◆「らあめん 満来」【新宿西口】
◎「チャーシューざる」一三五〇円
…一昨日。
今週も何とか、こうして金曜日、土曜日と休日に漕ぎ着ける。
来週は残念乍ら、火曜日、土曜日と言う変則でしか休日が取れず。
こうも不規則じゃ、誰も集いに誘って呉れないし、疎遠に成り、
疎外され、村八分の様な人間関係に陥るばかり…。
昨年は仏蘭西産の葡萄酒が解禁だからと誘って呉れた御近所さん達も、
すっかり僕の存在を忘れた様で、カースト最下層は虐げられっ放しだ。
まあ、良いさ、独りで…。
さて、独りぼっちに成った所で、話は遡って水曜日。
今週は火曜日から木曜日迄、諸般の事情で前任地での勤務。
十三時半から仕事の為、其の前に、昼御飯でも食べてしまおうかなと。
こう言う悪巧みにだけは頭が回る。
如何せん、身体が肉を欲しているのだ。
九月十一日を最後に、頂く機会を失っている此方が真っ先に思い付く。
十一時半に、逸る気持ちを抑えつつ店着。
早歩きした為、呼吸を整えつつ、店内に入る。
先ずは、券売機で何時も通り、「チャーシューざる」の食券を購入。
行列に接続すれば、先客は一〇名強。
まあまあ、旨い物を頂く為には、此れ位は致し方有るまい。
食券を改札を受け、店内には相変わらず、フュージョンが流れている。
此の日の店内は、男性店員五名、女性店員一名体制。
アルバム『黒船』の頃のサディスティックミカバンドと同じ編成。
入店から十五分ヂッと待ち、漸く着席。
其れから更に五分後、約二ヶ月振りの「チャーざる」と御対面。
もう、身を捩って、身悶えしてしまいそうな見た目に心躍る。
矢も楯も堪らず、麺を手繰り、肉塊犇めくつけ汁へと浸す。
勢い良く、豪快に音を立てて啜る。
初めに、鶏ガラの味わい、鶏油の何とも言えない深いコク、旨味が、
ガツンと、腹っ減らしのポンコツ中年の味覚を撃ち抜く。
此の滋味たっぷりの味わいは、何度頂いても好きだ。
そして、魚介の風味を感じつつ、酢の酸味、七味唐辛子の辛味が来る。
嗚呼、染みるっ！
麺はピロピロの平打ち麺で、緩やかな縮れが効いている。
其の為、啜り心地が良く、唇に触れ、口内に収まって行く感触が良い。
冷水で確りと〆られているので、つけ汁の温度低下が何時もより早い。
見る見る内に、つけ汁の油分が白く凝固して行くのが分かる。
此の日は一番若手の店員氏が麺担当だった所為か、水切りは甘目。
さてさて、何を置いても叉焼だ。
圧巻としか言い様が無い肉塊に喰らい付く。
丼の底に沈む、刻み叉焼から頂いてみれば、旨さ、軟らかさ共に良い。
大振りな分厚い叉焼に取り掛かれば、様々な擬音が体感出来る。
ホロッホロ、フワッフワ、トロントロンのプリンプリン。
色々な食感が堪能出来、豚肉の良さを存分に愉しめる。
此の時、決意する。
十二月に成人病検診で新宿に来る用事が有るので、其の節は、
バリウムを飲んだ後、御褒美代わりに「チャーシューらあめん」を食べよう！
一五五〇円もする、此方で最も高級且つ、肉量の多いメニューを。
其れ迄、何とか生き永らえようと…。
具の麺麻、ざく切りの長葱、刻み海苔も脇役乍ら光っている。
最後はつけ汁を全て飲み干し、豚の旨味を残さず補給。
又愉しみが増えたな…。
