続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「横浜家系らーめん 武術家」【大井町】

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 ◎「らーめん(並)」六五〇円+「チーズ」一〇〇円

 …新しい朝が来た、希望の無い朝が。
  月曜日の朝と言うのは、如何してこうも重苦しいのだろうか。
  目覚ましに叩き起こされれば、陰鬱な気分に支配された儘、最悪の寝起きの悪さ。
  此の儘、永眠してしまいたいとさえ思う…。
  断末魔の様な寝起きの辛さを押して布団から出れば、行き成り便意を催し、
  先行きが思い遣られ、面倒臭い乍らも簡単な朝食を拵え、身支度を整えて出掛ける。
  駅迄の道程を、気分と同じ位に重たい鞄を手に歩けば、其れだけで疲労困憊。
  電車に乗車すれば蒸し暑く、歩いて火照った身体からは止め処無く汗が噴き出す。
  世間様はそんなに寒いのか。
  こちとら、暑くて仕方無く、武蔵浦和駅に着いた折、乗降のどさくさに紛れて窓をプンオー。
  良くもまあ、此の暑い中、外套を羽織ったり、襟巻きを巻いたり、手袋をしていられるな。
  見ているだけで汗が噴き出して来る…。
  池袋に着き、調子の悪いパーソナルなコンピューターに苦戦しつつ残務を熟し、
  十一時過ぎに大井町へと出掛ける。
  すべき仕事が次々に湧き出し、今日は長く成りそうだと覚悟する。
  十三時を過ぎ、食後に本腰を入れ様と、昼休憩を挟む。
  昨晩、あれだけ寿司を頂き、朝食も摂ったにも拘らず、腹の虫が喚き散らしている。
  飼い主同様、堪え性の無い虫だ…。
  大井町と言えば魅惑的な店が多いが、今回は何の目星も付けていない。
  こう言う時はラーメンが手っ取り早く、文明の利器・携帯電話で検索を試みる。
  普段であれば、「麺場 風天」、「のりや食堂」、「中華そば 永楽」が候補だが、
  今回は気紛れで、久し振りに家系ラーメンでも頂いてみようと、此方を初訪店。
  大井町で家系ラーメンと言えば、「横浜ラーメン 武蔵家」は一度だけ御邪魔した事が有る。
  此処最近、数年振りに豚骨ラーメンの波が来ており、家系ラーメンも立派な醤油豚骨ラーメンだ。
  然し、家系ラーメンの難点は、細かな味の違いは有るが、大まかに言えば味は何処も似ている点。
  裏を返せば、何処に入っても、大きな外れも無く醤油豚骨ラーメンが頂けるので良い。
  店に着くと、店内は先客二名のみで閑散としており、直ぐに有り付けそうだ。
  先ずは券売機で食券を購入し、「らーめん(並)」と、変り種で「チーズ」の釦をポチッとな。
  席に腰掛ける前に食券を手渡すと、受け取る前から「ラーメンの御好みは?」と訊かれる。
  僕の上を行く性急な性格の店員だ…。
  「麺固めで」と御願いし、更に、サーヴィスで普通の御飯か、半分の量の御飯が付くと言うので、
  半分の量で御願いし、後は只管、冷水で身体の冷却作業を実施するのみ。
  其れにしても、暑い…。
  麺固めで発注した所為か、麺の茹で上がりも早いので、三~四分で出来上がる。
  茶色く濁ったプースー、具には海苔と菠薐草が入り、王道の家系ラーメンに安心する。
  蓮華を手に取り、先ずは茶濁したプースーを啜ると、如何してこんなにも、
  家系ラーメンの一口目のプースーは旨いのだろうと思ってしまう程に染み入る様で美味しい。
  然し、後半は飽きてしまうのも、家系ラーメンの難点…。
  コッテリと濃厚だが、円やかさが感じられ、醤油ダレが立った感じも味わえる。
  鶏油が加えられているのか、コクが有り、胃袋全体を油膜が覆う感じが良い。
  又、チーズが徐々に溶け出し、其のコクや円やかさも効いている。
  固めで御願いした麺は、家系ラーメン店御用達の「酒井製麺」の物。
  中太の麺は、モチッとした感じが有り、ツルツルっと啜れる喉越しも良いが、今一、印象が薄い。
  麺の長さが短い様にも感じられる。
  物足りなさを補完する意味でも、チーズを絡め、味を濃くして食べ進める。
  其れにしても、家系ラーメン店の割りには卓上に調味料が胡椒と卸大蒜しか備えが無く、
  酢と豆板醤は配置しておいて欲しい所…。
  叉焼は可も無く不可も無く、菠薐草は箸休めの様な趣きでさっぱりとし、
  プースーをたっぷり吸った海苔は、御飯のおかずとして成り立つ。
  麺の量が「並」の所為も有り、あっと言う間の呆気無い食事で、充足感は余り得られない。
  然し、此の歳に成ると、此れ位の量が丁度良いのかも知れないな。
  今迄の僕が食べ過ぎなのだよ…。