◆「居酒屋 やず」【宮原】
…金曜日。
此の週は日曜日から労働を開始した為、此の日が六連勤目。
六連勤の最終日とも成れば、朝は断末魔の様な寝起きの悪さで、グッタリとし、
身体は鉛の様に重たく、生気を吸い取られたかの様な感じだが、其れでも労働する。
高崎での仕事を終え、電車内で仕事を遣っ付け、心置き無く打ち上げが出来る状態にする。
宮原駅で降車し、毎度の此方で錆落としと洒落込む…。
此の週は日曜日から労働を開始した為、此の日が六連勤目。
六連勤の最終日とも成れば、朝は断末魔の様な寝起きの悪さで、グッタリとし、
身体は鉛の様に重たく、生気を吸い取られたかの様な感じだが、其れでも労働する。
高崎での仕事を終え、電車内で仕事を遣っ付け、心置き無く打ち上げが出来る状態にする。
宮原駅で降車し、毎度の此方で錆落としと洒落込む…。
◎「アサヒスーパードライ生ビール（中）」四五〇円
…店に入れば、花金だと言うのに客は人っ子一人無く、随分と閑散としている。
何時もの指定席に陣取り、重たい鞄と一週間の疲労を下ろす。
麦酒を発注し、至福の時を迎える。
グーッとジョッキを傾け、爽快感溢れる、プリン体を多分に含有した炭酸は堪らなく心地好い。
炭酸の泡と一緒に、疲労が全て消え去るかの様で、此の一杯が有るから何とか生きている…。
御通しは、鶏の手羽先と大根の煮物。
◎「アホきつね」三〇〇円
…さて、一杯目の麦酒も呑み終え、御替わりをする頃、摘みを熟考する。
例によって、此の日の御薦めメニューを探し出さなくては成らない。
すると、疲労で目が可笑しいのか、「アホきつね」と言う訳の分からない文字列が目に入る。
不可ん、不可ん、疲れて如何かしてしまっているのだと思うも、如何見ても「アホきつね」。
マスターに、「アホきつね」とは何かを訊ねてみよう。
すると、酒屋の若者に教えて貰ったらしく、「アホ」とは西班牙語で「大蒜」の意味らしく、
油揚げの上に大蒜やチーズを乗せて焼いた物で、マスターに薦められる儘、頂いてみる。
正に其の通りで、油揚げはカリッカリで、其の上にはザーピー宜しく、チーズが乗っている。
香ばしく、チーズの下には玉葱も入っており、特有の辛味が僅かに感じられる。
肝心の大蒜は余り主張していないが、リーゲーに成っても困るので、程々で良かろう…。
◎「長芋の昆布巻き」四〇〇円
…続いても、普段は無いメニューを発見。
とろろフェチが黙って見逃す筈が有るまい。
「長芋の昆布巻き」と言う文字列から、どの様な物が出て来るかの想像はし難い。
そして、出て来た物はと言うと、長芋を千切りと言うか棒状に切った物に、
とろろ昆布が巻き付けられており、確かに「長芋の昆布巻き」だ。
醤油を少し垂らして食べる様にと促され、言われた事は忠実に遵守する。
シャキシャキ、サクサクした長芋に、とろろ昆布のぬめりが加わり、
とろろの競演と言った趣きで、今迄に有りそうで無かった組み合わせだ。
◎「木の子 麩の卵とじ」四〇〇円
…又しても、此の日初めて見るメニューを頂いてみる。
名前から察するに、茸と麩を玉子で綴じた物なのだろう。
此れは可也、出来上がりの想像が付くので心丈夫だ。
案の定、宍戸 錠、椎茸、榎茸、麩が玉子綴じにされており、他には玉葱が入っている。
甘辛いと言うか、甘塩っぱいと言う味付けで、御飯の上に乗せても良さ気。
秋の味覚である茸は旨いな。
椎茸は薄く切られているが、肉厚の椎茸を其の儘に焼いて、醤油を垂らして頂くのも最高だ。
麩は、病人か金魚の食べ物と思っているので、普段は滅多に頂かないが、
煮汁を存分に吸った麩は、タップンタップンでジューシーだ。
◎「チーズハルマキ」三〇〇円
…麦酒を三杯頂戴し、「電氣ブラン」へ替える頃、其れに相応しい摘みを発見する。
善く、チェーンの居酒屋には普通に置いてあるチーズ春巻きが出来ると言う。
「電氣ブラン」には、こう言う揚げ物や、濃い味の摘みが合う様に個人的に思う。
細めに巻かれ、こんがり狐色に揚げられたチーズ春巻きは、
当たり前だが、中身はチーズのみで、カリッと言う香ばしい歯触りの後、
中からはチーズの濃厚な風味が伝わり、確りと火が通っているので、
チーズが蕩けると言う事は無いが、鼻の下をチーズ臭くするには十分だ。
食道が焼ける様な四〇度の「電氣ブラン」に、何だか妙に合う。
◎「そば」五五〇円
…さて、入店から一時間一寸で立て続けに呑み喰いし、時刻は二十一時を廻っている。
疲労の所為か、すっかり酒も廻り、酩酊してしまったので、そろそろ〆に。
と来れば、何時も御決まりの温かい蕎麦を御願いする。
呑んだ後、温かい物を啜ると、心が温まり、安らぎ、良い心持ちに成る気がする。
と言う訳で、蕎麦のつゆを一口啜れば、味はもっと濃くても良いが、
優しい味わいが、ささくれ立った心が解き解される様だ。
蕎麦は至って普通の乾麺で、特筆すべき点は取り立てて無いが、呑んだ後なら良い。
スルスルッと入って行き、喉の通りが良く、咀嚼する手間も幾らか省ける。
具は鶏肉、長葱、そして玉子。
毎朝、目玉焼きを拵え、数十分前には玉子綴じを頂いたばかりだが、玉子は嬉しい。
待望の週末を前に、気持ちが和らぐ瞬間だ…。
居酒屋やず [ 居酒屋 ] - Yahoo!グルメ
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※2011年5月21日時点の情報です。
ID:0000303858
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