続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「ラーメンの店 どでん」【北浦和】

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 ◎「ラーメン」七〇〇円

 …漸く、待望の休日を迎える。
  水曜日、木曜日の休みに成ってから、今週で未だ二週間目だ。
  未だ何だか実感が湧かないと言うか、調子が出ないと言うか、ピンと来ない所は有る。
  土日休みへの憧憬は根強く残っている…。
  昨晩は午前零時過ぎに帰宅し、食事をし、長椅子に少し横に成り、長居をする前に、
  コンタクトレンズを外し、寝床へと移動するが、とてもじゃないが、暑くて寝られない。
  扇風機で何とか応戦して、疲労も相俟って、何とか寝付く事が出来る。
  今朝は九時半過ぎに起床し、汗でヴェトヴェトの身体を風呂で洗い流し、小ざっぱりする。
  こうも暑いんじゃ、ローフーは温めのワーシャーが良いね。
  風呂上がりは半裸で過ごし、熱が引くのを待つが、其れに追い討ちをかける様に気温が上昇している。
  此りゃ、水風呂に入って、麦酒飲んで、岩塩でも齧らないと熱中症を患ってしまいそうだ。
  然りとて、そんな優雅な暮らしも出来ないので、昼前に身支度を整えて外出する。
  偶さか、北浦和方面に用事が出来、灼熱の中を自動車を走らせる。
  世間様は此の暑さの中を労働しているかと思うと、平日休みの優越感に浸れる気がする。
  まあ、土日は此方が齷齪と労働するのだが…。
  用事を済ませ、時刻は正午を過ぎ、昼御飯の時間のタイムだ。
  先週は「ジャンクガレッジ」に行くも、以前程の感動は得られなかったが、其れでも旨い。
  二週連続で再訪しようかと思うも、折角、北浦和近辺迄来たのだから勿体無い。
  其の昔、数年に亘って毎週欠かさず通った「ラーメン富士丸 北浦和店」と言う名店が在り、
  二〇〇八年の年末に、体調不良を押して食べた所、翌朝、不快な胸焼けに見舞われ、
  其れ以来、トラウマに成ってしまって、美味しく頂けなくなってから足が遠退いていた。
  昨年、店の前を通った折、建物が壊されて閉店ガラガラに成っており、気には成っていたが、
  此の度、同じ場所で新しい建物に新装し、「富士丸」系列からも独立して開店したと言う。
  最後に訪れた二〇〇九年五月二十六日から、約四年二ヶ月が経過しており、
  トラウマも薄らぎ、腹ペコの状態ならば問題無かろうと、同窓会に行く様な気持ちで出掛ける。
  「ラーメン 富士丸」時代は夜の部の営業のみだったが、新装してからは昼も営業している様だ。
  建物が建て替わり、何だか変な感じだが、入口を開けて中へと入る。
  行列は愚か、店内にも客は誰も居らず、平日休みの恩恵を受ける。
  以前と変わらず、入って直ぐに券売機が有り、先ずは食券を購入する。
  此れ又、以前と変わらず、「ラーメン」の釦を押すが、以前より五〇円安く成っている。
  食券を店員に手渡すが、当時の顔触れは無く、少し寂しい気持ちがする…。
  さて、業務用冷蔵庫の上に設えられた給水器から水を汲み、同様に置かれた御絞り、
  蓮華を見て、以前の店の様子を徐々に思い出して来る。
  店内は小上がり席が無くなっており、小奇麗なカウンター席のみへと変貌を遂げている。
  厨房内には製麺機が有り、相変わらずの自家製麺と言うのが嬉しい。
  冷水を呷り、汗を拭い、冷房の風向きに身体を合わせ乍ら涼を取っていると、
  不意に「大蒜入れますか?」と訊かれ、以前同様に、「全増しで」と冷めた仕草で熱く伝える。
  そして、目の前に差し出されたのは、昔の記憶を呼び起こすかの様な暴力的な小高い山。
  更に、別の容器で出される脂。
  嗚呼、此れだ此れだ!
  何かに憑りつかれたかの様に、毎週欠かさず喰らったラーメンは。
  トラウマが呼び戻されない様に、恐る恐るプースーを啜れば、おっ!?昔と少し違う。
  「富士丸」系列特有の得も言われぬ、輪郭のぼんやりとした甘目のスープより、
  やや醤油ダレの味わいが強めに感じられ、幾らか引き締まった感じすら窺える。
  全体的には甘目が支配しているのだが、数年振りに頂くと、随分と違った印象を持つものだ。
  お次は野菜に取り掛かるが、以前は無かった醤油ダレが配置されており、此れをぶっ掛ける。
  こうすれば、塩気が増すので、甘味が抑えられ、一石二鳥だ。
  野菜も変わらず、クタクタ加減のしんなりした物で、萌やしとキャベツが項垂れている。
  個人的にはシャキシャキ過ぎて兎の餌の様な野菜よりも、プースーが染み込み易い、
  クタクタ気味の茹で加減の方が断然に好みだ。
  野菜も粗方片付いた所で、丼の奥底から麺を引っ張り上げる。
  強力粉オーションを使用して打たれた麺は、平べったく、以前と変わらない佇まいだ。
  此れにワッシワッシと喰らい付けば、昔を思い出し、涙しそうに成って来る。
  ゴワゴワとした力強い麺は、モチモチ感が堪らない。
  面白かったのは、麺の切り方の加減か、切り口が波形にギザギザに成っているのが有り、
  口当たりと言うか、食感に変化を持たせているのだろうか。
  中盤から、別容器で出される脂を大量投入してみる。
  ギットギトの背脂に醤油ダレが加えられており、其れだけでも確りと味付けされている。
  丼の中は一気に油地獄と化して行く…。
  さて、豚はと言うと、此れが結構な分厚さの物で、二切れ入っている。
  噛り付けば、わぉ!ホロっといとも簡単に解れ、トロットロに軟らかい。
  脂身の部位も、筋張って硬かったりと言うのは無く、プルンとして旨い。
  何でも、叉焼の持ち帰り販売も開始している様で、相当、研究と改良を重ねたのだろうな。
  大蒜は以前の「テーオーニンニク」の様な安っぽい味わいの物ではなく、
  本物の刻み大蒜が使用されており、其の点でも、プースーの甘さをキリっと締めて呉れている。
  茹でる前で三五〇グラム有ると言う麺も何とか平らげ、腹パンパンで、妊婦の様な状態。
  テーブル周りを綺麗に片付け、汗を拭って退店する。
  トラウマも払拭されたので、此れは再訪も大有りだな…。