続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「えぼし麺 菜良」【茅ヶ崎】

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 ◎「あえそば」七五〇円

 …毎夜毎夜、牛蛙の鳴き声と暑さに悩まされ、碌に眠れていない。
  暑いので水分を摂る所為で、昨晩は寝ている間に三度も雪隠に起きる。
  こんな調子じゃ、熟睡とは程遠く、疲れを取るなんて夢の又夢だ…。
  朝、目覚ましに叩き起こされた時の疲労感が半端では無い。
  凡そ、起き上がるなんて不可能な程に疲弊し、魂も抜け出てしまっている。
  二〇分掛けて何とか人間らしさを取り戻し、鉛の様に重たい身体を擡げて起き上がる。
  今日も今日とて、満員電車に揺られ、颯爽とは真逆の状態で仕事へ出掛ける。
  池袋へやっとの思いで辿り着き、仕事に雪崩れ込む。
  一〇時過ぎには仕事を切り上げ、茅ヶ崎へと移動を開始する。
  湘南新宿ラインに飛び乗り、南国へと向かう。
  海沿いは風が強く、熱風が容赦無く吹き付けて来る。
  十二時半と到着が遅くなるも、すべき仕事は山積しており、汗をかきつつ片付ける。
  そうは言っても腹は減るので、十三時過ぎに昼休憩を挟む事にする。
  前回は「大麦食堂 茅ヶ崎 DEИ」、「餃子酒場 カノウ」と二日連続で訪れたが、
  今回は独りなので、何時も通りの此方を訪れる。
  店は先客二名のみで、安心して半地下の店内に入る。
  入った途端、明らかに暑い!
  此方は年間を通じて絶えず暑いが、既に夏にも拘わらず、冷房が点いていないなんて有り得ない。
  冷水とは言い難い水を注いで着席すれば、直ぐに注文訊きが遣って来る。
  例によって、「あえそば」を全増しで御願いする。
  温い水を呷っても、身体が冷却される事は無い…。
  一〇分程で「あえそば」が運ばれて来て、此れをざっくりと生玉子を割る様にして混ぜ合わせる。
  入念に混ぜ合わせず、夫々の味が融合し過ぎない状態で食べ始め、徐々に撹拌するのが好きだ。
  野菜から頬張れば、シャキシャキとクタクタの中間の茹で加減で、善く善く考えてみると、
  頻繁に通ったり、高評価を与えている「二郎」系は、大概、野菜の茹で加減が宜しい。
  其の野菜には、ドロッとした生玉子の滑らかさと円やかさ、黒胡椒の爽やかな辛味、
  揚げ大蒜の香ばしさ、刻み大蒜の強烈な刺激、一味唐辛子のピリッとした辛味、
  醤油ダレの甘辛さ、そして、濃厚、濃密な動物系スープのコッテリ感とチーズのコクが絡み付く。
  有りと有らゆる、複雑な味が混ざり合い、絶妙な味わいを醸し出している。
  麺は内蒙古産のかん水を使用した極太自家製麺で、茹で時間に五、六分要すると謳っているが、
  太い割りには出来上がりも早く、モッチリ、モチモチとした食感が、水団にも通ずるかも知れない。
  刻み叉焼は予めプースーに埋め込むようにしたので、軟らかさを取り戻し、中々に旨い。
  端肉の様な部位なので、普段は硬く、パサパサした感じだが、今日のは良い。
  然し、其れにしても暑い!
  二、三口食べたら水を飲み、汗を拭い、ハンカチーフを団扇の様にして風を送り、
  「暑いっ!」と小さく声に出さざるを得ない有り様で、如何考えても、
  美味しく食事が出来る環境に無く、客のこんな訴えを見ているのか、見ていないのか知らないが、
  一向に冷房を点ける素振りは無く、劣悪な環境極まりない。
  況してや、火の点いた厨房内はもっと暑い筈なのに、訳が分からない。
  東京電力と癒着でもしているのか!?
  僕は決めた。
  少なくとも暑い間は此方には伺わない。
  ストレス解消も兼ねて、此方の旨い腕白で暴力的な「あえそば」を食べに来ているのに、
  食べ乍らこんなに苦痛を受けたら、ストレス解消も行って来いに成ってしまう。
  否、寧ろ、ストレスの方が上回るな…。
  残念だが、デヴで高血圧患者の暑がりには優しくない店と言う事だ。