続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「石臼自家製粉手蕎麦 いんなみ」【影森】

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◆「石臼自家製粉手蕎麦 いんなみ」【影森】
 
 ◎「天せいろ」一七〇〇円
 
 …先週金曜日。
  前日の木曜日から、久し振りの三連休で、此の日が中日。
  前日の「ジャンプ」で、大蒜を入れ忘れられる悲劇を引き摺りつつ、
  思い付きで、紅葉を愛でに秩父へ出掛ける事にする。
  前回は九月上旬に泊まり掛けで行って以来。
  埼玉県は観光地が少ないので、何かに付けて秩父は頻繁に出掛ける。
  一〇時に家を出立し、何時も通り、東京環状、県道十五号線、巾着田を過ぎ、
  国道二九九号線に入り、正丸峠を抜け、秩父市内に滑り込む。
  貧乏なので、高速道路なんて使えないし、使わない。
  さて、折しも時間は正午。
  何時もは羊山公園に立ち寄り、秩父市内を一望するのだが、先ずは腹拵え。
  秩父と言えば、「麺屋たつみ 喜心」で必ずラーメンを頂くのだが、
  偶にはバーソーにしてみよう。
  前回の秩父一泊旅行の際は、定休日の為に断念した此方。
  「鮨処 いっしん」のマスターが是非とも一度行ってみたいと言う。
  混んでいると言う話だったが、平日、正午を廻ったばかりと言う時間からか、
  駐車場は空きが目立ち、店内には二、三組のみと拍子抜け。
  着席し、メニューを拝見するとしよう。
  う~ん、中々、御値段も宜しいですな。
  普通に「せいろ」でも良いが、物足りないだろうから、良し、贅沢しよう。
  普段、滅多に頂かない天麩羅も頂いておこうと、「天せいろ」に決定。
  「らあめん 満来」では「チャーシューざる」に一三五〇円出すが、
  蕎麦に一七〇〇円は、清水の舞台からバンジージャンプする心持ちだ。
  矢張り、蕎麦は高級嗜好品だ。
  日本人離れした女将さんに、まあ、彼方の国の方なのかしら、発注を済ます。
  途中、女将さんが洗濯物を取り込みに行ったりと、日常生活が垣間見える。
  人間だもの、其れは仕方無い事…。
  十五分程で、バーソーが配膳される。
  天麩羅が付くと、華やかだし、豪華、豪勢に見えるな。
  寿司、鰻と並んで、和食の華だ。
  天麩羅には抹茶塩を塗して頂く様、女将さんから指南される。
  先ずはバーソーから手繰り、啜ろう。
  蕎麦に関しては知識が無く、詳しい事が分からないので、能書きを読もう。
  此方の蕎麦は、厳選した国産蕎麦の殻を剥いた蕎麦の実で仕入れ、
  冷蔵庫で一定の温度管理で保管しており、黒い殻は全く入っていないと言う。
  此の蕎麦の実の薄緑色の部分には、玄米と同じ様に栄養が豊富らしい。
  毎朝、其の日打つ分だけ、甲州臼で自家製粉しており、此の甲州臼は、
  全国に十数台しか無く、製粉歩留まり九十九.八パーセントの製粉能力で、
  蕎麦を超微粉末に挽けるが、此方では九十八パーセント前後で製粉との事。
  従来の石臼では挽けなかった甘皮の部分を九十八パーセント前後で挽く事で、
  甘皮に多く含まれているルチンがたっぷり入った挽きぐるみ蕎麦を、
  十割蕎麦と二八蕎麦で提供していると言うが、何のこっちゃさっぱり…。
  で、蕎麦打ちの基本は捏ね、延し、切り、と言う事だが、
  此の捏ねである水回しは、其の日の気温、湿度、蕎麦の粉の状態に依り、
  加水が微妙に違い、蕎麦は繊細らしいが、馬鹿舌にはちんぷんかんぷん…。
  此の「天せいろ」は二八蕎麦なので、厚さ二、三ミリメートル前後に延し、
  均一に切る事で、均一に茹で上がり、喉越しを良くすると言う。
  確かに、細切りなので、スルスルと啜り心地が良く、あっと言う間だ。
  蕎麦茹では、茹で加減で蕎麦の味が大きく左右されるらしく、
  冷たい蕎麦の場合、太さに依って秒単位で茹で時間を変えていると言う。
  腰が強く、甘く、ルチンがぎゅっと凝縮されているのが売り。
  蕎麦つゆは濃厚と言うよりは、甘味が有り、サラッとしたあっさり目。
  鰹出汁が効いているが、個人的にはもっと濃口が好み。
  薬味は葱、大根卸、山葵。
  さて、お次は天麩羅だ。
  天然海老、舞茸、蓮根、紫蘇、薩摩芋、隠元、茄子の七品。
  天麩羅にも拘りが有る様で、厳選した二種類の油と、玉子、薄力粉、
  水のみで揚げており、素材の味を邪魔しない様に、衣を薄く、
  サクサクする様な揚がりが特徴と言い、確かに軽く揚がっている。
  特に、海老は秀逸だが、歳の所為か、七品も頂けば、胸焼けしそう。
  衰えを痛感する…。
  最後は蕎麦湯を頂くが、時間が早い為か、とろみが弱く、サラッとしている。
  つけ麺ではスープ割りはしないがね…。