続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「雅商會」【北国分】

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◆「雅商會」【北国分

 ◎「ラーメン」七〇〇円

 …毎朝の寝起きの悪さに関しては、毎度の事なので良い。
  其れにしても、何なんだ、此の騒ぎ様は。
  欽ちゃんバンドだか、金環日食だか知らないが、そんなに騒ぐ事か?
  何の断りも無く、太陽と地球と月が相談したか何かで重なっただけの話だろうに。
  そんな、朝の七時過ぎなんて、こちとら仕事と言う名の戦場に行かねば成らんのだよ。
  浮かれ気分で、グラサン掛ける暇は無い。
  電車の車窓から外を見れば、大勢の人間が、口を開けて馬鹿面提げて、同じ方向を見上げている。
  おい、糞餓鬼!とっとと学校に行けよ!
  おい、不良主婦!とっとと洗濯でもしろよ!
  朝から暇な人間が居るものだ。
  僕は、世間様がこうして寄って集って囃し立てたり、流行らそうとする事が、反吐が出る程、大嫌いだ!
  たー君、ワイルドだから、電車の中でも太陽に背を向けてやったぜぇ、ワイルドだろぉ~。
  「御前が一番、流行に流されているだろ!」と言う突っ込みは受け付けない事とする…。
  日陰が好きな僕は、太陽に目も呉れず、痛む腰を庇い乍ら、昨日に続いて松戸へ。
  選りに選って、こんな日に限って、大の汗っかきの癖にタオルを忘れると言う大失態。
  其れも此れも、朝から日食だと騒いでいる所為での迸りだ…。
  途中で薄っぺらい木綿のハンカチーフを購入し、朝一から肉体労働に従事するも、
  止め処無く噴き出し続ける汗を拭うには、こんなハンカチーフじゃ水分を吸いやしない。
  其れにしても、腰痛が悪化し、絶望的な痛みに変わり、思う様に身体が動かない…。
  十三時に成り、昼休憩の時間と相成り、愉しい栄養補給の時間のタイムだ。
  予め、文明の利器、携帯電話でラーメン店を検索していた。
  個人的に余り好きではない「茨城大勝軒」系の「山勝角ふじ」の支店と言う。
  「角ふじ」系列は、其の昔、茨城県を担当していた時分、つくばの「明神角ふじ」、
  龍ヶ崎の「勝神角ふじ」は何度と無く訪店し、「二郎」系を堪能したものだ。
  汗を滲ませて出掛け、店に入れば空席も有り、事無きを得る。
  先ずは券売機に向かうが、事前の情報では、昼の部は魚介系豚骨、夜の部は「二郎」系との事。
  即ち、昼間は「二郎」系には有り付けない筈だが、券売機を見ると様子が変だ。
  昼の部のメニューの釦は押せない様に成っており、夜の部のメニュー釦のみが点灯している。
  一か八か、夜の部の「ラーメン」の釦を押し、食券を購入し、店員に手渡してみる。
  すると、「大蒜入れて大丈夫ですか?」と訊かれ、心の中で万歳三唱。
  何でも、毎週月曜日は「バカ豚」と称し、終日、夜の部のメニューが提供される様だ。
  席に着き、冷水を只管に呷り、出来上がりをジッと、腰の痛みと闘い乍ら待つ。
  一〇分強で、数年振りの「角ふじ」系の似非「ラーメン 二郎」と対面を果たす。
  丼は小さ目だが、こんもりと高く聳えた野菜の山が、今にも崩れそうな反面、心強い。
  野菜の山の上には、刻み玉葱と、大蒜の醤油漬けを刻んだ物がこんもりと盛られている。
  山が崩れない様に、プースーに刻み玉葱と、大蒜を溶かしつつ、先ずは其れを啜る。
  甘辛い醤油の味わいと、たっぷりの背脂の甘味と、玉葱の辛味、大蒜の刺激が渾然一体と成っている。
  やや甘味が強い感じだが、此の手の暴力的なラーメンは主食と言っても良い程に好きだ。
  野菜の茹で加減は、同じ「茨城大勝軒」系列の「ラーメン 無限大」と同様に好みだ。
  シャキシャキでもなく、クタクタでもなく、丁度、其の中間の歯触りが良い。
  野菜の盛りが良いので、食べ出も十分に有る。
  麺は極太と迄は行かないが、結構な太さの麺で、恐らくは「カネジン食品」の物か。
  厨房内の白板に「カネジン」の文字が見えただけなので、飽く迄も推測だが…。
  緩やかな縮れが効いており、啜るとブルルンと音がしそうで、モチモチ感が有る。
  大蒜だが、普通の刻み大蒜よりも醤油漬けの方が勿論、味が有るので旨い。
  労働で噴き出た汗で失われた塩分も補給出来るので助かる。
  すっかり綺麗に平らげ、プースーも粗方飲み干し、何だかんだ言って満喫してみる。