◆「らあめん 満来」【新宿西口】
◎「チャーシューざる」一二〇〇円
…引っ越しして五日目だが、平日は全く片付ける時間も無く、片付ける気力も無く、
大量の段ボールに囲まれるハーレム生活を送っている僕です…。
爪を切りたいのだが、爪切りが見付からず、難儀している程。
真面な生活を送れていない状況で、其の道程は果てしない…。
未だ、数箱の奥床しい桃色映像を開梱しておらず、本も手付かず。
況してや、衣類に至っては、押入れに衣文掛けを掛ける設備が無い為に、
背広を始め、衣文掛けに掛かった状態で山積みに成っていると言う哀れな惨状…。
毎日毎日、其の日に着る物を探し出すだけで一苦労。
今朝も何とか衣服を身に纏う事が出来、全裸で出掛ける事だけは回避。
満員電車に揺られ、今日は眠らない街・新宿へと向かう。
風邪が抜けず、鼻、咳、喉が可笑しい中、ボーっとしつつも仕事を熟す。
こう成ると、昼御飯だけが愉しみで、頼みの綱だ。
十三時に成り、待ちに待った昼御飯を食べに出る。
ずっと、今日は「麺屋 武蔵」に約一〇年振りに出掛け様と決まり掛けていたのだが、
今は便利なもので、文明の利器・携帯電話で最寄りのラーメン店を検索する事が出来る。
すると、其の中に随分と魅惑的な店を発見する。
巨大な叉焼が売り物で、名前だけは聞いた事が有り、折角なので、意を決して潜入してみる。
西新宿の「小田急ハルク」の裏通りに在り、店内は大盛況で、十四人の待ち。
一瞬、心が折れて諦めようとするも、次を探すのも億劫なので、此方にする。
先ずは券売機で食券を購入するのだが、事前情報では、一番人気は「チャーシューざる」、
そして、僕が惹かれたのは「ちゃーしゅーらあめん」だが、如何せん、一四〇〇円もする。
流石に此れは、ブルジョワジー、石油王、皇室関係でもないと、とてもではないが無理なので、
其れでも、一二〇〇円もする「チャーシューざる」を、清水の舞台からバンジージャンプする気分で、
月の頭でないと無理なので、思い切って食券を購入する。
行列の最後尾に付くと、意外にも回転は早く、十五分で着席出来る。
予め、食券を改札していたので、座ってから三~四分で直ぐに出て来る。
先につけ汁が差し出され、一瞬、目を疑う程の肉の量で、正直、汁気が見えない程。
後を追う様に、麺が遣って来て、万事が整う。
其れにしても、流石、一二〇〇円も取るだけあって、期待を裏切らない豪快さだ。
麺は黄色を帯びた、ピロピロとした平打ちの中細麺で、上には笊蕎麦宜しく、刻み海苔があしらわれる。
此れを箸で手繰り、いざ、つけ汁に浸そうにも、肉が多過ぎて、浸す場所が見当たらない。
何とか、肉を隙間を縫う様に、麺を捻じ込んで浸して啜る。
つけ汁はと言うと、一味唐辛子のひりりとした辛味と、仄かな酸味と、
恐らくは大量の肉から染み出したと思われる甘味の均整が取れた味わいで、昔懐かしさも漂う。
昔懐かしい味と言うと、ともすると、陳腐な味に成り勝ちだが、歴史を感じさせる深みが有る。
在り来たりな味は好きではないが、そう感じさせない旨味の様な物を感じる。
然し、つけ汁が少々冷めているのが残念。
そしてそして、其れより何より、取りも直さず、主役は叉焼だ。
器を占拠した肉は、ビフテキの様な量が入っており、其の見栄えは正に圧巻。
同じ部位だけかと思いきや、色々な部位が入っている感じで、見た目、食感は様々。
てっきり、「東池袋大勝軒」系のパサパサとした腿肉の叉焼を想像し、期待は持っていなかったが、
一口齧り、直ぐ様、御免なさいと、謝罪をする。
吃驚する程に柔らかく、其れで居て、適度な噛み応えが有り、ホロホロッと身が崩れる。
素人目に察するに、腿肉やら、バラ肉やら、色々な食感が愉しめる様に入っており、
豚肉の違った側面を愉しめ、個人的に、一二〇〇円の価値は有る。
返す返すも、此の肉の塊は壮観だ。
肉に隠れて気付き難いが、麺麻もちゃんと入っており、中華蕎麦の色合いを感じさせる。
麺の量は其れ程でもないが、此れだけの肉を頂けば、腹は否が応でも満腹に。
〆は、スープ割りなんぞはせずに、原液の儘、グイッと飲み干す。
大量の叉焼から染み出た脂が白く固まり、表面に浮かんでいるのをヅヅヅと飲み干す。
大量の段ボールに囲まれるハーレム生活を送っている僕です…。
爪を切りたいのだが、爪切りが見付からず、難儀している程。
真面な生活を送れていない状況で、其の道程は果てしない…。
未だ、数箱の奥床しい桃色映像を開梱しておらず、本も手付かず。
況してや、衣類に至っては、押入れに衣文掛けを掛ける設備が無い為に、
背広を始め、衣文掛けに掛かった状態で山積みに成っていると言う哀れな惨状…。
毎日毎日、其の日に着る物を探し出すだけで一苦労。
今朝も何とか衣服を身に纏う事が出来、全裸で出掛ける事だけは回避。
満員電車に揺られ、今日は眠らない街・新宿へと向かう。
風邪が抜けず、鼻、咳、喉が可笑しい中、ボーっとしつつも仕事を熟す。
こう成ると、昼御飯だけが愉しみで、頼みの綱だ。
十三時に成り、待ちに待った昼御飯を食べに出る。
ずっと、今日は「麺屋 武蔵」に約一〇年振りに出掛け様と決まり掛けていたのだが、
今は便利なもので、文明の利器・携帯電話で最寄りのラーメン店を検索する事が出来る。
すると、其の中に随分と魅惑的な店を発見する。
巨大な叉焼が売り物で、名前だけは聞いた事が有り、折角なので、意を決して潜入してみる。
西新宿の「小田急ハルク」の裏通りに在り、店内は大盛況で、十四人の待ち。
一瞬、心が折れて諦めようとするも、次を探すのも億劫なので、此方にする。
先ずは券売機で食券を購入するのだが、事前情報では、一番人気は「チャーシューざる」、
そして、僕が惹かれたのは「ちゃーしゅーらあめん」だが、如何せん、一四〇〇円もする。
流石に此れは、ブルジョワジー、石油王、皇室関係でもないと、とてもではないが無理なので、
其れでも、一二〇〇円もする「チャーシューざる」を、清水の舞台からバンジージャンプする気分で、
月の頭でないと無理なので、思い切って食券を購入する。
行列の最後尾に付くと、意外にも回転は早く、十五分で着席出来る。
予め、食券を改札していたので、座ってから三~四分で直ぐに出て来る。
先につけ汁が差し出され、一瞬、目を疑う程の肉の量で、正直、汁気が見えない程。
後を追う様に、麺が遣って来て、万事が整う。
其れにしても、流石、一二〇〇円も取るだけあって、期待を裏切らない豪快さだ。
麺は黄色を帯びた、ピロピロとした平打ちの中細麺で、上には笊蕎麦宜しく、刻み海苔があしらわれる。
此れを箸で手繰り、いざ、つけ汁に浸そうにも、肉が多過ぎて、浸す場所が見当たらない。
何とか、肉を隙間を縫う様に、麺を捻じ込んで浸して啜る。
つけ汁はと言うと、一味唐辛子のひりりとした辛味と、仄かな酸味と、
恐らくは大量の肉から染み出したと思われる甘味の均整が取れた味わいで、昔懐かしさも漂う。
昔懐かしい味と言うと、ともすると、陳腐な味に成り勝ちだが、歴史を感じさせる深みが有る。
在り来たりな味は好きではないが、そう感じさせない旨味の様な物を感じる。
然し、つけ汁が少々冷めているのが残念。
そしてそして、其れより何より、取りも直さず、主役は叉焼だ。
器を占拠した肉は、ビフテキの様な量が入っており、其の見栄えは正に圧巻。
同じ部位だけかと思いきや、色々な部位が入っている感じで、見た目、食感は様々。
てっきり、「東池袋大勝軒」系のパサパサとした腿肉の叉焼を想像し、期待は持っていなかったが、
一口齧り、直ぐ様、御免なさいと、謝罪をする。
吃驚する程に柔らかく、其れで居て、適度な噛み応えが有り、ホロホロッと身が崩れる。
素人目に察するに、腿肉やら、バラ肉やら、色々な食感が愉しめる様に入っており、
豚肉の違った側面を愉しめ、個人的に、一二〇〇円の価値は有る。
返す返すも、此の肉の塊は壮観だ。
肉に隠れて気付き難いが、麺麻もちゃんと入っており、中華蕎麦の色合いを感じさせる。
麺の量は其れ程でもないが、此れだけの肉を頂けば、腹は否が応でも満腹に。
〆は、スープ割りなんぞはせずに、原液の儘、グイッと飲み干す。
大量の叉焼から染み出た脂が白く固まり、表面に浮かんでいるのをヅヅヅと飲み干す。