続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「La Voglia Matta」【大宮】


 …昨日。
  何の断りも無く、梅雨が明けたと言うではないか。
  電話の一本も呉れれば良いものを…。
  梅雨が明け、蒸し暑さから解放されるのと、梅雨明けが早い為に、此れから酷暑、激暑が長く、
  より一層の地獄の日々が続くのかと思いと、死にたくなってしまう。
  目を開けているのも憚られる様な暑さで、呼吸も儘成らない。
  諸般の事情で、夕方から深谷の実家に帰る予定の為、正午過ぎに家を出、
  大宮で手土産を購入しがてら、昼御飯を摂る事にする。
  こう暑いと、何を食べて良いか、否、出来ることなら何も食べたくない程だが、
  そう言う訳にも行かないので、仕方無く、食べたい物を考える。
  何とは無しに、ザーピーとゲッティーが頭を過ぎり、駅から外に出るのも億劫なので、
  駅直結のビルヂングの飲食店街で店を探し、此方に決定し、行列に並ぶ。
  マダム達に混ざって座っていると、十五分程で店内に案内される…。

 ◎「生ビールジョッキ」五五〇円
 …こんなに激しい暑さならば、呑まずには居られまい。
  否、偶の週末位、昼酒を遣っても罰は当たらないだろう。
  況してや、此れから帰る深谷は、七夕祭り開催中なので、祭りとあっちゃ呑みたいわね。
  混雑の所為か、発注から少し待たされ、てっきり今から麦を植えるのかと思ったが、
  無事に運ばれて来て、ジョッキをグイッと呷れば、冷たくて何と美味しいでしょう。
  普段、其の他雑酒を呑み付けてしまったので、麦酒の味が濃く感じられる。

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 ◎「マルゲリータ」一一五〇円
 …さて、麦酒で喉も潤った所で、ザーピーを発注しよう。
  僕が此の手の伊太利亜料理店でザーピーを頂くと成れば、マルゲリと決めている。
  具は至って簡素だが、モッツァレラチーズの旨さが堪能出来るので好きだ。
  此方のザーピーはと言えば、伊太利亜直輸入の薪窯で焼き上げるのを売りにしている様で、
  其のザーピーの直径は四〇センチメートルと大きく、嬉しくなってしまう。
  運ばれて来ると、其の場で店員が、一寸雑に切り目を入れて呉れる。
  赤茄子のテレレの赤、モッツァレラチーズの白、葉っぱの緑が伊太利亜国旗を模していると言う。
  生地は薄くてパリッパリで、香ばしさが伝わって来る。
  卓上の赤い油の正体が何だか分からないが、其れをぶっ掛けて頂く。
  何だ?辣油の親戚か?
  一切れが大きく、其れを齧ると、生地のカリカリッとした軽さが有り、
  赤茄子のテレレは酸味が強過ぎず、仄かに酸っぱさを感じる程度なので食べ易い。
  モッツァレラチーズは円やかなコクが有り、此方も執拗過ぎず、軽い口当たり。
  全体的に味は非常に宜しく、簡素なのだが、如何してこうも店に拠って違うのだろう。

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 ◎「なすとほうれん草のミートソース」一〇五〇円
 …ゲッティーはと言えば、矢張り、赤茄子のテレレで拵えた物が好きだ。
  海産物の具が沢山入った物は御値段も良いので、此方も簡素な物を選択する。
  赤茄子のテレレのゲッティーと言えば、ミートソース、日本語で言えば、肉味噌が基本だ。
  具は、僕が比較的好んで頂ける数少ない野菜である茄子と菠薐草。
  チーズフェチの僕は、粉チーズを貰ってみる。
  たっぷりと、ゲッティーが見えなくなる位に粉チーズを振り掛けたら準備万端。
  後は成れないフォークを駆使して啜るのみ。
  肉味噌は肉の旨味が凝縮した感じで、矢張り旨いな。
  角が取れた丸味を帯びた味わいと評して良かろう。
  粉チーズは大量に振り掛ける事で、こってりとした円やかで、コクの有る味わいに変化。
  軽く糸も引き、チーズフェチの心を擽る。
  此方の赤茄子のテレレも適度な酸味で、野菜嫌いの僕でも食べ易い。
  茄子と菠薐草も具としては地味だが、控え目な脇役の様な感じで良い。
  ゲッティーの茹で加減も良く、僅かに芯が残る食感が堪らなく素敵。
  ザーピーに続き、ゲッティーの御味も大変宜しい。
  麦酒も二杯頂き、少し身体も冷却され、胃袋も膨れた所で、高崎線に乗車して深谷へと帰省する…。