続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「必勝軒」【津田沼】

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◆「必勝軒」【津田沼

 ◎「もりそば 大盛り(3玉)」九〇〇円

 …金曜日。
  毎日、毎日、鉄板の上じゃなくたって焼かれる様な暑さに、遺憾の意を表したい。
  前日の木曜日は、狂った様な、頭が可笑しくなる様な暑さに、平静を保つのが難しい程。
  晩に暑気払いにと、「三丁目 にしや食堂」を訪れ、外から店内を覗くと、
  座敷席以外は略満席で、然も、入口近くの席には天敵の蟋蟀が居り、諦めざるを得ない。
  先日訪れた際、娘さんから蟋蟀の評判を聞き、以前にも、扇風機を独占したくて、
  無理に動かして、壁に寄り掛かっていた本をドンガラガッシャンと引っ繰り返した無法者とか…。
  僕が心穏やかに、此方を訪れる事が出来るのは、一体、何時の日だろうか。
  閑話休題
  日付は変わって金曜日。
  此の日は幾分涼しいと世間では持て囃している様だが、至って普通に暑い。
  十五度を下回らずして、涼しい等と口が裂けても言ってはいけない…。
  埼京線武蔵野線総武線を乗り継ぎ、えっちらおっちら、津田沼へと遣って来る。
  風が有るのがせめてもの救いで、矢張り、暑い時は絶えず風を受けていたい。
  室内は節電の影響で蒸し風呂の様な暑さで、此れ又、汗が引っ切り無しに流れ続ける。
  豚骨臭の油混じりの汗は、拭っても拭っても、一向に止まる気遣いは無い。
  其れでも齷齪と仕事を熟し、十三時に成り、一息入れる事にする。
  津田沼と言えば、此処最近は専ら「ラーメン 無限大」なのだが、偶には趣きを変えてみる。
  昨年末から今年の初めに掛けて、毎回必ず御邪魔していた此方へ。
  「東池袋大勝軒」と「永福町大勝軒」の両方で修行した経験を持つ店主が切り盛りしており、
  日替わりでスープの味が異なり、一応、五種類全て制覇しているが、
  四月五日以来、四ヶ月半振りと言う御無沙汰なので、偶には良かろう…。
  店に着くと、先客二名の待ちで、何てこったいと、自分の運の無さを嘆いてみる。
  五分強で店内に通され、隣りの客と肩が触れそうに成る位に密着したカウンター席は些か窮屈。
  其れは兎も角、此の日、金曜日は「魚介系強調スープ」と言う事で、
  以前、一度だけラーメンで頂いた事が有るので、今回は「もりそば」にしてみる。
  麺の量は「3玉」で、毎度乍ら、心の中で、「カルロス・サンタマ」と駄洒落を呟いてみる…。
  以前は、「3玉」は四五〇グラムだったが、今は三九〇グラムと減っているのが残念。
  一〇分弱で、先につけ汁が差し出され、何時もの様に「熱いです!」と促され、
  丸で、リアクション芸人への振りの様な感じで、呆けて良いものか悩んでしまう。
  其れから遅れる事数十秒で、麺の器が運ばれて来る。
  其の間、チンチンに煮立つ程に熱いつけ汁は、外気に触れて、油分が凝固して行き、
  表面に幕が張り、千葉県だけに「幕張メッセ」状態。
  暑さの所為で、僕の頭も遣られてしまっているので御含み置きを…。
  麺は、店内奥に在る製麺室で打たれる自家製麺で、ラーメンの麺は更に細く、白く透き通る感じで、
  此の「もりそば」の麺は、やや黄色を帯びており、やや太い感じだが、
  一般的なつけ麺の麺からしたら、相当細い部類に入る。
  蕎麦の様に手繰り、濃厚茶褐色のつけ汁にサッと潜らせて啜る。
  「基本のスープより魚介系の素材を約二倍使用した魚の香り高い味」と謳っているが、
  正直、僕の様な馬鹿舌じゃ、「バランススープ」、「濃厚魚介スープ」、「オールマイティースープ」、
  夫々の違いが、久し振りと言う事もあり、大して分からず、普通に美味しく頂く事にする。
  御馴染みの胡椒のピリッとした爽やかな辛味はしっかりと判別出来る。
  スープは粘性が低いので、麺に絡み付くと言う感じが無く、あっさり、さっぱりとした趣き。
  麺は細麺なので、ポキポキ、コリコリと言う腰が効いており、縮れも有り、弾力も感じられる。
  此方は具が少々残念で、鉋で削った様な薄っぺらなパサパサ気味の叉焼と、
  麺麻、海苔、茹で玉子半個、鳴門が入り、物足りなさは否めない。
  其れでも、最後迄、プースーが冷める事無く頂け、〆はスープ割りなんぞせず、
  男らしく、グイッと、原液の儘、熱熱のつけ汁を飲み干し、九〇〇円を支払って退店する。