続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「つけめん らーめん みとや」【東武練馬】

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 ◎「メンマつけめん」八〇〇円+「中盛」無料

 …昨日。
  仕事は相変わらず、暗礁に乗り上げた儘の様相。
  出社しても、真面な挨拶をして貰えなくても、前日の引き継ぎやら、当日の作業内容に関し、
  此方から話し掛ける様にしているが、素っ気無いと言うか、突っ慳貪な応対。
  此方が勇気を振り絞って、此方だって口も利きたくないのに話し掛けても此れじゃね。
  まあ、好い加減、慣れたがね。
  嗚呼、僕の事が嫌いで、「グイグイ来て欲しい」と言う割りには、けんもほろろに突っ撥ねるのね。
  何時の日か、倍返ししてぇ…。
  そんな好転しない状況だが、落ち込むと言うより、何だか笑えて来た。
  こう成ったら、此の村八分具合を愉しんでやろうかしら。
  実は、未だに猫を被っているが、腹はどす黒いのよね、僕…。
  気分は陰鬱な儘だが、此の日も仕事に向かう。
  颱風一過の秋晴れだが、南中高度に近付けば、陽射しは未だ未だ容赦無い。
  長袖なんて着ているのは愚の骨頂だ。
  汗をかきかき、僕にとって嫌な街に成ってしまった東武練馬に降り立つ。
  何時もの様に仕事前に、真っ黒な腹を満たさなければならない。
  火曜日は僕にとっての週末なので、最後の一日を乗り切るべく、お気に入りの此方と決めている。
  木戸を開けて中に入り、カウンター席一番奥に陣取る。
  冷水を注ぎ、喉を湿らせた所で、発注を済ませる。
  此処最近は「チャーシューつけめん」が専らだが、偶には「メンマつけめん」で抑えよう。
  一〇〇円の差だが、僕の中での精一杯の節約、倹約だ…。
  麺は勿論、「中盛」で御願いする。
  三〇分後には始まる仕事を重苦しく思いつつ、出来上がりを愉しみに待つ。
  一〇分と掛からず、丁寧な仕事が為されて配膳される。
  すっかり見慣れた佇まいのつけ麺だが、派手さは無いが、好感が持てる一杯だ。
  さて、待ち切れないとばかりに、責っ付かれる様に麺を手繰り、つけ汁に浸して啜る。
  流石、昼はうっかり八兵衛、夜はもっこり八兵衛。
  つけ汁を撹拌するのを忘れたので、一口目は味が薄い…。
  改めて、つけ汁の器の底を浚う様にして、味を全体に馴染ませ、仕切り直して啜る。
  二口目は何時もの味わいが復活する。
  塩気が有るのだが、角が無いと言うか、嫌味が無く、独特の魚介豚骨。
  あっさりしているのだが、其れなりに油分は含まれており、さっぱりし過ぎていない。
  動物系よりは魚介系の方が幾分強めの感じだが、突出しておらず、均整が取れている。
  ラーメンのプースーをつけ汁にした様な印象だが、何だか癖に成る。
  自家製麺の麺は、確りと水洗いと水切りが施され、ゲッティーの様な食感が良い。
  中盛りで三五〇グラムだが、もっと啜りたくなる。
  此方では好みでグラム数を言えば対応して呉れるらしい。
  つけ汁がサラサラなので、麺との絡みは良くないが、つけ汁にたっぷりと浸して豪快に啜りたい。
  さあ、つけ汁に沈んだ具に取り掛かろう。
  何度も申し上げるが、此方の叉焼が何とも旨い。
  赤身が多く、ともするとパサパサと言う印象を受け勝ちだが、噛み締めたくなる食感。
  じんわりと旨味が染み出して来て、味付けも確りしているので堪らない。
  「チャーシューつけめん」、「チャーシューラーメン」に入るハムの様な大判の叉焼も良いが、
  つけ麺に入る短冊状の叉焼、此れが良いんだな。
  麺麻はと言うと、此れ又、たっぷりと入り、麺麻と麺を交互に食べても十分に余る程。
  最後は、大事に取って置いた叉焼と、食べ出の有る麺麻が残り、麺が先に無くなってしまう。
  本当、麺をそそくさと啜ってしまうのが惜しく、何時迄も啜っていたい。
  裏を返せば、仕事に行きたくないだけなんだが…。
  〆は、店主からスープ割りは如何かと訊かれるも、僕の流儀なので、原液を飲み干す。
  丼の底には肉味噌の様な調味料が溶け切れておらず、其れが又、旨かったわぃ。
  会計を済ませると、店主が深々と頭を下げて見送って呉れ、殺伐とした毎日だが、
  世の中にはちゃんとした挨拶が出来る方も居るのだと、少しホッとしてみる…。