続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「東池袋大勝軒 本店」【東池袋】

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 ◎「もり生玉子」七五〇円

 …寝しなは随分と暑くて、寝付きは悪いが、明け方は比較的涼しいので、
  一時期よりは、随分と安眠出来る様に成って来たかしら。
  腰の痛みは相変わらずで、尻にも痛みが有るので、屈む事は困難を極める。
  何か落し物をした時なんぞ、身体を折って拾うなんて行為は到底無理で、
  膝を曲げて屈み込まないと、シーコーとツーケーに激痛が走るから、リンダじゃなくても困っちゃう…。
  そんなに困っていても仕方が無いので、今日も今日とて仕事に行こう。
  満身創痍の老体に鞭打って、蝋燭を垂らしたり、三角木馬に乗ったりはしないが、
  えっちらおっちら、やっとこさっとこ、池袋へと辿り着く。
  椅子に座りっ放しで、非常にシーコーズイマーな中、何度も座り直したり、
  体勢を変え乍ら、有りと有らゆる事が儘成らないが、残務を熟す。
  十二時半を廻り、誰も昼御飯に誘って呉れない村八分なので、独りで食事に出る。
  幾らか涼しい陽気に成ったので、今日は少し歩いてみようと思い立つ。
  池袋に頻繁に通い乍ら、一度も訪れた事の無い店へ。
  そう、「東池袋大勝軒 本店」だ。
  此れ迄、数知れない程の「東池袋大勝軒」系の店で頂いて来たが、本家で味わうのは初めてだ。
  そうさ、僕ぁ、「東池袋大勝軒 本店」童貞さ…。
  そんなDT野郎が、首都高速道路の高架下を縫う様に、東池袋迄歩く。
  二〇〇七年三月二〇日に、再開発計画に依って閉店し、“総帥”山岸一雄氏も引退したが、
  翌年一月五日に、今の場所に、「南池袋大勝軒」の店主を迎え、開店したと言う。
  前の店舗は“総帥”が居たとあって、行列が絶えなかった様だが、
  今では如何だろうかと半信半疑で出掛けると、高架下の店舗には行列は見られない。
  そそくさと、店頭の券売機で食券を購入し、「もり生玉子」の釦を押して入店。
  待たずに席に通され、カウンター席の合間に挟まり、食券を手渡し、出来上がりを待つ。
  冷水を呷り、壁に掲げられた創業当時の白黒写真等を眺めていると、一〇分強で遣って来る。
  茶濁したつけ汁は九分目迄注がれており、甘酸っぱさが今にも薫って来そうだ。
  麺を手繰り、サラッサラのつけ汁にどっぷりと浸して啜れば、おおっ、勝手知ったるあの味わい。
  甘酸っぱさが、行き成りガツンと押し寄せる。
  此方の弟子筋の店で、此方の系列の味わいを、嫌と言う程に知ったが、本家も一緒だ。
  裏を返せば、確りと忠実に、此方で修行した店は提供していると言う事だろう。
  げんこつ、豚足、鶏ガラを基本に、挽き肉や魚の風味を加えていると言い、
  強烈な甘酸っぱさを除けば、日本人の口に合う、万人受けする味わいだろう。
  麺は中太と言った感じで、表面はツルツルで、腰や弾力と言った類の食感は希薄に感じられる。
  此方の系列は往々にしてそうなのだが…。
  つけ汁の甘酸っぱさも有り、ツルツルと食べ易く作られているのだろう。
  具は叉焼、麺麻、海苔、鳴門、生玉子。
  叉焼は二種類入り、一枚は脂身も適度に有るジューシーな物で、此方の系列には珍しい。
  更にもう一つは、肉塊に近い、端っ子の様な部位で、地味に嬉しい。
  粘度の一切無いつけ汁を時折啜り乍ら麺を食べ進め、〆は生玉子を頬張り、つけ汁を啜り、
  口内で黄身を割り、其れ等を混ぜ合わせ、黄身のコクと甘酸っぱさを攪拌させて味わう。
  確りと、つけ汁を飲み干し、酢を摂取し、少しでも身体を柔らかくし、腰を気遣ってみる…。