平日の休みと言えども、過ぎ去るのはあっと言う間だ。
中高生の頃、家で祖父母が「いい旅夢気分」を観ていて、何処が面白いのか理解出来なかったが、
今と成っては、水曜日の二〇時と来れば、「いい旅夢気分」以外に観たい物は無い…。
其れは兎も角、平日の休みと言うのは、結構、暇だ。
誰かが構って呉れる訳でもなく、独りぼっちで淡々と時間だけが過ぎて行く。
何だか、世の中から取り残され、孤立したかの様な気にさえ成る。
まあ、周りの友人や元同僚は、一生懸命に労働している最中だしな…。
こうして、周囲からも忘れ去られて行くのだなと、此れは切実な叫びだ。
だって、休みが合わなければ誘われもしないし、誘っても無駄だと思われ、村八分に成るのが当然だ。
世の中って、想像以上に残酷なものだ…。
さて、そんな暇な状態なので、何を血迷ったか、晩御飯を自炊してみる。
如何に暇で、世間から疎外されているかが御分り頂けるであろう…。
何と無く思い付いたのが、泰王国料理の「ガパオ御飯」。
過去、泰王国料理の食事処で、一、二回しか頂いた事は無いが、何だか知らないが思い付いた。
白米に、挽き肉を炒めた物をぶっ掛け、目玉焼きを乗せりゃ出来るだろうと言う安直な考えからだ。
彼是と、パーソナルなコンピューターで作り方を検索し、買い物に出掛け、調理を開始する。
玉葱を粗微塵切りにし、赤ピーマンも適当な大きさに刻む。
テレレを作るのだが、牡蠣油を大匙一杯、魚醤を大匙一杯、醤油を大匙一杯、酒を大匙一杯、
味醂を大匙一杯、鶏ガラスープの素を小匙一杯、酢を適量、此れ等を混ぜ合わせる。
フライパンに胡麻油を垂らし、刻み大蒜と唐辛子を投入し、弱火で香りを立たせる。
其処に玉葱と赤ピーマンを入れ、しんなりする迄、じっくりと炒める。
其の後、鶏の挽き肉を入れ、解し乍ら炒め合わせ、件のテレレを投入して味付け。
程好い所で、御近所さんから頂いた合法ハーブを加え、馴染んだら火を止め、
今度は半熟の目玉焼きを拵える。
器に白米を装い、挽き肉の炒め物をぶっ掛け、脇に目玉焼きを添えれば完成。
味はと言うと、結構、確りとした味付けで、夏場の高血圧患者には良いかも知れないな。
思ったより、真面な物が出来た様に思う。
先週、実家に寄った折、父親に購入して貰った、本物の麦酒を開け、暑気払いとばかりに一杯。
冷房を点けていないので暑い、暑い!
嗚呼、水風呂に入って、引っ繰り返りたい…。