続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「麺や 唯桜」【坂戸】

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◆「麺や 唯桜」【坂戸】

 ◎「汁なし坦々麺」八〇〇円

 …唯一、心が休まる週末も、光の速さで瞬く間に過ぎ去ってしまう。
  暑さの所為で、碌に休まった気がせず、寧ろ、暑さで気が滅入って疲労している…。
  寝ている間も、暑さで布団を剥ぎ取る程で、そろそろ毛布一枚で良かろう。
  今朝も少し汗ばみ乍ら身支度を整え、しっかりとネクタイを締めて出掛ける。
  駅迄の道程を、えっちらおっちら重たい鞄を背負って歩き、汗を噴出させて駅に着くと、
  何てこったい、電車が十五分も遅れてやがる。
  週始まりの月曜日の朝から、こうして電車の遅延で歩調を乱されるのが堪らなく嫌だ。
  そして、下り電車なので空いていると言う腹積もりにも拘らず、異様な混雑。
  選りに選って、ゆとり世代が佃煮にする程居り、もっと早く学校に行きやがれ!
  坂戸に何時もより二〇分も遅れて到着し、灼熱の陽射しも相俟って、ドッと疲労が蓄積する。
  背広の上っ張りを脱ぎ、袖捲りをし、瀧の様に汗を噴き出し、仕事に邁進する。
  然し、暑くて汗が止まらず、仕事に支障を来たす程だ。
  十三時に成り、一時小休止、腹拵えをすべく、食事をしに出掛ける。
  四月十八日以来、通算三度目の此方へ御邪魔する。
  此方は毎週月曜日が定休日と言う認識が有ったが、今日の月曜日も営業しており、
  店頭の貼り紙に拠ると、五月一日から定休日が無くなったと言う。
  過去は一〇人以上の行列が出来ていたが、月曜日が営業日に成ったと言うのが浸透していないのか、
  今日は先客二名のみで、先に券売機で食券を購入してから行列に並ぶ。
  過去二度は「ジャンクガレッジ」譲りの「ラーメン」を頂いたが、
  味の満足度が余り得られなかったので、今回は趣きを変え、「汁なし坦々麺」にしてみる。
  程無くして席が空き、店内に入ると冷房が点いておらず、蒸し風呂の様な暑さ。
  失敗した…と思いつつも、今更店を出る訳にも行かず、泣く泣く、吹き溜まりの様な一番奥の席に。
  食券を手渡し、先ずは御決まりの冷水を立て続けに呷る冷却作業に取り掛かる。
  すると、暫くしてトッピングを訊かれる。
  「汁なし坦々麺」に関して予習をして行かなかったので、まさかトッピングが可能とは分からなかった。
  普通の「ラーメン」ならば野菜チョイ増し、大蒜、脂で御願いするのだが、
  不意打ちを喰らったので、「野菜半増しで…」と挙動不審に答えると、
  店主から、「野菜は元々少ないので」と励ましに近い言葉を添えられる。
  大蒜、脂、辛目に出来るなら…と後悔の念に駆られる…。
  蒸し暑い中を待ち、一〇分程で丼が目の前にドンと置かれる。
  懸案の野菜の盛りは、通常のラーメンのチョイ盛りよりも控え目で安心する。
  さて、此の手の油蕎麦、和え蕎麦、混ぜ蕎麦、汁無し麺の類は攪拌する事が肝心。
  「ラーメン 二郎」の上級者がする様な天地返しなんぞ、尻の青い僕には無理なので、
  慎重に丼の底から掘り起こす様に混ぜ合わせ、テレレを麺と野菜に絡め合う。
  良く混ざり合った所で喰らい付くと、坦々麺の味わいは余り感じられない。
  胡麻の味わいが特徴な筈だが、芝麻醤のコクは感じられず、豆板醤の様な辛味が感じられる。
  此れならば、「辛口まぜそば」とした方が正確な気がするのだが…。
  然し、決して不味い訳ではなく、通常の「ラーメン」よりも寧ろ旨い。
  「ラーメン」は野菜に味が付き辛いのが難点で、只管に味の無い萌やしを喰らうのが酷だったが、
  此れならばテレレの味が満遍無く纏わり付くので、美味しく頂ける。
  麺はと言えば、「菅野製麺所」特製の麺で、此れ又、普通の「ラーメン」に於いては、
  市販の生ラーメンの様な風味が鼻に付いてしまい、安っぽさが拭えなかったが、
  此れもテレレの味が絡み合った御蔭か、ムッチリ、ムニッとした食感が心地好い麺へと変身。
  野菜は茹で加減が丁度良く、シャキシャキとしんなりの中間で、歯触りが良い。
  具は豚のみで、完成度としては先ず先ずで、脂身と赤身の均整の取れた物で、味付けは薄目。
  今回で、此方に於いて旨いのは「まぜそば」系である事が判明したので、次回、挑戦しよう。
  言わずもがなだが、食べている最中は汗が引っ切り無しに噴き出し、冷水を何杯も呷り、
  ピッチャー一杯分は優に飲んだだろうな…。