続・ROCK‘N’ROLL退屈男

続・ROCK‘N’ROLL退屈男 B面⇒https://twitter.com/RandR_taikutsu

「えぼし麺 菜良」【茅ヶ崎】

イメージ 1


 ◎「あえそば」七〇〇円+「魚粉」五〇円+「チーズ」五〇円

 …金曜日。
  最近は流石に此の暑さに耐え兼ね、夜、帰宅後直ぐにエアーコンディショナーを点け、
  風呂に入り、風呂上がりも幾らかは楽に成り、寝しなも時限機能を活用し、
  二時間後に切れる様にして就寝しているので、寝心地も可也違う。
  然し、冷房が切れた後は暑さで目が覚め、慌てて窓を開けると言う暮らし。
  と成ると、朝方、隣家の換気扇の排気口からは油臭い、気持ち悪い風が吹き込み、
  至って爽やかではない寝起きを提供して貰える…。
  此の日は朝方に雨が少し降った模様で、家を出る頃には其の水分が蒸発し出し、
  モワっとした蒸し暑さに身体全体を覆う様な感じで、一気に嫌気が差す。
  駅迄の道程を歩けば、何時もの様に汗が止め処無く噴き出す。
  湘南新宿ラインに乗車し、真夏の湘南・茅ヶ崎へと向かう。
  茅ヶ崎に着く頃には、気温はグングンと上昇し、陽射しも出て来ており、うんざり…。
  此の日も、元々は三名で作業を実施する予定だったが、不条理な訳の分からない事態が発生し、
  人手を奪われてしまい、独りぼっちで仕事を熟す。
  然も、室内と言えども、何でも冷房が故障して効きが悪いらしく、道理で暑い。
  茅ヶ崎には月に一度、多くて二度程しか来ないのに、来週に成れば修理で直ると言い、
  何と間の悪い時に来たのかと、自分の不運を恨み、此れが本当の間抜けと言うのだろう…。
  すべき事が山積し、果たして、一体、何時に終了するのだろうかと不安に成り、
  更には此の暑さで、気持ちがもっきりと折れそうに成る。
  十三時に成り、気分転換、一息入れ直す意味でも昼御飯を摂る事にする。
  焼ける様な陽射しの中、茅ヶ崎と言えばすっかり此方と決めているので、南口へと向かう。
  海沿いなので、浜辺用サンダルを履き、半ズボンにランニングシャツ
  ネクタイ姿の人も居るかと思いきや、意外と居ないものだ…。
  店に着くと、運良く行列も無く、木戸を開けて入れば空席も有り、事無きを得る。
  然し、店内は冷房の効きが悪く、御世辞にも涼しいとは言えない室温で、蒸し暑い。
  給水機で水を汲み、席に着いてグイッと呷るも、此れ又、冷たくない…。
  そして、直ぐに店主が注文訊きに遣って来て、前回同様、「あえそば」+「魚粉」+「チーズ」で。
  無料のトッピングは、野菜、大蒜、脂、タレ、全部で御願いする。
  出来上がりを待つ間も、汗が引っ切り無しに噴き出し続け、温い水を飲んでも涼は呼び込めない。
  此の暑さの中でラーメンを啜ったら、危険な状態に陥るのではないかと不安に成っていると、
  一〇分程で、こんもりと盛り上がった、実に暴力さ加減満点の「あえそば」が運ばれて来る。
  見栄えは決して良いとは言えず、腕白以外の何物でもない。
  余り派手に掻き混ぜると、丼から溢れ出してしまいそうなので、ゆっくりと、且つザックリと、
  生玉子を崩し、全体が何と無く混ざったかなと言う程度で止し、食事に取り掛かる。
  生玉子のドゥルドゥルが混ざった野菜から頬張ると、丁度良い茹で加減で絶妙。
  シャキシャキ過ぎず、クタクタ過ぎず、其の中間の僕の好みの茹で加減。
  生玉子の円やかさ、甘味を纏い、其れに有りと有らゆる複雑な味わいが絡み合う。
  胡椒のピリッとした爽やかな辛味、揚げ大蒜の風味豊かな香ばしさ、一味唐辛子の刺激、
  刻み大蒜の何とも言えない滋養強壮に効きそうな味わいが、口内を縦横無尽に走り回る感じ。
  そして、チーズが溶け、トローっと糸を引き、コクを加えて呉れ、魚粉は和風な風味に。
  麺は、内蒙古産のかん水を使用した極太自家製麺で、茹で時間に五、六分要すると謳っているだけあり、
  表面はザラッとした、モソモソ、ボソボソとした口当たりの麺で、小麦の風味が感じられる。
  モッチリ、モチモチした弾力が有り、具や濃厚なプースーべっとりと纏わり付く様だ。
  そう、和え蕎麦、混ぜ蕎麦、油蕎麦の類はプースーと言うより、テレレが入っている程度だが、
  此方の「あえそば」は、ドロドロの「濃厚民族」が喜ぶプースーが、
  通常のラーメンよりは少ないにせよ、たっぷり入っており、蓮華で掬って啜る。
  とは言え、如何せん此の暑さなので、もう汗が止まらない。
  水を飲んでは汗を拭き、そして啜ると言う動作を繰り返さねば居られない。
  味自体は物凄く旨く、麻薬性、中毒性が有るので、禁断症状が出そうな感じだが、
  此の汗をかく不快感の方が上回ってしまい、次回は無理かな…と言う弱気にすら成ってしまう。
  矢張り、僕は夏は熱い物は食べられないよ…。