続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「うな鐵」【大宮】

◆「うな鐵」【大宮】

 …昨日。
  長い一週間が終わり、待ちに待った週末。
  暑さに参り、疲労が溜まり易く、又、抜け難くて困る…。
  朝は九時に起床し、毎度の「ぶらり途中下車の旅」を観乍ら身支度を整え、
  諸般の事情で、此の灼熱の炎天下の中、大宮の街へ出掛ける。
  用事の目処が立ち、久し振りに武蔵國一之宮・氷川神社に詣でる。
  参道の木陰は涼しく、吹き抜ける風も心地好く、心が洗われる心持ちだ。
  参拝を終え、正午に成ったので昼御飯を摂る事にする。
  如何せん此の暑さ。
  暑気払いをし、精を付けられるのは鰻しか無いと、昨年一月十一日以来の此方へ。
  空いており、一番奥のテーブル席に陣取る…。

 ◎「生ビール(中)」五三〇円
 …高々、一時間半を外で過ごしただけで、シャツは汗で濡れ、乾いたら塩が取れそうな程。
  勝手に塩を精製し、専売公社時代だったら逮捕されてしまう…。
  ジョッキを持ち、グイッと一口、冷たい麦酒を流し込む。
  昼間っから呑む背徳感と、此の麦酒の清涼感、爽快感が堪らなく良い。
  店内に漂う鰻の蒲焼きの香ばしい香りを摘みに一杯遣れそうな感じだ…。

イメージ 1
 ◎「短尺」二〇〇円
 …麦酒の当てに、此方は鰻の串焼きが充実しているので幾つか発注する。
  一番最初に出て来たのが「短尺」と呼ばれる物で、蒲焼きを小さく切って串焼きにした物で、
  其れこそ、鰻の蒲焼き其の物なので、山椒を塗して頂くと、ふっくら、ふんわりと柔らかく、
  久し振りに頂く鰻に感動を覚える程だ。

イメージ 2
 ◎「バラ身」一六〇円
 ◎「きも焼」二〇〇円
 ◎「ヒレ焼」一六〇円
 …続いて、三本纏めて焼き上がって運ばれて来る。
  写真一番上の「バラ身」は、鰻の向骨が含まれているらしく、骨のサクっと言うか、コリっと言うか、
  鮭の缶詰の中骨の様な歯応えが有り、食感が愉しく、美味しく頂ける。
  真ん中に控えしは「きも焼」で、酒の摘みとしては最高だ。
  腸のほろ苦さがと、テレレの甘辛さが相俟って、コリコリ、プリプリした食感。
  本当は、日本酒が合うのだろうな…。
  そして、一番下の「ヒレ焼」は、鰻の背鰭を韮で巻いた物。
  背鰭自体は目立った食感は無いのだが、韮との組み合わせが絶妙で、韮の風味と妙に合う。

イメージ 3
 ◎「うな丼」八四〇円
 …麦酒を二杯頂戴し、串焼きを堪能した所で、〆の食事に取り掛かる。
  ブルジョワジーならば、豪勢に「うな重」と行きたい所だが、こちとら貧民。
  此処は大人しく、何時も通りに「うな丼」で我慢、我慢…。
  「うな丼」の鰻は、当然の事乍ら大きくなく、随分と御飯の白が目立ってしまうが、
  人間、分を弁えなければ成らず、何時か、御大臣にでも成ったら鰻重を頂こう…。
  そうは言っても、此方の鰻は三河産と謳っている代物。
  卓上の山椒を少し多目に振り掛け、さあ、日本が誇る和食を味わおう。
  箸で割ると、簡単に千切れる程の柔らかさで、ふっくら感が伝わって来る。
  口に運ぶと、先程の「短尺」で頂いた時よりも、しっかりと旨さが感じられる。
  其りゃ、そうだ、歴とした鰻丼だもの。
  表面はややカリッとして香ばしく、中は驚く程にふっくら柔らか。
  久し振りに鰻を頂くと、日本人に生まれて良かったと、毎回、熟思う。
  寿司、天麩羅と並ぶ和食の王様の地位は揺ぎ無いものだ。
  テレレの甘辛さも執拗くなく、御飯にテレレを掛けた物だけで十分な気さえする。
  土用の丑の日が何時かは知らないが、今年、恐らく最初で最後の鰻に成るだろうが、
  存分に堪能出来、又、来年迄の左様ならと思うと、名残惜しさが募る…。