続・ROCK‘N’ROLL退屈男

続・ROCK‘N’ROLL退屈男 B面⇒https://twitter.com/RandR_taikutsu

「ジャンクガレッジ」【東大宮】

イメージ 1


 ◎「ラーメン(中)」七〇〇円+「豚増し」二〇〇円

 …漸く、待望の休日を迎える。
  新しい部署に異動に成り、休みが平日に変わり、毎週水曜日、木曜日が固定に成るも、
  先週水曜日は旧部署の最終日で、木曜日は新部署の初日の為、休日は金曜日を宛がわれたのみ。
  やっと迎える連休で、一先ず、気分転換を図りたい。
  昨晩は二十二時に仕事を終え、帰宅したのが二十三時。
  もう、一日の最後の御愉しみの「報道ステーション」の天気予報も観る事が出来なくなり、
  青山愛アナウンサーとも御無沙汰で、今一、生きる気力が湧かない。
  毎日の愉しみが一つ減り、其れも憂鬱の原因かも知れない…。
  遅い晩御飯を済ませ、長椅子にゴロンと横に成ったが最後。
  ちゃんと風呂にも入るつもり居たのに、如何も、身体が言う事を聞かずに寝入ってしまう。
  肉体的疲労は、前部署の時の方が格段にきつく、身体は毎日ぐったりしていたが、
  今はどちらかと言うと精神的な疲労の方が大きい。
  慣れない仕事と、人から教わらないと動けない事が多いので、気苦労が尋常ではない。
  其の儘、気絶する様に寝入り、気付けば朝の六時に迫ろうとしている。
  コンタクトレンズだけは外し、改めて寝床でちゃんと眠る。
  寝たり起きたりを繰り返し、折角の休日だと言うのに、時刻は十一時。
  寝床から這い出し、風呂に入り、全うな人間らしさを取り戻す。
  嗚呼、もっと図太く、図々し学校卒業生なら、こんなに疲弊はしないのだろうな…。
  其れはさて置き、平日休みに成ったからには、もう開き直って満喫するしかないわね。
  こう成れば、普段は行列を気に病んで、訪れる事を躊躇ってしまう此方に行こう。
  更には、今迄は仕事中でも余り気にせずに此の手のラーメンを食べていたが、
  現部署では其れが難しく、連休初日でないと大蒜を摂取し辛いので、出掛けるなら今日しか無い。
  店に着いたのは十二時半で、行列も無く、空席も有る。
  良しとばかりに駐車場に進入すれば、「前向き駐車」にも拘わらず、八台中七台が後ろ向き駐車。
  あのさぁ、店の規則は守ろうよ。
  規則は守らない、旨い物は喰いたいじゃ、身勝手過ぎやしないかい。
  昔の様に店も注意をしなくなったのも一因だが、規則を守らない人間を、僕は敢えて下に見る。
  極めて後ろ向きな人間だが、確りと、ちゃんと前向き駐車し、店内に入り、食券を購入する。
  今年に入ってからは二度、「北浦和店」を訪れているが、本店は昨年末の十二月三〇日以来だ。
  懐かしさを覚えつつ、何時も通り、「ラーメン(中)」と「豚増し」の釦を押っぺす。
  食券を手渡し、冷水を汲み、促されたカウンター席に着席する。
  久し振りに御邪魔すると、厨房内の店員の顔触れも変わっている。
  今や、拡大路線、チェーン化を目指しているかの如く、本店を含めて八店も在るので、
  店員の異動や入れ替わりも多いのだろうな。
  程無くして無料トッピングを訊かれ、大蒜入れ忘れの無い事を祈り、確りと「全増しで」と告げる。
  着席から一〇分強で、こんもりと盛られたラーメンを、銀の盆と一緒に受け取る。
  思わず、心の中で「ワオッ!」と叫んでしまいそうだ…。
  正に、此方でしか頂く事の出来ない、比類無きラーメンだ。
  蓮華がカウンター上に常備される様に成った様で、其れを手に取り、プースーを啜る。
  豚骨、背脂、各種野菜を時間を掛けて入念に煮込んだと言うプースーは茶褐色をしている。
  一口啜れば、じわーっと胃袋から、四肢の末節に迄、隅々に行き渡る様な染み入る味わい。
  然し、以前の様な感動は余り受けないのは何故だろうか。
  何処と無く、以前のプースーよりもサラッとしていると言う、濃厚、濃密な感じが無いと言うか、
  身体に悪そうな成分が凝縮されている様な感じがせず、比較的あっさり目か。
  鼻っ柱をガツンと殴られ、脳味噌が揺れる様な衝撃は残念乍ら持てない。
  其れでも、十分に旨い事だけは間違い無いが。
  さて、野菜には卓上の醤油ダレをドレッシング感覚で浴びせ掛ける。
  茹で加減に関しては一目置いているので全く問題無く、シャキシャキとクタクタの中間で、
  プースーが適度に染み込んで、野菜の食感も損なっていない感じが絶妙だ。
  麺は、「ニッセーデリカ」製の物に変わってから、もう随分と経とう。
  個人的には「浅草開化楼」の極太麺の方が断然好みだが、慣れてしまえば悪くない。
  ややツルツルした口当たりに未だに違和感を感じるが、一心不乱に喰らい付けば問題無い。
  縮れは緩く、強靭と言う程の腰は無い迄も、モチッと言う歯応えは素敵だ。
  大蒜も結構な量が投入されており、入れ忘れられなかっただけ有り難い。
  部署が替わってから、大蒜から遠ざかっているので、此の刺激が何とも堪らない。
  胃腸に直に伝わりそうで、戦慄いてしまいそうだ…。
  降り注がれた脂も、コロコロとして甘味が感じられて旨い。
  そして、忘れてならないのが豚だ。
  「小豚増し」が、枚数変わらずに「豚増し」に成って五〇円値上げされてから久しい。
  見た目からして、以前の様な、口入れた途端に平伏してしまいそうな出来ではないと分かる。
  勿論、齧ればホロっと解れ、トロっと蕩けるのだが、グッと来る物が無い。
  豚肉の繊維が毛羽立って、ふさふさとしている様な、ずっと噛み締めて居たい様な、
  筆舌に尽くし難い、最高の豚を知っているだけに、残念さは否めない。
  其れでも、十分に旨い事だけは間違い無いが。
  風呂上がりの様な状態で、汗だくで完食し、卓上を綺麗にして店を出れば、風が心地好く感じられる。
  嗚呼、こう言う平日なら悪くないな…。