◆「らあめん 満来」【新宿西口】
◎「チャーシューらあめん」一五五〇円
…昨日から三連休の二日目。
今日が成人病検診と言う事で、昨晩は二十一時迄に晩御飯を済ます予定が、
午後からずっと家に居たら、外に出て、食事をしたり、買い物に行くのが、
途轍も無く億劫に成り、然りとて、家に食糧が有るじゃなし、
結局、密造酒の様な偽物の麦酒を開けただけで終える駄目中年。
検診の前の日だからと言って、酒を抜くなんて、往生際の悪い事はしない。
呑みに行ってる癖に、鬱金ハイや青汁ハイを呑む様な間抜けな抵抗と一緒。
有りの~儘の~、姿見せるのよ~!
「アナ○で逝くの女王」だっけか?
多分、違うので此の話は終了…。
と言う訳で、今朝は六時半起きで新宿に成人病検診に出掛ける。
身長、体重、視力、血圧、X線、腹囲、採血、聴力、心電図、胃部X線と。
胃部X線では、まさかの造影剤御替わりと言う拷問。
野菜、大蒜増し増しは大歓迎だが、造影剤、炭酸増し増しは御免蒙る。
下剤を貰う前から、白便を垂れ流しつつ、一〇時半前には早々に終了。
此の日の昼御飯は、「らあめん 満来」で最高級メニューを頂くんだと、
一ヶ月も前から、固く心に決めているのだ。
十一時の開店を前に、途中、液体紙粘土の様な便を噴出させ、
時間丁度に店に到着すれば、既に開店し、店内には親爺ばかり九名の先客。
負けじと、一五五〇円の食券を購入し、順番にカウンター席に腰掛ける。
厨房内は男性三名、女性一名で切り盛りしている。
シングル「ハイ・ベイビー」の頃のサディスティックミカバンドと同じ編成。
さて、初めて頂く「チャーシューらあめん」は一体、どれ程なのかと、
逸る気持ちを抑えつつ、武者震いにも似た心持ちで出来上がりを待つ。
「ざる」を発注した客よりも先に、ラーメンが先に出来上がり、目の前に。
一瞬、大した事無いと思ったが、丼を半周させ、後ろ側を見て吃驚。
厚さ三センチメートルは有ろう、分厚過ぎる肉塊だった。
WAKU WAKUさせて呉れるわぃ。
丼に収まり切らず、食み出ちゃってるし。
少~し位、食~み出したって良いさ~、と歌ってる人も居るから良かろう。
良しと、気合を入れ直し、先ずはプースーから啜ろう。
此方では「チャーシューざる」しか頂いた事が無いので、緊張の一瞬だ。
一口啜ってみると、真っ先に浮かんだ感想は、「優しい~!」。
鶏ガラの何とも言えない、優しみが溢れ、滋味に満ちた味わい。
そして、鶏油と思しき、奥深いコクが、二十四時間何も食べていない胃袋を、
優しく、温め乍ら包み込んで呉れるかの様で、とても倖せな心持ちに成る。
マザー・テレサの様な慈悲深さ、有り難味さえ感じられる。
僕の様な濃い味大好きな人間からしたら、ともすると薄く感じるのだが、
出汁の旨味が存分に出ているので、薄さが気に成らない。
お次は麺を手繰れば、何時ものピロピロ気味の平打ち麺。
表面はツルツルとして、啜り心地、喉越しが良く、簡単に入って行く。
量が結構有るだろうと懸念したが、此れならば、いとも容易く啜れるな。
具の麺麻は、脇役乍ら、主役を立てつつも、良い存在感を出している。
さあ、主役の叉焼だ。
ラーメンを食べに来たと言うより、肉を食べに来たからね。
先ずは、「チャーシューざる」にも入っている形状、厚さの物が二枚。
噛り付けば、プリッとして、弾力が有るが、ふわふわした軟らかさで、
嗚呼、此方の叉焼を今、頂いているんだなと実感させて呉れる。
脂身も程好く付着しており、プルンとして、矢張り最高だ。
此の叉焼が、「ラーメン 二郎」に入っていたら、嘸かし素敵な事だろう…。
さてと、大物に挑みますかね。
其れにしても、木材の様な大きさで、箸で持ち上げるのも一苦労。
此れを喰らえば、赤身が殆どなので、肉の繊維が歯の隙間に漏れ無く挟まる。
が、怯まず、肉塊を噛み千切る。
トロットロ要素は無いが、ホロっと解れる感じが有り、肉肉しさ満点。
味付けは薄味で、飽きない工夫か。
確かに、此れが豚の角煮の味付けだったら、ゲヴォ出ちゃうよ、僕でも…。
いや~、でも、旨いわさ。
プースーも粗方飲み干してしまったし、次回から、「チャーシューざる」と、
何方にしようか、真剣に悩んでしまう。
「どっちの料理ショー」に出たら、悩み過ぎて熱出ちゃいそう。