続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「沖縄ふるさと伝統料理 やんばる」【新宿】

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◆「沖縄ふるさと伝統料理 やんばる」【新宿】

 ◎「ラフティ丼セット」九三〇円

 …否、僕はきっと低血圧に違いない。
  高血圧と言うのは世を忍ぶ仮の姿で、本来は低血圧なのだ。
  そうでなければ、毎朝、起床するのがあんなに辛い訳が無い…。
  夜中に一、二度起きると言う理由は有るにせよ、起き抜けの断末魔の苦しみったら無い。
  何時もより十五分程早く起床し、怠い身体を奮い立たせ、仕事へと出掛ける。
  何時もの電車より時間帯が早い所為も有り、混雑が激しい。
  人熱れでむんむんとした車内は窮屈で、人混みに揉まれるだけで疲労が募る…。
  えっちらおっちら、やっとの思いで新宿に到着し、其の儘、雪崩れ込む様に肉体労働に突入。
  一昨日、軽く首を寝違えたのに続き、シーコーもズイマーな様相だ。
  こう言う時の重労働は身体に心底堪え、疲労度も半端ではない。
  十三時を廻り、昼休憩を挟む事と成り、同僚の方々四人で、眠らない街・新宿を彷徨う。
  独りならば「らあめん 満来」で「チャーシューざる」と相場が決まっているが、
  流石にそう言う訳には行かないので、無難な所で、沖縄料理の此方を提案し、受け容れられる。
  個人的には、一月二十三日に「沖縄そば やんばる」に初めて御邪魔した程度だが、
  今回は、其の「沖縄そば やんばる」の隣りに在る、沖縄料理店の方に初潜入。
  屋号も同じだが、出入口は別々で、然し、厨房は「沖縄そば やんばる」の方に有り、
  注文の品が出来上がると、秘密の抜け穴か何かで送られて来る仕組みの様だ。
  さて、店内は其れなりに賑わっており、何とか、一番奥の四人掛けの席に通される。
  早速、メニューを眺めると、随分と見慣れない料理ばかりで戸惑ってしまう。
  何せ、沖縄には一度も行った事が無く、電車が開通したら行こうと考えている…。
  苦瓜だの、糸瓜だの、パパイアだの、麩だの、野菜嫌いからしたら、とても旨そうとは思えない。
  食指もピクリとも反応しないので、「ラフティ丼セット」しか無かろう。
  単品も有るが、沖縄蕎麦も付いた定食が良かろうと、三十六歳の肥満児は其れを発注。
  夏日なので、汗を拭いつつ冷水を呷り、疲労に項垂れて待っていると、
  隣りの店舗の厨房から、出来上がった御飯の丼と、蕎麦の丼の二つが運ばれて来る。
  先ずは冷めない内に、沖縄蕎麦から取り掛かる。
  前回、生まれて初めて沖縄蕎麦と言う物を頂いたが、其の評価は微妙だった。
  塩気が強く、出汁の効いた関西圏の饂飩の様な味わいに、想像していた物とは違ったので意外だった。
  さっぱりとしているのは良いのだが、今一、パンチに欠ける印象を受けるのは僕だけだろうか。
  どうせ、僕は馬鹿舌で、貧乏舌だからな…。
  麺はプリッとして、適度な腰と弾力が有って、「どん兵衛」、「赤いきつね」の様な麺。
  具は他に蒲鉾、浅葱のみで、至って簡素。
  途中、卓上の紅生姜を投入し、味を変えて啜り続ける。
  お次は、期待の「ラフティ丼」に取り掛かろうではないか。
  大きな豚の角煮二つと、昆布の煮物が盛り付けられており、矢張り、肉は落ち着く…。
  がぶりと、茶色い塊に喰らい付けば、赤身の部位で、やや固く、パサパサした所に当たってしまう。
  肉の繊維が、歯の隙間と言う隙間に全て挟まり込むかの様な感じが気持ち悪い。
  此れは塊の端っこなので仕方が無いが、他の部分はちゃんと柔らか味が有る。
  赤身と脂身が、丸で、関東ローム層の様に成っており、赤身はホロッと解れる柔らかさ、
  脂身はプルンとして、トロッと蕩け、脂の甘味が堪能出来る。
  然し、普通、此れだけの脂身を喰らえば、胸焼けしてしまいそうだが、
  味付けが甘さ控え目で、醤油が立っているので、寧ろ、さっぱりとしている。
  御飯を掻っ込み、沖縄蕎麦のルーシーを啜って流し込む。
  又少し、七福神の中に居そうな迄に腹を出っ張らせ、午後の業務に望む。