続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「塩ホルモン 炭虎」【宮原】

◆「塩ホルモン 炭虎」【宮原】

 …昨晩。
  午後は家でゆっくり、のんびりと、極めて自堕落に過ごす。
  と言うのも、近々、今の家の更新時期が近付いている為、引っ越しを検討しており、
  最近は其の新しい住処、物件探しに余念が無い。
  今の住まいの五〇メートル先に、目星を付けていた物件が有ったのだが、
  此の日、成約されてしまったと連絡が入り、一からの探し直し…。
  何だか面倒臭くなり、一時中断とばかりに、晩は外に出る。
  近所の小学校で開催される盆ダンスも、雨の所為で体育館での催事に変更に成った様で、
  今一、雰囲気も愉しめず、其の儘、宮原駅周辺で一杯遣ろうと、数年振りに此方へ。
  過去に何度か御邪魔しており、店主は大宮の名店「塩ホルモン 炭や」出身だった様に記憶している。
  店に入ると空席が目立っており、此の暑さなので、炭で炙る物は敬遠され勝ちなのだろうか…。
  カウンター席に腰掛け、煙に塗れてみる。

 ◎「生ビール」四二八円
 …店内は節電の為か、冷房の効きが弱くて暑いので、取りも直さず、先ずは麦酒。
  歩いて来て火照った身体を、一刻も早く冷却しないといけない。
  四二八円と良心的な値段も心強く、グイグイと呷れそうだ。
  此の暑さの所為で、毎日欠かさず飲酒しているが、何度頂いても旨いものだ。
  況してや、独り寂しく家で其の他雑酒を呷るのと違い、外で呑む本物の麦酒は殊更旨い。

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 ◎「シロコロホルモン(塩)」四五八円
 …此の手の塩ホルモン専門店に出掛けると、大概、頂く物は決まっているので、
  適当に見繕って発注すると、最初に驚異の速度で出て来たのが此れ。
  本当は味噌ダレで発注したのだが、塩ダレで出て来ると言う、僕に有り勝ちな運の無さ。
  間違ったと向こうでも気付いたが、折角拵えて呉れた物を無駄にするのは勿体無いので、
  其の儘、受け入れ、味噌ダレを後から別皿で出して呉れる。
  シロコロホルモンと言えば、言わずと知れたB級グルメの王様で、厚木の名物。
  豚ホルモンの柔らかい大腸のみを、割かずに管状の儘で脂身を適度に付けた儘、
  洗った生の状態で流通している物らしく、炙ると表面は弾力の有る歯応えで、
  中は脂が洪水の如く押し寄せる感じで、味噌ダレとの相性も抜群。
  此れは麦酒が進むわぃ。

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 ◎「上ホルモン(塩)」四五八円
 …勿論、「塩ホルモン」が基本だが、柔らかい部位のみの「上ホルモン」が好き。
  此方も塩ダレと味噌ダレが選択出来るが、勿論、塩ダレで発注し、間違われずに出て来る…。
  ホルモン教徒としては堪らず、足の親指が腫れて痛くなっても止むを得まい。
  豚の直腸の部位らしく、此れに塩ダレを揉み込んで出される。
  炭火の七輪の網の上で炙ると、見る見る内に小さく縮んで行き、軽く焦げ目が付く。
  普通の「塩ホルモン」よりも柔らかく、良質な蛋白質、ヴィタミンB一、B二、
  コラーゲンが豊富に含まれており、僕の様な女優には持って来いだ…。
  プリップリ、プルンプルンで、しっかりと噛み締める様にして頂くのが良い。

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 ◎「サガリ」三九八円
 ◎「せせり」三九八円
 …続いては二品相盛りで、「サガリ」と「せせり」が遣って来る。
  此の二品も、絶対に欠かす事の出来ない逸品だ。
  「サガリ」とは、豚の腰部に近い横隔膜の一部で、豚一頭から僅か二〇〇グラムから、
  三〇〇グラムしか精肉出来ないと言う貴重な部位で、旭川生まれの塩ホルモンでは欠かせず、
  豚の解体時に横隔膜と一緒にだらりと「下がる」事から呼ばれる様に成ったと言う。
  此れは塩、胡椒、大蒜の粉を塗して味付けされており、此れを炙って頂くと、
  ギューっと噛み締めたくなる食感だが、適度に脂身が付いているので柔らかくて旨い。
  牛肉も場合もそうだが、ハラミ、横隔膜が好きだ。
  「せせり」はと言うと、鶏の首に近い部位の肉で、ブリンとした歯応えだが、
  鶏肉なので柔らかく、食感、歯触りが愉しめる。

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 ◎「ナムル」二九八円
 …箸休めとしてナムルを頂いてみる。
  僕は大韓民国人ではなく、生粋の日本人だが、大韓民国料理は好きな部類だ。
  野菜嫌いの僕だが、此のナムルは好きだし、此れを乗せたビビンバも好きだ。
  特に、菠薐草は好みで、胡麻油の味付けが良く合う。
  萌やしも同様に好きだが、大根の甘酢は少し路線から外れる…。

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 ◎「タンモト」四九八円
 …素敵なカクテル「ホッピー」も頂戴し、すっかり「マスカットサワー」に移行し、
  肉の〆に取り掛かるべく、「タンモト」を発注。
  豚ホルモンに限らず、「牛タン」、「カルビ」、「ラム」等も取り揃えられており、
  舌の付け根、喉に近い部位の「タンモト」は、塩胡椒と大蒜の粉塗れで出て来る。
  此れを炙ると、普通のタンよりも脂が載っており、柔らかい歯応え。
  コリっでもなく、サクッでもなく、ギュッと噛み締めたくなる。

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 ◎「秘密の冷やしチャンジャ茶漬け」四九八円
 …一頻り内臓を堪能した所で、そろそろ〆に取り掛かる。
  カウンターの内側の厨房内の壁にぶら下がった黒板に御薦めメニューが記されており、
  其の中に、「裏メニュー」として、更には「秘密の」と書かれた物を発見。
  最早、此の時点で、裏メニューでもなければ、秘密でもないのだが…。
  チャンジャを使った冷やし茶漬けと言う事で、大体の想像は出来たが、
  御飯にチャンジャを乗せ、冷たい水なのか、出汁なのかを掛け、氷が浮いている。
  此りゃ、確かに冷やされている。
  蓮華で掬って頂くと、正直、味は薄い…。
  冷水に近いと言って良いだろう。
  然も、掬う度に氷が邪魔で食べ辛く、〆を飾るには期待が大き過ぎた様だ…。

 麦酒一杯、ホッピー二杯、マスカットサワー二杯を頂戴し、煙の臭いを纏って帰宅し、
 直ぐに風呂で洗い流す…。