続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「Public House REDE」【日進】


 …昨日、何の断りも無く梅雨入りしたとな。
  電報の一つも呉れれば良いものを、こちとら何の準備も出来ていない…。
  取り立てて準備をする事も無いのだが、ジメッとした重苦しい空気が肌に纏わり付き、
  疲労感を増幅させ、心身共にぐったりとしてしまい勝ちだ。
  大井町の仕事も順調に十八時に終えられ、えっちらおっちら、重たい鞄を背負って帰る。
  残り一日を何とか乗り切る為、もっこり木曜日、御酒を聞こし召して帰ろう。
  四月二十六日に新規開店した、健全な意味での「パブ」がずっと気に成っていた。
  日進と言う、大都会・大宮から一駅隣りの地味な街には、飲食店が少なく、
  出来たとしても長続きせず、根付かずに閉店ガラガラと言う土地柄だが、
  酒好きとしては選択肢が増えると言う事は大歓迎で、いざ、初潜入を試みる。
  真っ赤な店構えが目立ち、こんな、松の木におじやをぶつけた様な不細工軍曹には不似合いだな…。

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 ◎「ギネスビール(L)」九〇〇円
 …「健全な」パブには滅多に行かないので分からないが、御酒、料理共に前金制。
  此方の売りでもある「ギネスビール」を先ずは頂いてみよう。
  正直、味音痴と言うか、麦酒の銘柄の味の違いも分からない、と言うより、気にしないので、
  そんな人間が呑んでは罰が当たるかも知れないが、一日の労を労っても良かろう。
  恐らく、初めて呑むに近い「ギネスビール」はロイクーだ。
  冷たく冷え、肌理が細かく、口の中にスッと染み渡る感じだ。
  味は呑み慣れない所為か、馬鹿舌なのか、詳しい事は分からないが、高級なのだろうな。
  普段、家で呑んでいる雑酒とは格が違うな…。

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 ◎「REDEピザ」一四〇〇円
 …腹も減ったので、食事も頂こう。
  貧乏なので感覚が分からないが、御値段も宜しい。
  然し、折角こうして勇気を出して伺ったので、好きな物を頂きたい。
  屋号を冠したザーピーが気に成り、伊太利亜料理店並みの価格なので期待をしてみる。
  此れも勿論、会計処で前払いを済ませる。
  店内のテレヴィヂョンで放映されている蹴球をぼんやり眺めていると、ザーピー登場。
  大きさは無いが、濃厚そうなズーチーが魅惑的。
  一切れを持ち上げれば、ビローンと糸を引き、「ねるねるねるね」の様に伸びる。
  ズーチーは目利き通りに濃厚で、かと言って諄さは無く、簡素な中に旨さが有る。
  熱熱のザーピーも良いが、冷めたのも好きで、酒をちびちび飲るには良かったりする。

 ◎「キリン一番搾り」六五〇円
 …「ギネスビール」ばかりを呑み続けていたら破産してしまうので、馴染み深いルービーに変更。
  酒好きの方は善く、「一番搾り」は好きではないと言う方を多く居るが、
  こちとら、酒に金は掛けないと言う主義で、味に関しても、酔えれば良いので何でも良い。
  尤も、こんな馬鹿舌に呑まれては、酒の方が可哀想だわね…。
  勝手知ったる味なので、据わりも良く、落ち着いて、安心して喉を通る。

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 ◎「スモークサーモンとクリームチーズの生春巻き」六八〇円
 …ザーピーだけでは何なので、もう一品、御手頃な物を頂いてみよう。
  鮭と滑らかなズーチーを使用した生の春巻きが有るとな。
  普段、此の手の民族料理を頂かないので縁遠いが、偶には良かろう。
  生春巻きは越南料理らしい。
  モッチリとした薄皮に、鮭、ズーチー、葉っぱ、胡瓜、赤茄子が巻かれている。
  葉っぱ以外は好きな食材なので、至って美味しく頂ける。
  テレレは二種類添えられており、赤い辛そうな物は避け、胡麻ドレッシング風の物で頂く。

 此の後、「一番搾り」をもう一杯頂き、二十一時過ぎに御暇する。
 酒を呑める選択肢が増え、非常に有り難く、末永く日進の街に根付いて呉れる事を切に願う。