続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「スパゲッティのパンチョ」【池袋】

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◆「スパゲッティのパンチョ」【池袋】

 ◎「ナポリタン粗挽きソーセージ」七九〇円+「目玉焼き」五〇円

 …昨日。
  颱風は来るんだか来ないんだかハッキリせず、御蔭で猛烈な蒸し暑さで困る。
  心底、身体の奥底から疲労を感じる様で、グッタリと心身共に重苦しくなる。
  汗の出方も半端ではなく、病的な迄に、少し動いただけで大量の豚骨臭の汗が噴出する。
  宛ら、間欠泉の様で、止めようと思っても、全く以って自由が利かない。
  元来、蒸し風呂と言うのは裸で入るのであって、背広姿で入るものではない…。
  駅迄歩いただけで、丸で、一日分の汗を出したかの様な騒ぎで、
  其の儘、電車に乗り込めば、結局、池袋駅迄、汗は出っ放し。
  汗一つかかずに電車に乗っている人は、余程、身も心も冷え切った人間なのではないかと思う。
  否、寧ろ、尊敬してしまう…。
  朝一で残務を遣っ付け、仕事の為、出掛ける。
  室内と言えども、脱水症状を起こしてしまいそうな程に暑く、意識が遠退きそうに成る。
  疾うにタオルは吸水機能を喪失し、只の布切れと化している。
  嗚呼、忌々しい…。
  とっとと真冬に成れば良いのに。
  だくだく汗を噴き出し乍ら仕事に取り組み、十三時に昼休憩を挟む。
  同僚の方と一緒だが、此の気狂いしそうな蒸し暑さも相俟って、独りに成りたく、
  昼御飯は各自摂る事にし、独り、蒸し風呂の様な池袋の街を彷徨う。
  此の蒸し暑さで、思考回路も停止し、食欲も余り湧かず、当て所無く、ぼんやり歩く。
  何の気無しに路地に入り、周囲をキョロキョロ見回すと、「ナポリタン」の文字。
  そう、先週木曜日、渋谷で初めて訪れたナポリタン専門店の池袋店が在るではないか。
  何と言う偶然だろうか。
  此れは神の御導きであろうと、迷う事無く、誘導されるかの様に吸い込まれて行く。
  自分で言うのも何だが、こう言った、食べ物に関する運は持ち合わせている様に思う。
  即ち、こう言う時に運を使ってしまうので、普段、良い事が無いのだろう…。
  雑居ビルヂングの階段を地下に下り、店に入ると、壁一面には昭和の映画のパンフレットのコピー。
  有線放送は八〇年代限定に選局されており、旧き良き時代の日本が此処には在る。
  さて、券売機に対峙し、前回は「ナポリタンチーズ」だったので、今回は変えてみる。
  前回初めて頂いて、具のウィンナーが実にナポリタンと合っていて、良い味を醸し出していたので、
  「ナポリタン粗挽きソーセージ」の釦を押し、更に、此方の一番人気と言うのが、
  「ナポリタン目玉焼き」らしいので、目玉焼きだけを追加で乗せるべく、食券を買い揃える。
  二人掛けのテーブル席に通され、食券を手渡し、麺の量を訊かれる。
  前回は五〇〇グラムの「中盛」だったが、此方は「並盛」か「大盛」しか無い様子。
  と来れば、自然と腕白中年は、「大盛」で御願いするしかないでしょうに…。
  後はジッと、冷水を呷りつつ、汗を拭いつつ、其の出来上がりを待つ。
  後から客が続々と訪れ、一足違いで大混雑し、行列が発生し、事無きを得る。
  注文が立て込んでいた所為か、十五分程待たされ、銀の皿に盛り付けられたゲッティー登場。
  赤々とした円墳の様に、こんもりと盛り上がっており、腕白魂に火を点けられる。
  さあ、粉チーズをたんまりと掛け、フォークを手にし、一気に行ってみよう。
  此方のナポリタンの特徴は、麺は太麺で、茹で加減は柔らか目。
  小洒落た伊太利亜料理のゲッティーは腰が効いていた方が良いが、ナポリタンの様な庶民的な物は、
  こう言う感じの、言い方は悪いが、野暮ったい感じが宜しい。
  味付けは甘目で、赤茄子の酸味は控え目で、如何にも子供が好きそうな味わい。
  口の周りを真っ赤に汚し、見た目も憚らずに掻っ込みたい。
  大量の粉チーズは、味を円やかにして呉れ、チーズフェチには堪らない。
  粉チーズの掛かった表面を食べ終え、粉チーズの掛かっていない部分が現れると、
  再び、粉チーズを大量に振り掛け、存分にチーズを堪能する。
  粗挽きウィンナーは焼いた物で、皮がパキッと音がし、粗挽きの肉の感じが良い。
  目玉焼きは黄身がトローっとすると言う程ではないが、半熟なので及第点。
  具はウィンナー、玉葱、ピーマンと、ナポリタンの正しい形。
  何だかんだで、六〇〇グラムと言う麺も、然程、量を感じさせずに完食。
  勿論、死にたくなる位に汗だく…。