続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「ラーメン二郎 大宮店」【大宮】

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◆「ラーメン二郎 大宮店」【大宮】

 ◎「豚増しラーメン」七五〇円

 …火曜日。
  ストレスが鬱積し、生きた心地のしない毎日を送っており、其れが身体にも表れている。
  先週から酒の呑み過ぎの所為か、鳩尾の下の鈍痛が続いており、肝臓が傷んでいるのか。
  毎朝、吐き気に見舞われ、ゲヴォが出そうな、何とも清清しくない朝を迎える毎日。
  通勤時間が短くなり、其の分、疲労度は軽減されているが、背負い込む物は大きくなっている。
  ずっと肩に力が入り、肩凝りが続いている様な状態だ。
  然し、そんな中でも、此の日、火曜日、懸案だった事項が解決し、一先ず、ホッとしてみる。
  二〇時過ぎに職場を出、何時もは真っ直ぐ帰るのだが、途中下車してみる。
  家に帰ると、如何しても晩酌をしてしまい、益々、肝臓を傷めてしまうので、此の日は止そうと。
  とは言え、酒を呑まずに遣り過ごすには、其れなりの代用品が必要だ。
  ガツンとパンチの効いた物が…。
  そう、此れしか無いな。
  大宮駅東口に降り立ち、南銀座の桃色繁華街の誘惑、客引きの中を擦り抜け、現場へ急ぐ。
  途中、店の扉が開け放たれ、薄暗い店内からはタンバリンが鳴り響く音が聞こえ、
  其の客引きから、「御触り、如何ですか?」と訊かれた時は、少し時めいたが…。
  僕の意志は固かった。
  黄色い看板を目指せば、店内は満席、待ちは無し。
  良しとばかりに、先ずは店内に入り、先に食券を購入して外で待つ。
  勿論、何時もの「豚増しラーメン」の緑色の食券だ。
  五分足らずで席が空き、外套を脱ぎ、冷水を汲み、席に腰掛けようとするが、
  僕の後ろで待っていた、若い婦女子二人が券売機の前で間誤付いており、中々、着席出来ない。
  ああだこうだと五月蠅く、興味本位で来たのか、娯楽感覚なのが鬱陶しい…。
  暫くして、其の二人組は僕の隣りに座り、ぺちゃくちゃと駄弁り、猛者だらけの店内で、
  明らかに異彩を放ち、浮いていると言った感じで、自然と眉間に皺が寄ってしまう。
  気を紛らわせるかの如く、厨房内の調理工程に目を転じる。
  豚の脂がゴロゴロと浮いた寸胴の中に、僕は興味津々だ。
  さて、程無くしてトッピングを訊かれ、「野菜、大蒜、脂で」と告げる。
  で、注目は隣りの若い婦女子連中。
  凡そ、「ラーメン 二郎」とは似つかわしくないが、何故か「野菜増し」…。
  舐めているとしか考えられないな。
  まあ良い、自分のラーメンに専念しよう。
  受け皿に乗せられた丼を慎重に受け取り、一週間振りの再会を果たす。
  口から御出迎えで、先ずはプースーから頂く。
  夜の部に御邪魔するのは恐らくは初めてなので、昼よりは乳化しているのかと思いきや、
  昼の部と同様のすっきりとして、醤油ダレの立った味わいで、コクよりも切れで勝負と言った感じ。
  此れが、仕事終わりの荒れ果てた心身に、スーッと染み入るかの様で堪らないな。
  此れならば、酒を抜いても耐えられる。
  豚の汁がたっぷりと溢れ出て、五臓六腑に染み渡る。
  野菜には卓上の醤油ダレをたっぷりと振り掛けてから頂く。
  茹で上げたばかりの物を盛り付けるので、熱熱で旨い。
  茹で加減は文句無く、シャキシャキとクタクタの中間で絶妙だ。
  麺に行く前に、浮気をして先に豚を一口行ってみよう。
  相変わらず、此れ以上無い暴力的な見栄えに、日常を忘れて心躍ってしまう。
  脂身のトゥルンとした部位は、身体に悪いと知りつつも、コラーゲンたっぷりで最高に旨い。
  赤身の部位は、此の日は味付けが薄目と言うか、浸かりが浅い印象。
  だが、旨さは言わずもがなで、噛み応えが有りつつも軟らかく、身悶えしそうに旨い。
  ホロっと解れ、トロンと蕩け、最早、「ジャンクガレッジ」には戻れない…。
  此の豚には敵わないだろう。
  さて、漸く麺に取り掛かり、丼の中から引っ張り上げる。
  「ラーメン 二郎」らしい平打ち麺は、加水率低目で、ややゴワゴワとしたざらつきの有る麺。
  少し、テロンとした感じは有るが、スープや刻み大蒜、脂と絡んで旨い。
  「麺硬めで」と発注する客が多いのも頷けるが、此れは此れで旨い。
  そう言えば、此の日、ラーメンが出来上がって、トッピングを訊かれる段に成って、
  「麺硬めで」と発注した客が居たが、其れは幾ら何でも無理だろう…。
  こちとら、確りと大蒜を摂取し、汗だくに成りつつも満喫して食べ終わるが、
  隣りの婦女子連中の丼には、大量のラーメンが残っていたな…。