続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「ラーメン 凛」【渋谷】

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◆「ラーメン 凛」【渋谷】

 ◎「ポン酢」八〇〇円

 …朝、身支度を整え、家を出ようと外に出ると、思わず引き返したくなる様な暑さ。
  此れは事に依ると、外に出たらいけない暑さだ。
  政府が外出禁止令を発令しても良いのではなかろうか…。
  駅迄辿り着く前に、夥しい量の汗が噴き出し、生きているのが嫌に成る。
  如何して、こんな目に遭わなくてはいけないのか。
  そんな事を思いつつ、満員電車に揺られて池袋へ出掛ける。
  既に、汗拭きは吸水能力を喪失し、豚骨臭のする汗を存分に吸い込んでいる。
  其れでも、汗は引っ切り無しに噴き出し続け、収まる気遣いは丸で無し…。
  汗達磨の状態で仕事に入り、座っているだけで暑いとは何事だ。
  十二時半を過ぎ、毎週木曜日は都内をぐるっと、山手線を一周して巡る仕事の為、
  何時もの様に、最初の目的地、渋谷へと向かう。
  街は煌くパッションフルーツだが、此の暑さで傷んでしまいそうだ…。
  舗装道路の照り返しも厳しく、容赦無く老体に襲い掛かる。
  そんな中、昼御飯を摂りに、すっかり御馴染みの此方へ向かう。
  何時も暑いのだが、今日は殊更暑く、其の道程が果てしなく遠く感じられる。
  其処に行けばどんな夢も叶うと言うよ、誰もが行きたがるが遥かな世界、
  其の国の名はガンダーラ、何処かに在るユートピア、如何したら行けるのだろう、教えて欲しい…。
  途中で挫折する事無く、何とかガンダーラに到着する。
  店内は其処其処込み合っており、カウンター席の間に挟まる様に促される。
  頂く物は決まっており、此の駄ブログ閉店ガラガラ中の先週に引き続き、「ポン酢」を発注。
  勿論、大蒜入りで御願いする。
  と言うのも、此方を最初に訪れた際に頂いたのも此の「ポン酢」だが、
  其の時とは味の改良が為され、数段美味しく変化している。
  店内にも貼り紙がされているが、大井町本店にて開業後、太麺の不定期メニューとして、
  最初に提供されたのが「ポン酢」で、直ぐに人気メニューと成ったが、
  高価な「旭ポンズ」を使っていた為、採算が合わずに定番化出来ず、
  止むを得ず、他のポン酢を使用して定番化し、現在に至っていると言う。
  然し、八月末に「のスた」が大阪は難波・千日前に出店するのに合わせ、
  「旭食品」の協力により、今後は「旭ポンズ」を使用した元祖の味が頂ける様に成ると言う。
  其れを、先週頂いてみて、明らかな味の違い、旨さに驚き、今回も頂いてみる。
  プースーを一口啜っただけで、以前のポン酢よりも旨いと分かる。
  ポン酢の酸味は爽やかで心地好く、酢が立って噎せると言う様な事は無く、非常に円やか。
  其れで居て、味に深みが有ると言うか、コクが有って風味豊かだ。
  何でも、此のポン酢は、徳島県産の酢橘、柚柑、柚子の純天然果実液を主原料とし、
  昆布、鰹節、椎茸等を混ぜ合わせた、「完全味付け」と謳っている。
  大阪では有名な様で、鍋物を始め、様々な調味料として親しまれている様だ。
  其の評判通り、何口も続けて啜りたくなってしまう、癖に成る味わいだ。
  野菜の小盛りの山を遣っ付けつつ、丼の中から麺を引っ張り出す。
  店内の製麺機で打たれる自家製麺は、表面はややザラッとした感じで、加水率は低目。
  此のボソッとした口当たりが何とも堪らず、しっかりとした腰が効いて、
  モッチリとした弾力も兼ね備え、ヅルヅルと啜るには良い。
  徐々に刻み大蒜もプースーに溶け出し、刺激的な味わいへと変えて呉れる。
  煮豚はトロットロに蕩けると言うよりは、しっかりとした噛み応えが堪能出来、
  赤身のホロッと解れる感じと、脂身のプルプル感を愉しむと言った趣き。
  ゴロンとしたのが二つばかり沈んでおり、其れなりに食べ出は有る。
  麺を食べ終えてしまうと、後は如何してもプースーが気に成る。
  普通のラーメンのプースーは、身体に悪いと世間一般に言われているので逡巡してしまうが、
  ポン酢だと身体に良い気がして、事に依ると、巧くすれば身体が柔らかくなるかも知れないと、
  ついつい、全てを飲み干してしまい、柑橘類からヴィタミンを摂取してみる。
  食事中然り、食後は見苦しい迄の汗だくで、ピッチャー一杯分の水を飲み、
  灼熱の南中高度の陽射しの中へと出掛けて行く…。