続・ROCK‘N’ROLL退屈男

続・ROCK‘N’ROLL退屈男 B面⇒https://twitter.com/RandR_taikutsu

「えぼし麺 菜良」【茅ヶ崎】

イメージ 1


 ◎「あえそば」七五〇円+「キムチ」五〇円+「チーズ」五〇円

 …春と言う季節は、子供の頃は好きだった。
  梅が咲き、小川の水も温み、鶯が啼き、陽気も温暖で、心地好さが有った。
  然し、花粉症を患い始めて一〇年以上経った今では、憂鬱以外の何物でもない。
  昨晩は帰宅後、仕事が終わらず、午前零時を跨いでパーソナルなコンピューターと格闘。
  漸く、午前零時半過ぎに寝床に潜り込めば、一時間して目が覚めるのが日課
  再び寝入ると、下から突き上げる様な揺れで叩き起こされる。
  今度は、自然の力に因って安眠を妨害されるとは。
  もう、熟睡は諦めたよ、小父さんは…。
  寝床に入っても緊張状態から解放されていないのか、寝て疲労が抜ける気がしない。
  朝方は隣りの部屋の男の元に、足繁く週の半分も通っている女の軽自動車のエンジン音で起こされ、
  苛苛が募り、目が覚める度に疲労感で一杯で、新しい朝を迎える。
  ぐったり感満載で、今日も仕事へとえっちらおっちら出掛ける。
  今日は南国・茅ヶ崎へ。
  職業野球の合宿を張っても良いのではなかろうか…。
  個人的には、夏が訪れたと認識しているので、汗を滲ませて仕事に没頭する。
  十三時過ぎに切りも良くなり、やや風の強い中、茅ヶ崎の街を彷徨う。
  茅ヶ崎と言えば、すっかり御馴染みの此方。
  茅ヶ崎で「二郎」系が頂けるので、此れは外せない。
  店に着けば、何てこったい、先客一名が店頭でぼんやりしている。
  此処最近、待つ事も無く入店出来ていただけに残念だ。
  直ぐに先客が中に入り、其れと同時に店員が注文を先に訊きに来る。
  此の所、ずっと「あえそば」を頂いており、今回は「チーズ」と「キムチ」を乗せてみる。
  そして、無料トッピングは、野菜、大蒜、脂、タレの「全増し」で確りと御願いする。
  数分後に席が空き、店内に入り、冷水を呷って花粉を洗い流す。
  其れから五分強で、二月一日以来、三十六日振りの対面を果たす。
  すると、随分と野菜の盛りが控え目だなと感じ、昨今の野菜価格高騰の煽りで少ないのかと、
  自分なりに解釈し、気を取り直し、割り箸を取り、ぐちゃぐちゃに攪拌してから食べ始める。
  チーズは成る可く、麺の中の方に埋め、其の熱で蕩けさせる様に試みる。
  生玉子を掻き混ぜ、ざっと、全体的に粗く混ぜ、先ずは野菜から喰らい付く。
  茹で加減はシャキシャキとクタクタの丁度良い歯触りで、何時も乍ら、好きな食感だ。
  其れにしても、色々な味が次から次へと押し寄せ、正直、何が何だか分からないが旨い。
  醤油ダレの甘辛さを基本とし、黒胡椒の爽やかなピリッとした辛味、一味唐辛子の刺激的な辛味、
  揚げ大蒜のカリッと香ばしい味わい、生玉子のドゥルッとした滑らかな甘味、
  粉チーズと、トッピングのチーズの円やかなコク、其れ等が渾然一体と成って襲って来る。
  此処で、ん!?と気付き、そう、刻み大蒜が入っていない。
  出たよ!僕御馴染みの大蒜の入れ忘れられ…。
  今回に関しては、野菜も、脂も、タレも恐らくは入っておらず、此方では過去に二、三回有った。
  こう成ると、本来はもっと旨い物が、一気に旨さが殺がれた様な気がして成らない。
  道理で味も薄く、今一、パンチに欠ける嫌いが有る。
  僕の人生、如何してこう言う憂き目に遭い勝ちなのだろうか。
  入れ忘れられたからと言って、其れを催促する勇気も厚かましさも持ち合わせていない。
  仕方無く、其の儘、大人しく食べ進めよう。
  麺を引っ張り上げると、内蒙古産のかん水を使用した極太自家製麺で、
  茹で時間に五、六分要すると謳っているが、以前の様なボソボソ、モソモソした感じが無い。
  表面はざらつきが無く、寧ろ、ツルツルした印象で、茹で時間も長いのか、柔らか目だ。
  不揃いな感じで、其の口当たりが面白く、腰が効いていて、弾力が強い所が好きだったので、
  今回は、大蒜の入れ忘れられも含め、全てに於いて残念な心持ち。
  キムチとチーズの組み合わせや、豚の味付け等、相変わらずに旨いのは間違い無いが、
  二月一日から五〇円値上げがされた事も鑑みると、こう言った入れ忘れの過失に遭遇すると痛い…。