◆「麺屋 ばんどう」【末広町】
◎「背脂煮干つけ麺(並)」七〇〇円+「半ライス」無料
…昨日。
先週木曜日から、四日間に亘って三日の休日を取ると言う、
今月最大の愉しみも、あっという間に終わってしまい、厳しい現実に戻る…。
辛く厳しい、有り触れた毎日が又遣って来る。
過去、生きているのが嫌な時、期間は数有ったが、仕事絡みは初めてだ。
全く愉しいと思えない毎日を送り続けると言うのも、心身を擦り減らす。
さて、昨日は、業務上必要と成る資格の講習会に、六時起きで出掛ける。
十七時の終了後は、其処から厚木に出勤すると言う狂気の沙汰…。
身体が持ちませんぜ、旦那。
朝は朝で、秋葉原に向かうのに、赤羽で乗り換えようと思ったら、
線路内に人が立ち入ったとかで、電車は動かず。
あのさぁ、何で妄りに線路内に入るのよ。
轢き殺されても仕方無いんじゃない?
こちとら遅刻出来ないと言うのに!
年甲斐も無く走り、一〇月下旬に汗だくのデヴ一名…。
息を整える暇も無く、講習に突入し、睡魔と闘いつつ午前中を凌ぐ。
正午から一時間の昼休憩と相成り、一目散に秋葉原の街へ出る。
こんな用事でも無ければ、秋葉原なんて来ないのでね。
予め、ラーメン店の下調べだけは余念が無い。
魅惑的な店が多い中、惹かれたのが此方。
選りに選って、「背脂煮干」と言う、蠱惑的な物を売りにしている様だ。
すんなりと店を発見し、地下へ階段を下り、店内に入る。
客は誰も居らず、先ずは券売機で食券を購入する。
初めてなので、無難に「背脂煮干ラーメン」が良いかなと思うも、
此処最近、つけ麺を頂いていないなと、「背脂煮干つけ麺」にしてみよう。
量は自重して「並」でグッと我慢…。
食券を手渡す際、「半ライス」が無料で付くと言うので、御言葉に甘える。
着席し、座学の疲労を癒すべく、冷水をグイッと呷る。
店内の貼り紙を見ると、つけ麺は太麺を使用している為、ラーメンよりも、
茹で上がりに五分余計に掛かるとかで、期待が持てそうだ。
一〇分程、ぼんやりとして過ごしていると、待望のつけ麺が配膳される。
うん、見た目は今流行りの魚介豚骨つけ麺と何ら変わらない。
つけ汁は濃厚茶褐色、麺は太麺と言う、何の変哲も無い感じ。
さて、麺を手繰り、つけ汁にドヴンと浸して啜ろうかね。
おっ、つけ汁の粘度は可也高そうで、ドロッドロだ。
麺にべっとりと纏わり付き、持ち上げも良く、最後迄持つか如何か。
啜ってみると、煮干しの風味が、ガツンと言う程ではないが、
思ったよりも確りと、刺激的に伝わって来る。
国産のゲンコツ、鶏ガラ、モミジ、豚足を直火で長時間炊き、
丹念に取った国産厳選煮干し出汁を合わせたと言うのが売り。
味付け自体は甘目だが、其れより何より、背脂の量も影響していよう。
ゴロゴロとした塊の背脂が大量に入り、此れは此れで素敵だ。
背脂を御数に御飯を頂けば、ホルモン定食でも食べているかの様。
麺はと言うと、太麺で、むっちむちの腰と弾力が堪能出来る。
「サッポロ製麺」と言う所の物の様で、店内に麺箱が積まれている。
強烈なつけ汁に負けない、力強い麺だ。
つけ汁の中には具が沈んでいるが、刻み叉焼が入っているかと思いきや、
其れらしい固形物は無く、解し肉と言った感じの物が少々。
麺麻は四、五切れ入り、後は背脂と言った塩梅。
途中、卓上の刻み玉葱を投入し、具が増えた気分に成ってみる。
さて、貼り紙には、食し方を記した物が有り、指南している。
卓上のカレー粉を投入して、味を変えるのが御薦めと言う。
良し、試してみよう。
ドロッドロのつけ汁に、カレー粉を二杯投入。
撹拌し、麺を浸して啜ってみれば、おおっ、正にカレーつけ麺。
粘度もカレー其の物で、和風出汁の濃厚カレー。
麺を食べ終え、残りの白米を投入してみるか。
蓮華で掬って頬張れば、あれ?此処はカレー屋だったっけ。
そんな錯覚に陥る程に、つけ麺のつけ汁とは思えないカレー度。
食べ始めた時はつけ麺だったのに、食べ終える時はカレーだなんて。
何と言う変わり身の早さ。
違うか…。
兎にも角にも、一食で二食分愉しめた感じはお得感が有るな。