続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「えぼし麺 菜良」【茅ヶ崎】

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 ◎「あえそば」七〇〇円+「チーズ」五〇円+「魚粉」五〇円

 …昨日。
  日曜日から労働し始め、此の日が四日目。
  既に身体はグッタリ加減で、寝起きも悪く、朝からボーっとしている。
  仕事が溜まって追いつかない為、六時に起床し、八時前に会社に出掛けて残務を熟す。
  眠いったら有りゃしない…。
  時間も厳しいので、とっとと切り上げ、茅ヶ崎へと出掛ける。
  こう言う時に限り、京浜東北線の人身事故の影響を、何故か湘南新宿ラインも呷りを喰う。
  理不尽な電車の遅延に巻き込まれ、予定より一〇分程遅れて茅ヶ崎駅に到着。
  茅ヶ崎駅に降り立てば、最早、茅ヶ崎の名物と言っても良い、某宗教団体の信者が、
  二人一組で四ヶ所、何をする訳でもなく、立ち話をし乍ら、手には小冊子を持って突っ立っている。
  其の冊子には「目ざめよ」と書かれており、何度も言う様で恐縮だが、
  「あんた等が目を覚ませよ!こちとら正気だよ!」と心の中で絶叫する。
  宗教を遣るのは勝手だが、御近所を御誘い合わせしなくて良い…。
  其れは兎も角、仕事に突入し、齷齪と労働する。
  十三時に成り、待ちに待った昼御飯。
  茅ヶ崎と言えば、此方以外を訪れるつもりは無い。
  茅ヶ崎駅の磯臭い方の出口に渡り、急ぎ足で目的地を目指す。
  角を曲がり、店が見えた其の刹那、前方から自転車に乗った木っ端アベックが、
  同じく此方を目指して走って来るのが見え、こちとら仕事中だと言うのに、
  休みだか失業中だか知らないが、平日の昼日中に逢引している様な奴等に先を越されたくは無い。
  奴等が自転車を停めている隙間を縫い、店の木戸に開ける。
  「勝った」と思ったが、店内には一組の木っ端夫婦が待っている。
  何てこったいと、舌打ちをし、外で待つ。
  すると、店主が透かさず注文を訊きに外へ出て来るので、「あえそば」+「魚粉」+「チーズ」、
  そして、無料のトッピングは、大蒜、野菜、脂、タレの全部で御願いする。
  すると、一人分の席は空いている様で、先に待っている木っ端夫婦を差し置いて、
  席に通され、途轍も無く清清しい心持ちがし、気分が爽快だ…。
  冷水を呷り、汗を拭い、携帯電話を弄り、出来上がりを待つ。
  一〇分強で、ずっしりとした重量感の有る丼が目の前に到着する。
  何時も思うが、此の見栄えの悪さ、寧ろ、汚らしさ、駄目さが漂う食べ物も中々無い。
  不細工極まり無い、何とも魅惑的な食べ物である事は間違い無い。
  さて、此の丼の内容物を、零れない様に慎重に、且つ大胆に攪拌する。
  今迄は魚粉は全体的に塗されていたが、今回は脇に盛り塩の様に添えられている。
  野菜、生玉子、魚粉、刻み大蒜、揚げ大蒜、黒胡椒、一味唐辛子、チーズ、叉焼、麺、
  此れ等を一切合財、一緒くたにして混ぜ合わせ、ざっくりと混ざった所で箸を付ける。
  一口頂けば、有りと有らゆる、様々な味わいが洪水の様に一気に押し寄せて来る。
  野菜の茹で具合はシャキシャキとクタクタの食感で、僕の好みで、生玉子のドゥルドゥルと絡む。
  其れにしても、複雑怪奇な何とも言えない、腕白には堪らない味わい。
  此れを如何表現して伝えたら良いのか分からないが、兎に角、百聞は一食に過ぎず。
  ドロッドロの相模湾の海底の泥の様なプースーが、全体に満遍無くごってりと纏わり付く。
  況してや、此れにチーズが入っているので、糸を引き、円やかさを醸し出しつつ、
  こってりと濃厚な、チーズフェチが泣いて喜ぶチーズの良さを遺憾無く発揮している。
  嗚呼、堪らない…。
  麺は、内蒙古産のかん水を使用した極太自家製麺で、茹で時間に五、六分要すると謳っており、
  極太で、不揃いな感じが有り、ボソボソとした口当たりで、モッチリ感が有る。
  縄暖簾の様な太さの無骨な麺は、「ジャンクガレッジ」同様に素晴らしい。
  叉焼はパサパサ感は否めないが、味付けが宜しいので、ドロドロの汚泥の様なプースーに浸せば、
  何て事は無く、至って美味しい豚肉で、色々な味がする中でも存在感を維持している。
  こんな素敵な物を頂いちゃ、汗が止まらず真夏の様だが、大蒜臭を撒き散らし乍ら、仕事に戻る…。