続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「タイ屋台料理 ティーヌン」【飯田橋】


 …昨晩。
  日中は大宮の街を彷徨き、真夏の陽気に汗だくに成り、不快指数一〇〇パーセント。
  此れから、七月、八月を迎え、乗り切る自信を完全に無くし、生きる気力さえ萎える…。
  其れでも何とか、旨い麦酒、旨い食べ物を頂く事だけを生き甲斐に生きてみようと思う。
  と言う訳で、予てから、id190氏と食事をする事に成っており、
  個人的に過去に三、四度しか降り立った事の無い飯田橋駅へと夕方出掛ける。
  氏と会うのは昨年七月一〇日以来で、其の際は、鬼灯市で賑わう浅草で一献酌み交わす。
  土地勘の無い飯田橋駅であったが、何とか落ち合う事が出来、今回は氏の案内で、
  泰王国料理の店として有名な此方の飯田橋店へと向かう…。

 ◎「生ビール」五九〇円
 …飲食店街の一角に在る此方は、行った事は無いが泰王国其の儘の雰囲気が漂い、
  内装、音楽、従業員も異国情緒が溢れ、偶には違った空気を味わうのも悪くない。
  と言う訳で、昼間の麦酒も疾うに抜け、先ずは麦酒を発注。
  泰王国の「シンハービール」が六七〇円で有ったが、味は如何でも良いので、
  少しでも安い日本の麦酒で十分で、十一ヶ月振りの再会を祝して乾杯する。
  ジョッキはやや小さ目なのが残念だが、未だ日も明るい内から一杯遣れるだけで嬉しい。

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 ◎「春雨サラダ(ヤム・ウンセン)」八八〇円
 …泰王国料理に関しては、僕は過去に二度しか頂いた事が無く疎いので、
  詳しい先達のid190氏に発注権限を全て委任する。
  先ず、麦酒に合う辛いサラダが有ると事前に伺っていたのが此方。
  「ヤム・ウンセン」と言う名前で、何だか、朝鮮人に居そうな名前だ…。
  春雨サラダと言うが、海老や烏賊も入り、甲殻類好きのプリン体フェチには堪らない。
  他にも木耳や玉葱、独特の風味の香草も入っている。
  辛い物が余り得意ではなく、食べると「*」からプイッと何かが出てしまいそうになるので、
  恐る恐る頂いてみると、味付けは泰王国料理っぽさ全開の酸っぱ辛い味わい。
  然し、思ったよりも嫌な味ではなく、辛いは辛いのだが、癖に成る辛さで、
  じわじわ毛穴から汗が噴き出すのが分かる感じなのだが、こう暑い陽気には、
  此の手の酸味が加わった料理は食べ易く、と同時に、麦酒も進んで爽快だ。

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 ◎「タイ式焼きビーフン(パッタイ)」八七〇円
 …続いては、泰王国料理に疎い僕だが、過去二度訪れた店のメニューにも記載されており、
  其の名前位は覚えている「パッタイ」と言う物が出て来る。
  実際に頂くのは勿論、今回が初めてだ。
  ビーフンと言えば、「ケンミン」の焼きビーフンか「バーミヤン」しか知らないが、
  此方のは、油蕎麦や混ぜ蕎麦に魚粉が振り掛けられている様に、上には桜海老と木の実が掛かっている。
  具は海老、萌やし、韮、炒り玉子等が入り、非常に食べ易く美味しい。
  癖の無い味付けで、此れは免疫の無い僕でも至って普通に頂ける。
  ビーフンのモソモソした食感が、酒の摘みとして成立する感じがして良い。

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 ◎「さかなのすり身ボールフライ(ルクチン・トード)」七〇〇円
 …魚の擂り身を団子状にした物を揚げた物が遣って来る。
  丸で、鶉の玉子の天麩羅の様な感じで、衣も天麩羅の様な感じ。
  何の魚の擂り身かは不明だが、プリプリを通り越してブリンブリンと言う食感で、
  日本の介党鱈で作る練り製品と何ら遜色無く、食感に関しては寧ろ強い程。
  脇に添えられたチリソースが結構辛く、口内が燃える様に熱くなり、
  又、揚げ立ての熱さも相俟って、慌てて麦酒を呷るが、此の感じが好きだ。
  熱いが旨い物を、冷たい麦酒で流し込むと言う、食道に負担が掛かりそうだが旨い。

 ◎「タイボール」三九〇円
 …呑み物を途中から替えてみる。
  少人数で呑んでいる時に、余り麦酒だけを呑み続けるのも割高なので…。
  壁に大々的に「タイボール」と言う貼り紙が貼り出されている。
  要は、泰王国式のハイボール、詰めて「タイボール」と言うらしい。
  泰王国の「メコンウイスキー」で作るハイボールは、原材料が米と言う所為か、
  甘味が有り、クイックイと呑めてしまう。

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 ◎「豚のにんにく風味揚げ(ムートード・ガティアム)」八二〇円
 …さて、「タイボール」のシュワシュワで爽快感が突き抜けた所で、お次の料理。
  現地では「ムートード・ガティアム」と言うらしく、何だか、
  「機動戦士ガンダム」の登場人物に居そうな名前と感じるのは僕だけだろうか…。
  豚肉と言っても、豚トロの部位で、何処と無く、ホルモン臭が漂うが、苦には成らない。
  齧り付くと、豚トロのサックリとした歯触りがし、衣はカリッと固め。
  泰王国料理らしい酸っぱく、辛い味付けを想像したが、塩気の効いた味わい。
  大蒜が適度に効いており、腕白中年には堪らない。
  又、此方も揚げ立てで熱熱なので、冷たい「タイボール」と実に良く合う。

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 ◎「タイ式汁なしあぶら麺(バミー・ヘン)」八三〇円
 …そろそろ〆へと向かい、麺類を頂く。
  出て来たのは、一瞬、泰王国風の「ジャンクガレッジ」の「まぜそば」の様で、
  「ラーメン 二郎」宜しく、萌やしがたっぷりと盛り付けられ、期待感が高まる。
  油蕎麦、混ぜ蕎麦、和え蕎麦の類いはしっかりと攪拌する事が重要なので、
  「天地返し」の要領で丼の底から掬う様にして混ぜ合わせる。
  具は他に、角切りの叉焼、香草、そして大量の着の身着の儘、木の実ナナ
  味は思ったよりも薄めで、思わず卓上の何かの調味料を加えて調整する。
  茹で上げ麺は、見た所、豚骨ラーメンの様な極細麺に感じられ、粉の風味も生きている。
  叉焼は固めだが、しっかりと味が染み込んでおり、サックリとした食感。

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 ◎「鶏挽肉のバジル炒めのせごはん(ガパオ・ガイ)」九一〇円
 …そしてオーラス、大団円を迎える〆は、此れも泰王国料理に不案内な僕でも知っている、
  「ガパオ」と言う御飯物で、唯一気に成るのが、泰王国米と言う事か…。
  鶏の挽肉を香辛料やら調味料で炒め合わせた物が脇に添えられ、御飯の上には半熟の目玉焼き。
  此れも、大韓民国料理宜しく、一緒くたに混ぜ合わせて頂くのが美味しい様だ。
  挽肉は辛さは控え目だが、スパイシーさが良く出ている。
  此れに半熟の目玉焼きの黄身の甘味が加わり、円やかにして呉れ、非常に美味しい御飯物。
  懸案の泰王国米も、スメルライスな感じは然程感じられず、苦も無く頂ける。
  否、寧ろ美味しく好んで頂きたい程だ。
  
 麦酒と「タイボール」をしこたま呷り、意外にも口に有った泰王国料理を心行く迄堪能し、
 河岸を替えるべく、高田馬場へ移動し、神田川の畔に在る「大衆酒場 かぶら屋」で二次会。
 口下手で寡黙な僕も珍しく喋り、静岡御田や串揚げを肴に、酎ハイの類いを水代わりに呷り続ける。
 二十二時半頃に御開きと成り、酩酊状態で家路を辿り、危うく湘南新宿ラインで乗り過ごし、
 籠原駅迄行ってしまう所、目が覚めて下車して帰宅し、失神する様に轟沈する…。