◆「洋麵屋 五右衛門」【大宮】
◎「トマトとモッツァレラチーズのバジル風味」九五〇円
…昨日。
六連勤が明け、待ちに待った週末の休日。
前の晩は「居酒屋 やず」で強い酒に酔い痴れ、失神する様に轟沈する。
朝はと言うと、偶の休みの日位はゆっくりと寝ていたい所ではあるが、
引っ越て来たは良いものの、瓦斯給湯器の老朽化が半端では無く、
湯を出す度に、室外機から地響きの様な音がする為、其の交換を依頼しており、
朝の九時には来てしまうと言うので、七時半には起床し、朝食を済ます暮らし。
すっかり、早起きの老人の様な暮らし振りで、余り寝た気もしなければ、
疲労が抜けた気もせず、翌週へと持ち越しそうだ…。
毎度の「ぶらり途中下車の旅」を観たりし乍ら午前中を極めて自堕落に過ごし、
正午に成る頃に動き出し、フラッと外へ出てみる。
好い加減、引っ越し後の部屋を形にしたいのだが、生来の片付け嫌い、掃除嫌い故、
遅々として捗らず、其の為の収納家具を物色しに出掛ける。
と、其の前に、腹が減っては何も出来ない。
何を頂こうかと思案した結果、偶にはゲッティーが良かろうと、
ゲッティー専門店である此方へ、数年振りに御邪魔する。
其の昔、仕事帰りの二〇時過ぎに、独りで入れるゲッティー屋なんぞ無いので、
此方に何度か御邪魔したのを記憶しているが、随分と昔の事の様に感じられる。
昼時だが空席は有る様で事無きを得るが、躾を施されていない糞餓鬼が、
動物園の様に奇声を発していて五月蠅いので、睨み付けてやる…。
席に着き、メニューを開いてみる。
此方では凡そ、頂く物は決まっているので悩む世話は無い。
此の「トマトとモッツァレラチーズのバジル風味」が簡素な味わいで好みだが、
鱈子のボラギノール、もとい、カルボナーラも久し振りに気に成る。
審議を重ね、矢張り、初志貫徹で「トマトとモッツァレラチーズのバジル風味」を発注。
麺の大盛りは値が張るので諦め、普通の量で我慢、我慢。
新大宮バイパスを通り過ぎる自動車をぼんやり見詰め、携帯電話を弄り、待つ事、十五分。
赤赤とした、赤茄子を用いたゲッティーが、大蒜の良い香りを放ち乍ら遣って来る。
ゲッティーは矢張り、大蒜の効いた、赤茄子で調理した物が何とは無しに好きだ。
此方は、小洒落てチマチマとフォークで食べると言うのではなく、割り箸なのが有り難い。
ヅルヅルと音を立てて、勢い良く、小粋に啜れないと旨くも何とも無い。
赤茄子は酸味が効いているが、角の有る尖ったものではないので食べ易い。
大蒜の風味がコクを増して呉れているのも其の要因だろう。
具は至って簡素で、モッツァレラチーズと伊太利亜の葉っぱのみ。
ゴロゴロと海老やら貝やらが入るのも悪くないが、簡素なのも味が分かり易いので良い。
モッツァレラチーズは軽く糸を引くので、不器用な中年は、口の周りを汚し乍ら、
「三十五歳児」丸出しで、己の空腹を満たす為だけに、一心不乱に啜り続ける。
子供の頃の予定では、もっと確りした大人に成っている筈だったのに、
一体、何処で大人の階段を踏み外してしまったのだろうか…。
然し、今、目の前に有るゲッティーが旨ければ、何の問題も無い。
途中、卓上に置かれている赤い、辛そうなテレレを二、三滴振り掛けて頂く。
此の辺り、立派な大人に成った証拠だ。
食べ終えても、腹六分目程度で物足りなさは否めないが、此処で堪えるのが大人なのだろうな。
口の周りをちゃんと拭いて、御馳走様でした。
六連勤が明け、待ちに待った週末の休日。
前の晩は「居酒屋 やず」で強い酒に酔い痴れ、失神する様に轟沈する。
朝はと言うと、偶の休みの日位はゆっくりと寝ていたい所ではあるが、
引っ越て来たは良いものの、瓦斯給湯器の老朽化が半端では無く、
湯を出す度に、室外機から地響きの様な音がする為、其の交換を依頼しており、
朝の九時には来てしまうと言うので、七時半には起床し、朝食を済ます暮らし。
すっかり、早起きの老人の様な暮らし振りで、余り寝た気もしなければ、
疲労が抜けた気もせず、翌週へと持ち越しそうだ…。
毎度の「ぶらり途中下車の旅」を観たりし乍ら午前中を極めて自堕落に過ごし、
正午に成る頃に動き出し、フラッと外へ出てみる。
好い加減、引っ越し後の部屋を形にしたいのだが、生来の片付け嫌い、掃除嫌い故、
遅々として捗らず、其の為の収納家具を物色しに出掛ける。
と、其の前に、腹が減っては何も出来ない。
何を頂こうかと思案した結果、偶にはゲッティーが良かろうと、
ゲッティー専門店である此方へ、数年振りに御邪魔する。
其の昔、仕事帰りの二〇時過ぎに、独りで入れるゲッティー屋なんぞ無いので、
此方に何度か御邪魔したのを記憶しているが、随分と昔の事の様に感じられる。
昼時だが空席は有る様で事無きを得るが、躾を施されていない糞餓鬼が、
動物園の様に奇声を発していて五月蠅いので、睨み付けてやる…。
席に着き、メニューを開いてみる。
此方では凡そ、頂く物は決まっているので悩む世話は無い。
此の「トマトとモッツァレラチーズのバジル風味」が簡素な味わいで好みだが、
鱈子のボラギノール、もとい、カルボナーラも久し振りに気に成る。
審議を重ね、矢張り、初志貫徹で「トマトとモッツァレラチーズのバジル風味」を発注。
麺の大盛りは値が張るので諦め、普通の量で我慢、我慢。
新大宮バイパスを通り過ぎる自動車をぼんやり見詰め、携帯電話を弄り、待つ事、十五分。
赤赤とした、赤茄子を用いたゲッティーが、大蒜の良い香りを放ち乍ら遣って来る。
ゲッティーは矢張り、大蒜の効いた、赤茄子で調理した物が何とは無しに好きだ。
此方は、小洒落てチマチマとフォークで食べると言うのではなく、割り箸なのが有り難い。
ヅルヅルと音を立てて、勢い良く、小粋に啜れないと旨くも何とも無い。
赤茄子は酸味が効いているが、角の有る尖ったものではないので食べ易い。
大蒜の風味がコクを増して呉れているのも其の要因だろう。
具は至って簡素で、モッツァレラチーズと伊太利亜の葉っぱのみ。
ゴロゴロと海老やら貝やらが入るのも悪くないが、簡素なのも味が分かり易いので良い。
モッツァレラチーズは軽く糸を引くので、不器用な中年は、口の周りを汚し乍ら、
「三十五歳児」丸出しで、己の空腹を満たす為だけに、一心不乱に啜り続ける。
子供の頃の予定では、もっと確りした大人に成っている筈だったのに、
一体、何処で大人の階段を踏み外してしまったのだろうか…。
然し、今、目の前に有るゲッティーが旨ければ、何の問題も無い。
途中、卓上に置かれている赤い、辛そうなテレレを二、三滴振り掛けて頂く。
此の辺り、立派な大人に成った証拠だ。
食べ終えても、腹六分目程度で物足りなさは否めないが、此処で堪えるのが大人なのだろうな。
口の周りをちゃんと拭いて、御馳走様でした。
