  遣られた…。
  先天的な大蒜入れ忘れられ体質なのだろうか。
  昨秋の健康診断での血液検査でも、「大蒜入れ忘れられ病」とは言われなかったのに。
  そうか、染色体、DHAの次元での病なのか…。
  かと言って、既に手を付けてしまった所へ、大蒜を入れて呉れと言う無粋な真似は僕の信条に反する。
  仕方有るまいと、パンチの弱い「あえそば」をヅルヅル啜る。
  大蒜が入っていないと知った瞬間に、何だか少し味気無く感じられしまう…。
  そうは言っても、元々が旨いので、しっかりとドロドロの汁も全て飲み干し、汗だくで店を出る。